eぶらあぼ 2019.7月号
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52エイフマン・バレエ 『アンナ・カレーニナ』『ロダン~魂を捧げた幻想』現代人の感性に訴える“心理”バレエ、21年ぶりの来日公演文:桜井多佳子『アンナ・カレーニナ』 7/13(土)15:00 びわ湖ホール 7/20(土)17:00、7/21(日)14:00 東京文化会館『ロダン~魂を捧げた幻想』 7/15(月・祝)15:00 静岡/グランシップ(中) 7/18(木)、7/19(金)各日19:00 東京文化会館問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212(東京) びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136(びわ湖)  グランシップチケットセンター054-289-9000(静岡) https://www.japanarts.co.jp/eifman2019/ ロシアの鬼才ボリス・エイフマン率いるエイフマン・バレエが21年ぶりに来日する。クラシック・バレエの技術を基礎にしながら、それをアクロバティックなほどの大胆な動きに新化させ、さらに身体の動きで人間の心の襞までも舞台上でつまびらかにするエイフマンの振付は、ロシア・バレエの伝統を継承しつつ、現代人の感性に訴える。名門バレエ団がひしめくバレエ芸術のメッカ、ロシアにおいて、エイフマン・バレエは常に注目の存在だ。 なかでも人気のレパートリーは、『ロダン~魂を捧げた幻想』と『アンナ・カレーニナ』。その2作品が今回の日本公演の演目というのが嬉しい。『ロダン』は、近代彫刻の父オーギュスト・ロダンとその弟子でモデル、恋人でもあったカミーユ・クローデル、そして彼の内縁の妻ローズの関係を描く。ロダンやカミーユが「地獄の門」などを創作するシーンでは、エイフマンの秀逸なアイディアが光り、ダンサーの身体の美しさにもあらためて感服させられる。 トルストイの長編小説から、アンナとその恋人ヴロンスキー、彼女の夫カレーニンを抽出した『アンナ・カレーニナ』もまた、それぞれの人物の心の叫びが見る者の胸に直接響く。そして圧巻のラストへと展開していく。 日本公演は、湖畔のモダンなびわ湖ホールで『アンナ・カレーニナ』を、ロダン作品を常設する県立美術館がある静岡のグランシップで『ロダン』を上演。そして東京公演へと続く。待望の再来日。絶対に見逃せない。ジョナサン・ノット(指揮) 東京交響楽団キューブリックへのオマージュ? 興味が広がるプログラム文:江藤光紀第672回 定期演奏会 7/20(土)18:00 サントリーホール川崎定期演奏会 第70回 7/21(日)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 http://tokyosymphony.jp/ 一夜のコンサートを成す選曲には、作曲年代やジャンル、編成や組み合わせの相性、得意分野かどうかなど、演奏者側の様々な意図や戦略が反映されるが、時に常識を大胆に踏み越え、私たちを思いがけない発見へと導いてきたのがジョナサン・ノット&東響だ。今回もふるっている。 現代音楽のスペシャリストとして名を馳せたノットが、とりわけ高い評価を受けてきたのがリゲティ。ユニークなアイディアを精緻に描き出す力は、作曲家自身からも篤い信頼を受けた。声部を細かく分けて重ねるマイクロ・ポリフォニーという手法が用いられた「レクイエム」には、ソプラノにサラ・ウェゲナー、メゾにターニャ・アリアーネ・バウムガルトナーという欧州を席捲する実力派を配して臨む。スタンリー・キューブリックの映画『2001年宇宙の旅』を彩り有名になった難曲に続いて東響コーラスが披露するのは、トマス・タリスの「スペム・イン・アリウム」。40声部に分かれたこのルネサンス期の無伴奏合唱曲は、マイクロ・ポリフォニーの遠い祖先とも言えよう。アマチュア合唱の風景が塗り替わるかもしれない。 2曲を挟むのは、二人のシュトラウスの作品。ワルツ王・J.シュトラウスⅡの優雅なワルツ「芸術家の生涯」ではじまり、R.シュトラウスの「死と変容」で締めくくる。人生の喜びを讃える前者に対し、後者はある芸術家が死との闘いを経て、魂を浄化させる様を描いている。曲は違うが、この二人の音楽は『2001年』にも用いられている。生と死、芸術と人生などの伏線を絡めつつ、ファンタジーが宇宙空間のように膨らむはずだ。『ロダン』 ©Souheil Michaeil Khoury『アンナ・カレーニナ』 ©Souheil Michaeil Khouryターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー © Luigi Caputoサラ・ウェゲナー ©Simon David Tschanジョナサン・ノット ©K.Miura

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