eぶらあぼ 2019.7月号
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764人のバリトンコンサート ハンサムなメロディー歌曲、オペラ、ミュージカルのナンバーで“男前”な美声を堪能文:東端哲也9/22(日)15:00 めぐろパーシモンホール問 めぐろパーシモンホールチケットセンター03-5701-2904https://www.persimmon.or.jp/ めぐろパーシモンホールに9月、二期会の誇る4人の魅力的なバリトンが集結。昨年、サントリーホールでのホワイトデーコンサートでも好評を博した同じ顔ぶれであり、いずれも声の実力はもちろんのこと、その華やかな佇まいでも人気を集めるスター揃い。今回もオペラやミュージカルの名曲が盛り沢山だが、まず第1部ではそれぞれがお気に入りの歌曲を披露。そして第2部で《セヴィリアの理髪師》のフィガロ登場のアリア〈私は街の何でも屋〉を陽気に歌い上げた加耒徹が第4部では〈ムーンリバー〉をしっとりと、パパゲーノの〈オイラは鳥刺し〉でコミカルな味を見せた近藤圭が《ガイズ&ドールズ》の〈運命よ、今夜は女神らしく〉でムーディに迫る。また今年、オペラ《金閣寺》で主役の溝口役をダブルキャストで演じた二人にも注目。宮本益光は《メリー・ウィドウ》よりダニロ伯爵の〈祖国のためなら〉と《マイ・フェア・レディ》の〈君住む街角〉をダンディーかつロマンティックに、与那城敬は《カルメン》の〈闘牛士の歌〉に《レ・ミゼラブル》の〈星よ〉と、より男っぽい路線で魅了してくれるはず。加えて、ピアノ演奏を担当する人気作曲家・加藤昌則の歌曲に、本人の伴奏でそれぞれが取り組む第3部も楽しみ。最後に全員で名曲〈もしも歌がなかったら〉を歌うのも聴き逃せない。さらに当日は「handsome弦楽四重奏」として、神奈川フィルのコンサートマスターを務める﨑谷直人らが豊かな彩りを添える。与那城 敬 ©Kei Uesugiアフィニス夏の音楽祭 2019一流アーティストにより音楽が作り上げられる舞台裏を目撃する文:江藤光紀8/20(火)~8/25(日) 長岡リリックホール、アオーレ長岡(長岡市議会議場)問 アフィニス文化財団03-5797-7135 https://www.affinis.or.jp/ アフィニス文化財団の主催する「アフィニス夏の音楽祭」は、日本のプロ・オケに所属する奏者たちが、世界のトップ・オケで活躍するプレイヤーたちと、約一週間にわたりじっくりと音楽を作りこむセミナー音楽祭だ。1989年に長野県飯田市で始まり、近年は広島、山形と隔年で開催地を変え、昨年いったん一区切り。今年から新たに新潟県長岡市に場所を移し、オタワ・ナショナルアーツセンター管のコンマスを務める川崎洋介を音楽監督に迎えて再スタートを切る。若手や学生ではなく現役音楽家が経験を分かちあい、刺激しあう音楽祭は珍しく、きわめて貴重だ。継続を喜びたい。 今年は招聘音楽家としてヴァイオリニスト、さらに近年は指揮者としても快進撃を続けるヨーン・ストルゴーズを筆頭に、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、クラリネット、ホルンの名手たちが世界から結集。会期中は弦楽合奏や楽器別のセミナー、ワークショップが開かれ、その成果がコンサートで披露される。ブラームスの弦楽六重奏曲第1番やドヴォルザークの弦楽五重奏曲第2番、さらにはシェーンベルクの「浄夜」など弦楽アンサンブルの名作を核に、モーツァルトのクラリネット五重奏曲なども取り上げられる。 セミナーは一般聴講も可能。舞台裏で楽曲はどんなふうに仕上げられていくのだろうか。最高の味わいが出せるように微調整を繰り返しながら、一期一会の本番に向けて万端な準備を重ねる。普段は見られない一流音楽家たちの“厨房”と楽曲完成までのプロセスを、このチャンスに丸ごと楽しもう。昨年のセミナーの様子 ©K.Miuraヨーン・ストルゴーズ川崎洋介近藤 圭加耒 徹宮本益光

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