eぶらあぼ 2019.9月号
62/195

60Music Program TOKYO シャイニング・シリーズ Vol.5ボローニャ歌劇場弦楽五重奏 ~東京音楽コンクール入賞者とともに~イタリアと日本の清冽なソノリティの融合文:山田治生10/30(水)19:00 東京文化会館(小)問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 https://www.t-bunka.jp/ 東京文化会館小ホールで「ボローニャ歌劇場弦楽五重奏」が、東京音楽コンクール入賞者を中心とする日本の若き名手たちとヴィヴァルディの「四季」を演奏する。五重奏のメンバーは同歌劇場管弦楽団のコンサートマスターのエマヌエーレ・ベンフェナーティ、首席ヴァイオリン奏者のダヴィデ・ドンディ、首席ヴィオラ奏者のエンリーコ・チェレスティーノ、首席チェロ奏者のフランチェスコ・マリア・パラッツォーリ、首席コントラバス奏者のファビオ・クアランタ。そして日本勢は、ヴァイオリンの依田真宣(東京フィルのコンサートマスター)、岸本萌乃加、篠原悠那(カルテット・アマービレ)、坪井夏美、荒井里桜、三原久遠(ウェールズ弦楽四重奏団、都響)、鍵冨弦太郎、ヴィオラの瀧本麻衣子、田原綾子、チェロの水野優也、チェンバロの川田健太郎が参加している。 演奏会前半には、2017年の東京音楽コンクール木管部門で第1位を獲得し、現在、東京フィルの首席クラリネット奏者を務め、今年のチャイコフスキー・コンクールで第3位に入賞した、アレッサンドロ・ベヴェラリがボローニャのメンバーとウェーバーのクラリネット五重奏曲やヴェルディ=バッシの「リゴレット・ファンタジー」を共演する。 なお、軽井沢大賀ホール(10/26)と、福島県白河市の白河文化交流館コミネス(11/3)でも、同じメンバーによって「四季」が演奏される。イタリアと日本の音楽家たちの交歓が楽しみである。左より:エマヌエーレ・ベンフェナーティ/ダヴィデ・ドンディ/エンリーコ・チェレスティーノ/フランチェスコ・マリア・パラッツォーリ/ファビオ・クアランタ/依田真宣西本智実 × ソニックシティシリーズ Vol.2 カルミナ・ブラーナ音楽・映像・舞踊が一体となり、五感を刺激するステージ文:室田尚子11/30(土)14:00 ソニックシティ問 ソニックシティホール048-647-7722 https://www.sonic-city.or.jp/ 指揮者の西本智実がソニックシティとタッグを組み、新しい舞台芸術の創造に挑む「西本智実×ソニックシティシリーズ」。昨年のソニックシティ・オープン30周年記念事業として上演されたINNOVATION OPERA《ストゥーパ~新卒塔婆小町~》に続く第2弾は、オルフの「カルミナ・ブラーナ」。昨年同様、西本が演出を手がけ、さらに今年はフィギュアスケーターの安藤美姫が振付を担当、新体操元日本代表の畠山愛理が舞踊で出演する。2人の起用について西本は「日本を代表する才能をもったアーティストと、また違ったアプローチで作品づくりができます。それぞれの専門分野が重なって、私たちだけではできないことが広がっていくかもしれません。視覚と聴覚、五感すべてに訴えかける作品にしていきたい」と語る。西本は2014年に、芸術監督を務めるイルミナートフィルハーモニーオーケストラのオーチャードホール第1回定期演奏会で「カルミナ・ブラーナ」を取り上げている。その際アニメーション風の映像が評判となった大野一興が今回も映像を担当。「時」をテーマにした世界観をシンボリックに視覚化するアイディアが盛り込まれているのではないだろうか。 ソリストはソプラノ髙橋美咲、テノール中井亮一、バリトン桝貴志と才能ある3人が結集。イルミナートフィルとイルミナート合唱団に加えて、地元の浦和児童合唱団が参加する。音楽、映像、舞踊、そして言葉。「五感を動員する総合芸術」としての新しい「カルミナ・ブラーナ」の世界が生まれることを期待したい。安藤美姫 ©sunao noto畠山愛理西本智実 ©塩澤秀樹

元のページ  ../index.html#62

このブックを見る