eぶらあぼ 2019.8月号2
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67ハーモニーホール座間オペラ合唱団ワークショップ参加作品 歌劇《トスカ》第一線の歌手陣と気鋭のスタッフが集結し作り上げる熱き舞台文:東端哲也 自然に囲まれた好立地に建つ、本格的なクラシック・ホールで上演される、イタリア・オペラの巨匠プッチーニの人気作品。ソリスト陣は昨年9月に行われたオーディションによって選ばれた精鋭たち。トスカ役の中村真紀(ソプラノ)もカヴァラドッシ役の宮里直樹(テノール)も近年活躍めざましい若手、スカルピアを存在感のあるバリトン役で定評のある上江隼人が演じるのも楽しみだ。演奏は、2010年設立の新しい団体ながら、壮大なドラマを牽引すると評判のテアトロ・ジーリオ・ショ9/1(日)14:00 ハーモニーホール座間問 ハーモニーホール座間046-255-1100http://www.ny.airnet.ne.jp/harmony/上江隼人ウワ・オーケストラ。そして座間市を中心に一般市民が集い、ワークショップで練習を重ねてきた、ノヴェッラ合唱団&ノヴェッラ児童合唱団は、昨年上演のドニゼッティ《愛の妙薬》が圧巻だっただけに今回も期待が膨らむ。指揮は才気溢れる瀬山智博が担当。加えて、前公演で演出家デビューを果たした古川寛泰、気鋭のコレペティトール・河原義と熱いスタッフが再び集結。9月1日、オペラ・ファンは座間に向かえ!五島記念文化賞 オペラ新人賞研修記念リサイタル 松田奈緒美 ソプラノ・リサイタル9/6(金)19:00 浜離宮朝日ホール 問 アスペン03-5467-00819/8(日)19:00 沖縄/パレット市民劇場問 松田奈緒美リサイタル事務局080-1734-1571/リウボウプレイガイド098-867-8246https://www.aspen.jp/松田奈緒美(ソプラノ)ドイツ・リートの美しくも深遠なる世界を伝える取材・文:寺西 肇Interview 深みある温かな美声と豊かな表現力を武器に、檜舞台で活躍するソプラノの松田奈緒美。五島記念文化賞 オペラ新人賞研修記念リサイタルで、ドイツ・リートをメインに据えたプログラムに挑む。「美しく深遠な世界を、たっぷりと味わっていただきたい」と松田。本場仕込みの繊細な言葉の扱いも、必聴だ。 「“幽玄の美をたたえた歌の世界”とのイメージ」で組み立てたという今回の曲目。19世紀末~20世紀の転換期に活躍したマーラー、シェーンベルク、ベルクを軸にしている。 「時代と音楽、芸術の結びつきに、ずっと興味がありました。これらを歌う際は自然と、絵や風景が頭に浮かんで…装飾性豊かで煌びやか、退廃的で妖しい魅力…どれも同じ時代の空気感を湛えています」 かたや、「華やかで格好いい」と評するリストの歌曲から、お気に入りの2曲をチョイス。うち1曲は、イタリア語だ。 「リストには様々な言語の歌曲がありますが、どれも言葉と音楽の関係性が素晴らしい。オペラのアリアのように、劇的で繊細な表現を心がけています。言語が違えば技術的・音楽的に異なる、母音や子音の明るさや処理、音色など、独特の世界観を感じていただきたいです」 今回は、世界的なリート伴奏の名手、ヴォルフラム・リーガーとの共演。 「ご一緒出来ることには、感謝と喜びで一杯。美しい音色と音楽性をとても尊敬しています。以前、ミュンヘンで少しご一緒した折、リハーサルなど一切なかったのに、本番では何も言わずともこちらの思いがすべて伝わり、とても感動的でした」 彼女の持ち味の一つが、言葉一つひとつで繊細に変容する表現力。 「同じ単語であっても、ある場面では明るく、別の場面では暗く…例えば『涙』ひとつでも、嬉し涙や悔し涙、あふれる悲しみや愛情…いくつもの感情や表現ができます。その可能性は、無限ですね」 歌心あふれる、沖縄県の出身。 「故郷の独特な魅力や豊かな自然、風土、音楽や芸能は、自分の血肉となっていて、音楽を通して自然と溢れ出てくるのかもしれません」 もの心ついたころから歌が大好きで、ソプラノ歌手だった小学校の音楽教師に憧れ、高学年にして「オペラ歌手になる」と“宣言”したという。現在は沖縄県立芸術大学で後進の指導にも力を注ぐが「各自が持つ“宝物”を大切に。課題は難しいほど、達成した喜びも大きい」と学生にエールを送る。 ドイツでは20世紀を代表する名ソプラノ、エリーザベト・シュワルツコップの薫陶を受けた。 「お手本に歌って下さった声の、まるで天から響いてきたかと思うほどの美しさ…。一瞬で、言葉の真意を表現する知性や、歌に対する真摯な姿勢へ、少しでも近づければ」 そして、歌う上で最も大切にしている点をたずねると、「まずは揺るぎない技巧と感性、作品を深く理解する知性、情熱、そして何より美しい演奏に尽きるのではないでしょうか」と語った。宮里直樹中村真紀
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