eぶらあぼ 2019.8月号2
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清水和音が披露するのは、ショパンのピアノ協奏曲第1番。バッティストーニとはこれまでにも、一日で3つの協奏曲を演奏するなど、パワフルな共演を重ねてきた清水。新たな息吹をこの名曲に吹き込んでくれることだろう。 オーケストラの魅力をふんだんに味わうことのできるムソルグスキー(ラヴェル編曲)の「展覧会の絵」では、バッティストーニと東京フィルの色鮮やかなサウンドが冴え渡ることだろう。繊細さと、力強さと、あらゆる表現力を駆使した演奏で、圧巻のクライマックスを迎えるに違いない。 およそ300もの公演からなる横浜音祭り2019。その幕開けを輝かしい響きで告げるのが、人気指揮者バッティストーニと東京フィルハーモニー交響楽団のオープニングコンサートだ。精彩を放つタクトでオーケストラから鮮烈な音楽を引き出し、客席を興奮の渦に巻き込むアンドレア・バッティストーニ。創立108年の歴史を誇る東京フィルとは、3年前から同楽団の首席指揮者として活動し、数々の音楽的ドラマを巻き起こしてきた。そんな彼らが日本最大級の音楽フェス幕開けのために、とっておきのプログラムで登場する。 コンサートは、ベルギーの作曲家ヤン・ヴァン=デル=ローストによる「横浜音祭りファンファーレ」によって華やかに開始。音祭りの初回から奏でられてきたこのファンファーレは、YOKOHAMAの文字を音名に読み替えて作られたメロディーを含む作品。“横浜音祭り”のいわば音楽的アイコンである。そして、山下公園に係留する日本郵政氷川丸船内を練習場とする横浜少年少女合唱団により、生き生きとした歌声で届けられるのは「日本童謡メドレー」。アレンジを手がけたのは、若きピアニストであり、「横浜文化賞文化・芸術奨励賞」受賞者である阪田知樹。2番の歌詞に「横浜の埠頭」という言葉があり、少女の銅像などでも横浜と縁の深い「赤い靴」、そして長く愛唱されている「浜辺の歌」と「花」とが続く美しいメドレーだ。 イタリア出身のバッティストーニは、24歳でスカラ座デビューを果たして以来、オペラ指揮者として熱い注目を集め続けている。そんな彼が重厚なサウンドで聴かせてくれるのが、イタリア・オペラの代表的な作品であるヴェルディの歌劇「運命の力」序曲だ。 前回の音祭りに引き続き今年も登場する名手・9/15(日)16:00【残席僅少】横浜みなとみらいホール 大ホール ※チケット情報は7月1日時点の状況です。イタリア出身の若きカリスマが音楽祭の幕開けを熱く彩る!オススメ公演1横浜音祭り2019 オープニングコンサートアンドレア・バッティストーニ×東京フィルハーモニー交響楽団アンドレア・バッティストーニ ©Takafumi Ueno清水和音 ©Mana Miki東京フィルハーモニー交響楽団 ©上野隆文

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