「La Valse by ぶらあぼ」では、対談のロングバージョンを掲載しています。ぜひお読みください! https://member.ebravo.jp/35左:平井俊邦 右:クラウス・ハイマン35クラウス・ハイマン1936年ドイツ・フランクフルト生まれ。60年代に当時勤めていたアメリカの新聞社の社員として香港に赴任。その後、同地で数々の事業を興し、87年Naxosレーベルを設立。2002年には定額制ストリーミング・サービス“Naxos Music Library”をスタート。世界のクラシック音楽業界を席巻した。常に時代の先を見つめるハイマンは、83歳になった今も世界中を飛び回る日々を続けている。香港在住。Prole平井俊邦1942年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)取締役香港支店長・上海駐在員事務所長、本店営業第二部長、常勤監査役、千代田化工建設代表取締役専務、インテック取締役副社長・共同最高経営責任者を歴任。2007年4月、日本フィルの理事となり、専務理事を経て14年7月に理事長に就任。を開始したのは2002年です。当初は販売促進が目的でした。音楽ファンに試聴していただき、そしてCDを買っていただく、その手段だったのです。最初はデータをやりとりするコストが高かったので最低限の音質でしたが、今やスマートフォンで良い音を自由に聴けるようになりました。 平井 クラシック音楽の将来をどのようにお考えでしょうか。 ハイマン 明るい未来があると思います! クラシックの「レコード(録音物)」としてのビジネスは、世界のすべてのレコード会社を合わせても年間10億ドル(1,100億円)くらいでしょう。しかし、それはクラシック音楽に関するすべてのビジネスのほんの一部です。歌劇場、オーケストラ、バレエ団、音楽学校など、すべてを合わせると、クラシック全体では年間1,000億ドル(11兆円)規模のビジネスになります。したがって開拓の余地はまだ充分にあり、クラシック音楽は安泰というわけです。 平井 コンサート会場で音楽を聴くと、自分でも知らないうちに涙を流す体験をすることがあります。周囲を見回すと、やはり目頭を押さえる人がいたりする。感動して、生きていて良かったと思う、元気になる。そんな体験は音楽を聴く醍醐味だろうと思います。時代が変わっても、人間が音楽を聴くことを止めることはないでしょう。我々ももっと努力を重ねて、より多くの皆様に感動を届けていきたいですね。
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