eぶらあぼ 2020.12月号
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38左:滝 千春 右:斎藤 龍 ©島崎信一【動画配信】滝 千春 × 斎藤 龍「ベートーヴェンウィーク」ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲12/14(月)~12/18(金)各日20:00 PIA LIVE STREAM(アーカイブ配信有)※配信日により曲目が異なります。問 Beethoven Project実行委員会050-3634-4632 https://www.ryusaito.com滝 千春(ヴァイオリン) & 斎藤 龍(ピアノ)ソナタ10曲を通してベートーヴェンに寄せる熱き思いを発信する取材・文:伊熊よし子Interview 今年のベートーヴェン生誕250年のメモリアルイヤーには、さまざまなベートーヴェンの作品を演奏するコンサートが企画されていたが、コロナ禍の影響で多くの演奏会が中止となった。しかし、ベートーヴェンを愛するアーティストたちはなんとか自身の演奏を形にしたいと努力し、その可能性を追求している。 そのなかでヴァイオリニストの滝千春とピアニストの斎藤龍は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏をライブストリーミングで発信することに決めた。 ふたりは10年前、留学先のチューリッヒ芸術大学のコンクールでベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第1番を演奏して優勝し、以後ソナタ全曲演奏を目指して研鑽を積んでいる。滝は作品についてこう語る。 「ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、ヴァイオリンとピアノが雄弁な音の対話を繰り広げ、ピアノはとても重要な役割を担います。斎藤さんはベートーヴェンを得意とし、ピアノ・ソナタ全曲演奏なども行い、作曲家を深く研究しています。理想のパートナーといえますね。全10曲ともそれぞれ個性があり、表現力も多様ですが、私は特に第6番の第2楽章に魅了されています。あまりにも美しいメロディに、つい涙があふれそうになります」  一方、斎藤のベートーヴェン観は…。 「ベートーヴェンはピアノの名手でしたから、ピアノにとても多くのものを要求しています。各ソナタにベートーヴェンらしさが宿り、聴きどころはたくさんありますが、私は昔から第4番を愛しています。新しいものを求めるエネルギーがすごいからです。今回はヴァイオリニストとともにこうした新しさを追求し、独自の見解を示す演奏をしたいですね」 理想のパートナーを得た彼らはじっくりリハーサルを行い、ベートーヴェンと対峙する。 滝「常に、楽譜を深く読み込むことが大切だと思います。演奏するたびにごくこまかな点に気づき、ピアノとのバランスも考える。ベートーヴェンは古典的な書き方をしていますが、そのなかに革新性が見えます」 斎藤「これらのヴァイオリン・ソナタはいずれも時代を先取りし、冒険心に満ちています。主題や変奏、和声、強弱の変化、リズムの変容などありとあらゆる冒険をしている。生涯探求し続けたい作曲家です」 ベートーヴェンの誕生月に行われる配信。滝と斎藤のベートーヴェンに寄せる熱き思いをそのデュオから聴き取りたい。柴田智子(ソプラノ)の自由で素敵なコンサート Vol.3Precious Christmas for you 2020ジャンルを超えた名旋律で心温まるひとときを文:東端哲也 クラシックの枠を超え「今を生きる喜び」を歌うソプラノ柴田智子が、万全の感染対策を講じた小編成での生コンサートを開催。あわせてネット配信でも歌声を届ける。「こんな時期だからこそ、音楽で世界を旅しているような感動を届けたい」という彼女から、コロナ禍でクリスマスを迎えることになる私たちへの最高にハートウォーミングな贈り物だ。 プログラムで目を惹くのは、「アディエマス」で一世を風靡したカール・ジェンキンスや合唱曲で知られるジョン・ラターら現代の作曲家による知られざる聖歌たち。バッハ・コレギウム・ジャパン12/13(日)19:00 豊洲シビックセンターホール問 TSPI 03-3723-1723 http://www.tspi.co.jp/contact/  サロン・ダール03-6260-8710 http://salondart.art/lc-lending/shibata-2/(配信)などでも活躍中のメゾソプラノ中村裕美のゲスト参加も予定されており楽しみだ。他にもヴィクター・ハーバートのオペレッタ曲や黄金期のミュージカル映画からお馴染みの名曲が勢揃いし、シアター的な要素も満載。作曲家としても活躍中で当日のピアノ演奏や編曲の一部も担当する追川礼章の「夢」にも期待したい。公演はライブ&アーカイブ配信にも対応する。

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