eぶらあぼ 2019.8月号2
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63第5回 スタインウェイ・コンクール in Japan若きピアニストの感性が名器と触れ合い際立つ文:飯田有抄地区審査会(10/13~11/24):高崎、東京、札幌、神戸、広島、熊本、高知、名古屋本選:2020.3/29(日) 東京/イイノホール問 スタインウェイ・ジャパン(email:competition@steinway.co,jp)https://www.steinway.co.jp/competition/2019/※コンクールの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 世界の主要なホールにおいて、その輝かしい音色を放ち続けるスタインウェイ&サンズのピアノ。圧倒的な人気を誇るメーカーであるスタインウェイ&サンズは、若きピアニストたちの才能をサポートする使命をも担い、コンクールの開催を継続している。1936年からドイツでスタートした「スタインウェイ・コンクール」は、日本では2011年に開始。以来、2年に1度開催され、今年の10月から第5回目の地区審査会が行われる。対象となるのは16歳までの子どもたち(応募は8/2まで)。ピアノを学ぶ子どもたちにとって、今や大小のステージで、スタインウェイのピアノに触れる機会は少なくないだろうが、コンクールという機会を通じて、ピアノとピアノ作品に真摯に向き合う経験は、かけがえのないものとなるだろう。 とはいえ、このコンクールの意図は、いわゆる「技術的な優劣の評価」に特化したものではない。スタインウェイピアノの響きに親しみながら、人に演奏を聴かせるという行為の“楽しさ”を、若い頃から存分に知ってもらおうという狙いがある。 地区審査会は全国のスタインウェイ・ディーラーや直営店で催され、2020年3月29日にイイノホールで本選を迎える。地区審査会から本選は、いずれも一般公開の形で行われるため、だれでも聴衆として参加できる。年中のお子さんから高校1年生までの伸び伸びとした演奏を応援し、弾き手によって音色が豊かに変わる名器スタインウェイの響きを楽しみたい。“Born Creative” Festival(ボンクリ) 2019子どもも大人も“新しい音楽”に夢中になる一日文:飯尾洋一9/28(土) 東京芸術劇場問 東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296https://www.borncreativefestival.com/※各イベントの開演時間と会場などの詳細は上記ウェヴサイトでご確認ください。 今年も「ボンクリ・フェス」が開催される。「ボンクリ」とは Born Creative、人は生まれながらにして創造的という意味。東京芸術劇場を会場に開催される、世界中の「新しい音」を聴ける1dayフェスティバルだ。作曲家の藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務める。 実に多彩な企画が用意されているのだが、中心となるのは「スペシャル・コンサート」。佐藤紀雄指揮アンサンブル・ノマド、ホルンの福川伸陽、エレクトロニクスのヤン・バング、ピアノの萩原麻未、そして大友良英など、大勢のアーティストがつめかける。モートン・フェルドマンの小曲、テリー・ライリーの「In C」をはじめ、坂本龍一、挾間美帆、大友良英、藤倉大らの作品が演奏される。ジャンル無用で「新しい音」がフラットに並ぶのが「ボンクリ」の流儀。 さらに入退場自由の「電子音楽の部屋」や、「ノマドの部屋」「プンクトの部屋」「箏の部屋」「電子楽器工作の部屋」「トーンマイスター石丸の部屋」などのプログラムが館内各所で開催される。 藤倉によれば「すべての人間は子どもの頃、新しい音楽、新しい音が好き。なぜかそのクリエイティヴィティは成長するにつれ失われていく。ボンクリは大人になっても子どものクリエイティヴィティを失わなかったアーティストたちのイベント」。対象は赤ちゃんから大人まで。新しい音楽との出会いと発見が待っている。【編集部よりお詫びと訂正】2019年7月号 P.162「News & Topics」で、“Born Creative” Festivalの開催日が9月29日となっておりました。9月28日に訂正しお詫びいたします。藤倉 大 ©Seiji Okumiya/ヤン・バング/萩原麻未 ©Marco Borggreve/大友良英 ©佐藤 類/アンサンブル・ノマド ©Maki Takagi
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