eぶらあぼ 2019.9月号
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39吉田裕史 ©栗山主税 テレマン室内オーケストラ/ブランデンブルク協奏曲全曲公演10/11(金)18:30 大阪市中央公会堂中集会室11/10(日)14:30 東京文化会館 (小)高田泰治(チェンバロ)/ゴルトベルク変奏曲12/2(月)18:30 東京文化会館(小) 12/5(木)18:30 大阪倶楽部4Fホール問 日本テレマン協会06-6345-1046/yoyaku@cafe-telemann.com延原武春(指揮)バッハをもっと聴きたい人のために「ブランデンブルク」全曲を1日で!取材・文:寺西 肇Interview 関西を拠点に演奏活動を展開し、昨年で創立55周年を迎えた演奏団体「日本テレマン協会」が、テレマン室内オーケストラ「ブランデンブルク協奏曲」全曲、そして、同団体のメンバーで、チェンバロ奏者としても活躍する高田泰治による「ゴルトベルク変奏曲」と、バッハの2大傑作を毎年披露するシリーズを、今秋より東京と大阪でスタートさせる。同団体の音楽監督・CEOで指揮者の延原武春は「年末の第九演奏会のように、広く皆さんに親しまれる存在にしたい」と夢を語る。 「バッハと言えば、宗教声楽作品のイメージが強く、私自身も長く取り組んできましたが、器楽作品の素晴らしさを、もっと伝えていきたくて…」と延原。 「ブランデンブルク協奏曲は、バッハ自身が編んだ、その時点での自作品のエッセンス。第5番ばかりが突出してよく演奏されますが、“1ステージで全6曲”という機会は、実はそう多くはない。しかし、全曲を聴いてこそ、楽器編成の違いの妙も、体感できるはずです」 同団体は、20年以上前からピリオド楽器での演奏も続けているが、今回はあえて、モダン楽器でのアプローチに。 「ピリオドの奏法に通じたプレイヤーが、機動性や安定性に勝るモダン楽器を道具とすることで、新たな創造性に満ちた“現代のバロック音楽”が、生まれる予感がします」 シリーズに先行し、昨年11月に東京で開いた「ブランデンブルク」全曲演奏も大きな反響を呼び、急きょCD化(ナミ・レコード)され、「鮮烈な快演」と話題になっている。 また、これと対を成す形で「ゴルトベルク」を弾く高田は、ドイツと関西を拠点に、チェンバロとフォルテピアノを弾き分ける名手。「ゴルトベルク」は2010年に初披露して以来、東京や大阪、神戸などで計14回にわたって手掛け、「同じ演奏の繰り返しはしない」との彼の強い意志を反映し、その都度、テンポも解釈も全く異にする音楽を生み出してきた。「バッハを修めてきた彼が、毎年、同じ音楽を違った色彩で聴かせる…ぜひ、“変化”を楽しんでほしい。お客様にも、きっと、刺激的な体験になるはずです」と延原も期待を込める。 1981年に東京での定期演奏会をスタート、現在は年5回を開催している日本テレマン協会。関東での固定ファンも着実に増やしてきたが、昨年の「ブランデンブルク」全曲では、新規の聴衆が3分の1を占めるという“嬉しい誤算”も。延原は「もっとバッハを聴きたい、という皆さんの思いを肌で感じました。私たちが55年かけて培ってきたノウハウに、新しいアイディアをどんどん盛り込み、決してルーティンではない、スリリングな音楽を創造し続けていければ…」と熱っぽく語っている。ジャパン・オペラ・フェスティヴァル2019ボローニャフィルハーモニー管弦楽団 特別ガラコンサート名序曲と《バタフライ》、フルボディの一夜文:笹田和人9/30(月)19:00ミューザ川崎シンフォニーホール問 さわかみオペラ財団0570-023-223https://sawakami-opera.org/ 長い歴史を誇るイタリアの名門・ボローニャ歌劇場。その常設オーケストラであるボローニャ歌劇場管弦楽団の主要メンバーを選りすぐって結成されたのが、ボローニャフィルハーモニー管弦楽団だ。芸術監督を務める吉田裕史の指揮で「ジャパン・オペラ・フェスティヴァル2019」の一環として「特別ガラコンサート」を開催。イタリア伝統の歌心の真髄をたっぷりと聴かせてくれる。同フェスティヴァルは名古屋城天守閣前広場特設ステージでの《蝶々夫人》(9/26~9/29)がメイン。川崎公演のガラではそのエッセンスにも触れることができる。 第1部では、ベッリーニ《ノルマ》やドニゼッティ《ドン・パスクァーレ》、ヴェルディ《シチリア島の夕べの祈り》ほか、イタリア・オペラの序曲を特集。オーケストラ・サウンドにもしっかりと息づく“歌”を響かせる。第2部では、タイトルロールのレナータ・カンパネッラら、イタリアから招いた実力派キャストが出演し、《蝶々夫人》より有名なアリアの数々を披露する。

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