eぶらあぼ 2019.8月号2
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68第43回 ピティナ・ピアノコンペティション 特級ファイナル8/22(木)18:00 サントリーホール問 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)03-3944-2481https://compe.piano.or.jp/event/final/※コンペティション全体のスケジュールの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。角すみの野隼斗(ピアノ)異色ピアニストの人生を変えたサントリーホールでのファイナル取材・文:長井進之介Interview ピティナ・ピアノコンペティションは、予選から決勝までで参加者のべ約45,000組という、世界でも最大規模のピアノコンクール。あらゆる部門がある中で、ソロ部門の最上級である「特級」は、「最も国際コンクールに近い国内コンクール」を標榜している。実際にこれまでのグランプリ受賞者には、ロン=ティボー国際優勝の田村響、ショパン国際で第4位の関本昌平、フランツ・リスト国際優勝の阪田知樹らがいる。 「とても規模が大きく、課題曲の幅も非常に広いので、ピアノを弾く者にとっては“憧れ”のコンクールです」 そう語ってくれたのは昨年の特級グランプリの角野隼斗。東京大学大学院に通いながら演奏活動を展開する異色のピアニストだ。過去にも中学・高校の数学科の教師をしながら特級グランプリに輝いた金子一朗もいるように、このコンペティションは非常に“公平性”が保たれていることも特徴で、真の実力者にグランプリが与えられる。 「小さい頃に出場して賞をいただいたこともありましたし、一度特級の演奏を聴きに行ったこともありましたが、特級は自分にとって雲の上の存在で、自分が受けるなんて想像もしていませんでした(笑)。しかし大学に入って再びコンクールに出場する機会が増えてきたところ、先生から特級を受けることを勧められ、もっとピアノと真剣に向き合ういい機会だと思い、参加しました」 昨年からはファイナルの会場がサントリーホールとなり、規模が非常に大きくなった。このこともコンクール挑戦へのモチベーションに影響したという。 「もともとグランプリどころか、ファイナルに行けるとも思っていなかったのですが、1次、2次…と進むにつれて、“サントリーホールでコンチェルトを弾けるかもしれない”という想いが生まれ、それに向かって努力していきました。やはりサントリーホールでオーケストラと演奏できることは音楽家にとって幸せなことですからね。ファイナルには4名が出場し、コンチェルトをプロ・オーケストラと演奏します。お客様にとっても、コンチェルトを4人分サントリーホールで、しかもお得な価格で聴ける機会はなかなかないと思いますので、ぜひ今年もたくさんの方に聴いていただきたいです」 今後も演奏と研究を両立し、作曲もしていきたいと語ってくれた角野。現在ワーナークラシックスからも演奏音源が配信されており、ますます活動の幅を広げていくはずだ。国際的なピアニストや新しい可能性を秘めた音楽家を輩出するピティナ・ピアノコンペティション。今年はどのような才能が登場するのか、ぜひ見届けてほしい。ソニー音楽財団「10代のためのプレミアム・コンサート」子どもたちにクラシックの名曲&名演奏を体験してほしい文:山田治生 公益財団法人ソニー音楽財団は、「0才まえのコンサート®」、「Concert for KIDS~0才からのクラシック®~」、「同~3才からのクラシック®~」など様々な子どもたちのためのコンサートを主催しているが、小学生以上を対象とした「10代のためのプレミアム・コンサート」には世界的に活躍するアーティストが登場し、特別なプログラムが組まれる。 7月の大野和士×バルセロナ交響楽団は、彼らの国スペインのファリャ「三角帽子」第2組曲を東京シティ・バレエ団の舞踊とともに演奏。8月のパーヴォ・ヤルヴィ&N響の《フィデリオ》では、ワークショップが開催される。そ大野和士×バルセロナ交響楽団 7/29(月)18:00 サントリーホールパーヴォ・ヤルヴィ&N響 《フィデリオ》鑑賞&特別体験プログラム 8/26(月)、8/27(火)、9/1(日) Bunkamuraオーチャードホール 他(申込受付終了)スウェーデン放送合唱団 11/27(水)19:00 紀尾井ホール問 ソニー音楽財団03-3515-5261 http://www.smf.or.jp/スウェーデン放送合唱団 ©Kristian Pohlして、11月にはスウェーデン放送合唱団が、ペーター・ダイクストラの指揮のもと、モーツァルト「レクイエム」(抜粋)、ヘンデル「ハレルヤ・コーラス」、武満徹編曲「さくら」などのスペシャル・プログラムを披露する。世界最高峰のプロフェッショナル合唱団のハーモニーがどれほどふだんの合唱と違うのか、子どもたちに体験させたい。
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