eぶらあぼ 2019.8月号2
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国」(全6曲からなる作品だが、プラハにある王城の栄枯盛衰を描いた第1曲「ヴィシェフラト(高い城)」、メロディアスな名作の第2曲「モルダウ(ヴルタヴァ)」、伝説の女戦士を題材とした第3曲「シャールカ」が取り上げられる)、そしてチャイコフスキーが作曲家としてもっとも充実した創作期に書いた交響曲第5番である。いずれも立体的でシンフォニックな迫力と、流麗たる旋律の美しさが際立つオーケストラ作品であるがゆえに、ビシュコフとチェコ・フィルが生み出す響きの魅力を、あますところなく伝えてくれそうな気がしてならない。 横浜音祭りの数ある公演の中でも、『ぶらあぼ』読者にぜひともアピールしたいのが、セミヨン・ビシュコフ指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートだ。 言わずと知れた名門オーケストラ、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団は、プラハの国民歌劇場のオーケストラ・メンバーを母体とし、19世紀末にドヴォルザーク指揮のデビュー公演によって産声をあげた。20世紀初頭には、マーラー自身のタクトにより彼の交響曲第7番の世界初演を行なった楽団でもある。これまでターリヒ、アンチェル、ノイマン、ビエロフラーヴェクらといったチェコを代表する指揮者たち、アシュケナージやインバルといったマエストロたちとともに、スメタナ、ドヴォルザーク、マルティヌーなどチェコの作曲家による作品はもちろんのこと、ロシアの管弦楽作品などの名演を世界中に届け、深く美しい音色で人気を高めてきた。 そんなチェコ・フィルが昨年の10月より首席指揮者・音楽監督に迎えたのが、サンクトペテルブルク(旧レニングラード)生まれのセミヨン・ビシュコフである。温かく、重厚感のある音楽で人々の心を打つビシュコフ。パリ管、ケルン放送響、ドレスデン国立歌劇場での主要ポストのほか、ミラノやウィーンやニューヨークの歌劇場でも高く評価され、国際色豊かなキャリアを重ねてきた。伝統あるチェコ・フィルが担う音楽大使としての役割と、その豊かな音楽性の未知なるポテンシャルとを理解するビシュコフは、同楽団の新たな時代を築く存在として期待されている。 初来日となる彼らの組み合わせで、今もっとも聴きたいプログラムが披露される。楽団にとっての至宝とも言えるスメタナの連作交響詩「わが祖10/20(日)15:00横浜みなとみらいホール 大ホールチェコの名門、新音楽監督ビシュコフとのコンビが待望の初来日!オススメ公演2セミヨン・ビシュコフ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 ©Vaclav Jirasekセミヨン・ビシュコフ ©Sheila Rock

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