eぶらあぼ 2019.9月号
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17211月の見もの・聴きもの2019年11月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎11月1日 ヴェルディ:マクベス 指/G.ビサンティ、演出/C.レート、出/P.ドミンゴ11月3日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ 指/R.テバール、演出/I.ブルック、出/A.マエストリ、D.コルチャック、O.イーディス11月7、9、12日 J.M.シュタウト:Die Weiden(柳) 指/G.ジェンキンス、演出/A.モーゼス◎11月8、11、13、15日 ヘンデル:アリオダンテ指/C.ルセ、演出/D.マクヴィカー、出/S.ハウツィール、M.E.チェンチッチ11月14、17、20日 M.トロヤーン:オレスト 指/M.ボーダー、演出/M.A.マレッリ、出/G.ニグル、L.エイキン11月19日 S.キーンリサイドBr 共/T.アデスp11月21、24、26日 チャイコフスキー:エフゲニー・オネーギン 指/M.ギュトラー、演出/F.リヒター、出/M.レベカ、M.グリツコワ、B.ピンハソヴィチ、F.フルラネット11月25、29日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ指/A.フィッシャー、演出/J=L.マルティノーティ、出/L.テジエ11月27日 F.メーリT 共/M.ガンバp11月30日 プッチーニ:トスカ 指/M.アルミリアート、演出/M.ヴァルマン、出/E.ムラーヴェワ、J.カレヤ、B.ターフェルウィーン・フォルクスオーパー11月1(18:00)、9(19:00)、13(19:00)、17(17:00)、25(11:00)、28(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナー11月2(19:00)、6(19:00)、14(19:00)日 J.カンダー:キャバレー(ミュージカル)[19年9月プレミエ] 演出/G.メーメルト11月3(18:30)、7(19:00)、12(19:00)、16(19:00)、19(19:00)、29(19:00)日 カールマン:チャールダーシュの女王 演出/P.ルント11月4(19:30)、10(16:30)、21(19:00)、24(18:30)日 ラ・マンチャの男 演出/O.タンボシ◎11月5(18:00)、8(18:00)、15(18:30)、22(18:00)、26(18:00)、30(18:30)日 M.F.ランゲ:カンタベリー城と秘密の扉[19年10月プレミエ] 演出/P.M.クレン11月18(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり演出(校訂)/H.ツェドニク★◎11月23(19:00)、27(19:00)日オッフェンバック:にんじんの王[プレミエ] 指/G.マンクージ、演出/M.ダヴィッズアン・デア・ウィーン劇場★◎11月16(19:00)、18(19:00)、20(19:00)、23(19:00)、25(19:00)、27(19:00)日G.スポンティーニ:ヴェスタの巫女[プレミエ]指/B.ド・ビリー、演出/J.エラート、出/E.ファン・デン・ヘーファー、F=J.ゼーリヒ、C.マーンケ、演奏/ウィーン響◎11月19(19:00)日 モーツァルト:偽の女庭師(演奏会形式) 指/W.クリスティ、出/R.カーヴァー、M.マイニーニ、M.カレンベルク、D.カシェ、演奏/レザール・フロリサン◎11月26(19:00)日 J.A.ハッセ:セメレ(演奏会形式) 指/C.オゼーレ、演奏/レ・ムジケ・ノーヴェウィーン・フィル[会場:ムジークフェライン(ウィーン)]〔10月21日-11月15日:中国・韓国・日本公演〕11月23(15:30)、24(11:00)日 C.フォン・ドホナーニ指揮 リゲティ:アトモスフェール、ワーグナー:ローエングリン〜第1幕への前奏曲、ベルク:ヴァイオリン協奏曲、ブラームス:交響曲第3番 独/R.ホーネックvn◎11月29(19:30)、30(15:30)日 M.ヤンソンス指揮 バルトーク:管弦楽のための協奏曲、ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲、ラヴェル:ラ・ヴァルス 独/D.マツーエフpウィーン響[会場:(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(MV)ムジークフェライン(ウィーン)、(AW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)]11月4(19:30)(KH)、5(19:30)(KH)日 J.マルヴィッツ指揮 ワーグナー:ジークフリート牧歌、ワルキューレ〜第1幕 独/J.ホロウェイS、S.グールドT、H=P.ケーニヒBs11月8(19:30)(MV)、9(19:30)(MV)、10(19:30)(MV)日 L.ヴィオッティ指揮 シェーンベルク:浄められた夜、ヴェルディ:聖歌四編★◎11月16(19:00)(AW)、18(19:00)(AW)、20(19:00)(AW)、23(19:00)(AW)、25(19:00)(AW)、27(19:00)(AW)日 G.スポンティーニ:ヴェスタの巫女[プレミエ] 指/B.ド・ビリー → 〔アン・デア・ウィーン劇場〕参照11月22(19:30)(KH)、24(11:00)(KH)日R.トレヴィノ指揮 リスト:ピアノ協奏曲第1番、マーラー:交響曲第5番 独/D.コジュヒンp11月23(15:30)(KH)日 R.トレヴィノ指揮(イム・クランク) マーラー:交響曲第5番〜アダージェット、リスト:ピアノ協奏曲第1番 独/D.コジュヒンp11月30(19:30)(KH)日 L.フセイン指揮(ウィーン・モデルン) M.アンドレ:Über、P.エトヴェシュ:Multiversum、P.アプリンガー:Wachstum, Massenmord独/J.ヴィトマンcl、I.アプカルナog、L.ファサング(ハモンドog)【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 ここのところ11月のベルリン州立歌劇場では「バロックターゲ」という古楽系の企画公演が毎年開催されている。この11月もルネ・ヤーコプスの指揮でスカルラッティの「最初の殺人」とパーセルの「アーサー王」、ファビオ・ビオンディとオッターヴィオ・ダントーネの指揮で同じくスカルラッティのオラトリオとセレナータ、クリストファー・モールズ指揮のパーセル「ディドとエネアス」、それにサヴァール指揮ル・コンセール・デ・ナシオンやタリス・スコラーズの演奏会が加わるというのだから何とも魅力的。さらには、クリスティが手兵レザール・フロリサンとともにフランス国内、モスクワ、ウィーン等で演奏するモーツァルトの「偽の女庭師」、ミンコフスキがレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルとともにグルノーブル、パリ、ボルドー、ハンブルク、ケルン等で演奏するヘンデル「アリオダンテ」、同じ曲をルセがウィーン国立歌劇場で演奏する公演…。これらをうまく組み合わせれば、巨匠指揮者クラスの古楽演奏会ツアーが堂々完成する。ちなみに古楽系の巨匠指揮者ということであれば、ヘレヴェッヘ指揮シュターツカペレ・ドレスデンのモーツァルト3大交響曲(39・40・41番)というのもあるが、ヘンゲルブロックとバルタザール・ノイマン・アンサンブルはキューバのハバナで客演公演を行うので、ここまではさすがに行きにくい。なお、やや若手の古楽系ということであれば、パリ・オペラ・コミークでピションの指揮するカヴァッリ「恋するヘラクレス」、ローレル指揮の「フィガロの結婚」(シャンゼリゼ劇場)が歌手も良く面白い。 一方、一般のオペラ公演で注目と言えば、まずはバイエルン州立歌劇場でキリル・ペトレンコの振るコルンゴルトの「死の都」。主役のパウルをカウフマンが歌うので、チケット争奪戦がまた大変なことになるだろう。他に新演出公演では、フランクフルト歌劇場のショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(マクベス夫人を歌うアニア・カンペの劇唱ぶりは、ペトレンコがバイエルン州立歌劇場で同作品を上演したときに実証済み)、ミラノ・スカラ座でウェルザー=メストが振るR.シュトラウス「エジプトのヘレナ」、パリ・オペラ座のボロディン「イーゴリ公」(ジョルダンの指揮もコスキーの演出も楽しみ)、ベルリン州立歌劇場でバレンボイムの振るサン=サーンス「サムソンとデリラ」、モネ劇場に久々登場する大野和士指揮のオネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」、現代物のチェルノヴィン「Heart Chamber」(ベルリン・ドイツ・オペラ)あたりがどれも要注目公演。 通常公演では、ケント・ナガノ指揮のドビュッシー「ペレアスとメリザンド」(ハンブルク州立歌劇場)、フォークト、ハルテロス、コッホと歌手を揃えたバイエルン州立歌劇場のワーグナー「ローエングリン」、先月号でも紹介した日本人出演者大活躍のラッヘンマン「マッチ売りの少女」(チューリヒ歌劇場)などが見落とせない。ドミンゴ御大は、ウィーン国立歌劇場のヴェルディ「マクベス」、メトロポリタン歌劇場のプッチーニ「蝶々夫人」に出演予定。 オーケストラで11月一番の話題は、奇才(?)クルレンツィスがベルリン・フィルに登場して演奏するヴェルディの「レクイエム」。チケットは早々に完売となった。他にはソヒエフ=ロイヤル・コンセルトヘボウ管によるショスタコーヴィチの交響曲第10番、ロト指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のシェーンベルク「ペレアスとメリザンド」(エマールの弾くバルトークのピアノ協奏曲第1番もある)なども、日本ではまず聴けない組み合わせ。ちなみにチューリヒ歌劇場で上演されるターネジのファミリー・オペラ「コラライン」はニール・ゲイマンの児童文学作品『コララインとボタンの魔女』をオペラ化した注目作。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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