eぶらあぼ 2020.12月号
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95コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL■ウィーン・フィル来日公演が実現! 日本公演を正式に発表したものの、オーストリア国内でのコロナ感染者の拡大で来日が直前まで危ぶまれていたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が来日を果たした。ロックダウン後にオーケストラが海外公演を実施するのは異例のこと。当初、中国、韓国を含む公演も予定していたが、早くからキャンセルし、日本だけの訪問となった。指揮者のワレリー・ゲルギエフ、ソリストのデニス・マツーエフも帯同した。今回、メンバーのほぼ全員が参加し、フル編成でチャイコフスキーやR.シュトラウスの大曲を披露。11月4日、ダニエル・フロシャウアー楽団長とミヒャエル・ブラーデラー事務局長が出席してオンラインでの会見を行った。 ブラーデラーは「来日(滞在)中は2週間の隔離状態と同じ環境で、団員はホールとホテルの往復以外は外出を禁止。全員がこの厳しいルールを受け入れてくれたことを誇りに思う」と述べた。フロシャウアーも「今回の日本ツアーで音楽と文化がいかに大切かを皆さんと分かちあいたいと思う。定期的にPCR検査を受け、実演直前までマスクの着用を欠かさなければ通常の演奏が可能であると結論を出し、(ディスタンスを取らない)通常の配置で演奏する。“みなさんが愛するウィーン・フィルの音”をお届けしたい。(オーストリア離陸)前日に起きたテロ事件での犠牲者に捧げるコンサートとしたい」と語った。サントリーホールhttps://www.suntory.co.jp/suntoryhall/■京都市交響楽団 × 石橋義正「火の鳥」 記者会見 2021年1月17日に開催されるロームシアター京都の開館5周年記念事業『パフォーマティブコンサート「火の鳥」』の記者会見が10月29日、ロームシアター京都メインホールで行われた。演出の石橋義正、指揮者の園田隆一郎が登壇し、ソプラノの森谷真理とダンサー・モデル・表現者として活躍するアオイヤマダがオンラインで参加した。 同公演は、音楽・舞踏・美術が融合し、実験的な試みが体験できるという複合的なステージ。21年に没後50年を迎えるストラヴィンスキーのバレエ組曲「火の鳥」を中心に、20世紀初頭、当時の最先端の芸術家とともに活動した「バレエ・リュス」の精神にインスパイアされたプログラム5曲が、それぞれのテーマに沿った演出によって披露される。 “破滅”をテーマにしたラヴェル「ボレロ」では、アオイヤマダが特殊メイクとダンスを組み合わせたヘアメイクショーのようなステージを展開。“渇望”がテーマのラヴェル「シェエラザード」では、森谷の歌唱と舞台美術としての個性的な衣裳にも注目。「火の鳥」では“復活”をテーマに、ダンスや照明効果を生かした演出でクライマックスを迎える。 石橋は「普段クラシックを聴く機会の少ない人とクラシックファンの両方に驚きと感動を伝えたい。音楽だけでも聴きごたえがあるが、美術的な要素や人間の身体の可能性、そしてテクノロジーを加えることによって新しい次の表現へのステップとなる」と意気込みを語り、一方、京都市交響楽団とは長い付き合いという園田は「色彩感豊かな曲が得意なオーケストラ。そこに演出がどのように関わってくるのか本当に楽しみ」と期待を寄せた。ロームシアター京都https://rohmtheatrekyoto.jp■浜松国際ピアノアカデミー開催要項 発表 2021年2月28日から3月7日までの8日間にわたり、アクトシティ浜松にて開催される浜松国際ピアノ左:ダニエル・フロシャウアー 右:ミヒャエル・ブラーデラー 写真提供:サントリーホール左:石橋義正 右:園田隆一郎写真提供:ロームシアター京都

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