eぶらあぼ 2019.7月号
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42©大窪道治セイジ・オザワ 松本フェスティバル(8/17~9/7)チャイコフスキー:《エフゲニー・オネーギン》8/20(火)18:30、8/22(木)15:00、8/24(土)15:00 まつもと市民芸術館オーケストラ コンサート Aプログラム8/23(金)19:00 キッセイ文化ホール問 セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会0263-39-0001https://www.ozawa-festival.com/※フェスティバルの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。ファビオ・ルイージ(指揮)夏の松本で指揮者人生初の《エフゲニー・オネーギン》を振る取材・文:山田治生Interview ファビオ・ルイージが今年もまたセイジ・オザワ 松本フェスティバルに出演する。サイトウ・キネン・フェスティバル時代の《ファルスタッフ》(2014年)に始まり、15、16、17年に続く、5回目の登場だ。 「メトロポリタン歌劇場にいた時、突然、マエストロ・オザワから電話がかかってきたのです。『僕の音楽祭で《ファルスタッフ》を振らないか?』って。すぐにOKしました。それが最初です。小澤さんとは、彼がウィーン国立歌劇場の音楽監督時代に、私はしばしばウィーン国立歌劇場で振っていたので、ウィーンで何度も会ったことがありました。 ボストン響などとの録音を聴いて、子どもの頃から小澤さんのことを尊敬していました。彼は私の指揮者としてのロール・モデルのような存在でした。彼は指揮者像を変えたのです。1960年代までの指揮者の役割は、指揮官として命令をすることでした。小澤さんやアバド、メータら、新しい世代の指揮者が、それを変えました。お互いに協力して、最良のものを一緒に作り上げる、それがゴールへのベストな道だと指揮者もオーケストラも気づいたのです。また、今はオーケストラ奏者のレベルがすごく上がりました。特別に高い技術を持つ彼らは、指揮者と同等の音楽家であり、指揮者は作品全体の方向性を決める役割を担っているだけなのです。彼らは、命令に従うよりも一緒に音楽作りに参加することを望みます。小澤さんは、音楽へのアプローチが人間的で、自然です。そういうところに私は若い頃から感銘を受けてきました。 サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)でも私はいつもと同じように指揮します。リハーサルでは多くは話しません。目を見て、示して、フレーズを形作ります。SKOはとても反応がいいですね」ロシア語の勉強をして臨むオペラ 今年、ルイージは、オペラでは《エフゲニー・オネーギン》を振る。オネーギン役にマリウシュ・クヴィエチェン、タチヤーナ役にアンナ・ネチャーエヴァ、レンスキー役にパオロ・ファナーレなど、実力者キャストが揃った。 「私は解さない言語のオペラは指揮しないことにしているので、《エフゲニー・オネーギン》のオファーをいただいたときは、躊躇しました。でもチャイコフスキーの音楽には精通しているし、このオペラのことも知ってはいます。それでロシア語の勉強を始めました。《エフゲニー・オネーギン》は、最も美しいロマンティックなオペラです。私に近いものを感じます。大好きです。チャイコフスキーの音楽はシンプルで深い。聴けば、すぐに心の真ん中に訴えかけてくるでしょう」サイトウ・キネン・オーケストラとマーラーをふたたび オーケストラ コンサートでは、マーラーの交響曲第1番「巨人」とフランツ・シュミットの交響曲第4番を取り上げる。 「SKOとは、第5番や第2番がとてもうまくいったので、マーラーを続けています。マーラーに関しては、他の指揮者の真似をしたくはありません。何もないところからスコアを読んで、私のやり方を確立したい。スコアが大切なのです。 フランツ・シュミットは、日本ではあまり知られていませんが、交響曲第4番は彼の作品の中では知名度の高いもので、私は何度も指揮しています。彼は、独自の和音構造を持ち、後期ロマン派の心で作品を書きました」 5度目の松本をとても楽しみにしている。 「松本は音楽に集中するのに適した場所です。山に囲まれ、空気がきれいで、おいしい蕎麦もあります(笑)。私はゴルフをしますが、オフの日にとても良いゴルフ場に行きましたよ!」

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