eぶらあぼ 2019.7月号
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163コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALでいる人達の作品を、0歳の子どもから大人まで楽しめる新しい音楽に触れるためのイベント」。演奏以外にワークショップなども気楽に体験できる1日限りのユニークなフェスだ。館内でコンサートホール以外の多くの施設(ギャラリー、リハーサルルーム、アトリウム等)を〈電子音楽の部屋〉〈ノマドの部屋〉などと命名し、様々な体験が可能なスペースとして活用する。5月26日、記者懇親会が開かれ、藤倉やアンサンブル・ノマドを主宰するギタリストの佐藤紀雄らが出席し、今回の聴きどころなど語った。 藤倉は「今回の大きな特徴は、子どもたちに新しい音楽を体験してもらう〈電子音楽の部屋〉を3部屋に増やし、〈デヴィッド・シルヴィアンの部屋〉が加わること。僕はシルヴィアンと交流があり、彼が提供してくれたハイレゾ音源の楽曲を流したり、アルバム『Died in the wool』の中から、僕も演奏に参加した曲をマルチチャンネルヴァージョンで世界初演もします。この他にも出演者全員が参加する『スペシャル・コンサート』を子どもが聴けるように14時開演にしました。そこでは今秋公開の映画『蜜蜂と遠雷』の中で演奏される、僕が書いた架空のコンクール課題曲を、ピアニストの萩原麻未さんが弾いてくれます。お楽しみに」とコメントした。同コンサートでは、他に坂本龍一、モートン・フェルドマン他の曲も取り上げる。さらに、同劇場コンサートホールでは夜の時間帯を、大人向け〈電子音楽の部屋〉、「大人ボンクリ」にする試みなど、楽しめるコンテンツが広がった。〈ノマドの部屋〉で演奏する佐藤は「ケージ『居間の音楽』、高橋悠治『この歌をきみたちに』他を演奏します。ボンクリにはアットホームなイメージがある。いっそのことあの部屋を“居間”にしようと思いつき、ケージを入れました。面白い内容になると思います」と述べた。“Born Creative” Festivalhttps://www.borncreativefestival.com/■東京二期会が2020/21シーズンライン ナップ発表 東京二期会は5月30日に都内で記者会見を開き、2020/21シーズンラインナップを発表した。東京二期会理事長・韮澤弘志、同常務理事兼事務局長・山口毅、10月公演《蝶々夫人》で題名役の森谷真理(ソプラノ)と東京二期会幹事長で同オペラにシャープレス役としても出演する黒田博(バリトン)が登壇した。まず韮澤理事長が「日本は今年、元号が令和に変わり、来年にはオリンピック・パラリンピックも開催される。時代が大きく変わろうとしている。二期会もこの新しい時代のニーズに叶うものを創っていきたい」と挨拶。その後で山口事務局長によりラインナップが発表された。すべて新制作なのが特徴。 以下、演目と指揮者、演出家そして日程。歌手は後日発表となる。《椿姫》指揮:ジャコモ・サグリパンティ、演出:原田諒(2020.2/19,2/20,2/22,2/23)/《サムソンとデリラ》指揮:準・メルクル(セミ・ステージ形式)(4/25,4/26)/《ルル》指揮:マキシム・パスカル、演出:カロリーネ・グルーバー(7/10〜7/12)/《フィデリオ》指揮:ダン・エッティンガー、演出:深作健太(9/3〜9/6)/《メリー・ウイドー》指揮:沖澤のどか、演出:眞鍋卓嗣(11/26〜11/29)/《タンホイザー》指揮:アクセル・コーバー、演出:キース・ウォーナー(2021.2/17,2/18,2/20,2/21)/ヘンデルの作品(調整中)指揮:鈴木秀美、演出:調整中(5/22,5/23)/《ファルスタッフ》指揮:ベルトラン・ド・ビリー、演出:ロラン・ペリー(7/16〜7/19)。 シーズンのラインナップついて山口は「シーズン開幕となる《椿姫》は、ヨーロッパで活躍し話題のサグリパンティの日本デビューに期待してほしい。9月の《フィデリオ》はベートーヴェン生誕250周年記念公演。ここから2021年のヴェルデイの喜劇《ファルスタッフ》までが楽聖のモットーである“苦悩を経て歓喜へ”と重なる」と述べた。 会見では、森谷が海外でのオーディションの特長と苦労を、そして黒田が二期会の《蝶々夫人》への思いを語った。また二期会は22年が創立70周年。それに向けてロゴデザインを一新することを報じた。東京二期会http://www.nikikai.net/■オーケストラ・アンサンブル金沢が 2019-20定期公演ラインナップ発表 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)が、2019-20定期公演ラインナップ(19年4月〜20年7月)を発表した。マルク・ミンコフスキ芸術監督の2シーズン目は、フィルハーモニー(8公演)、マイスター(5公演)の両シリーズにそれぞれ意欲的なプログラムが組まれ、多彩な指揮者およびソリストが登場する。会場は左より:山口 毅、韮澤弘志、森谷真理、黒田 博

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