eぶらあぼ 2019.5月号
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38ライナー・キュッヒル ヴァイオリン・リサイタル5/25(土)14:00 やまと芸術文化ホール(大和市文化創造拠点 シリウス内)問 やまと芸術文化ホール チケットデスク046-263-3806 https://www.yamato-bunka.jp/hall/ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン)プフィッツナーは、R.シュトラウスらと肩を並べるレベルの作曲家です取材・文:寺西 肇Interview 45年にわたってウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターを務め、2016年8月に惜しまれつつ退任、ソリストとして、いっそう精力的な活動を展開するライナー・キュッヒル。「どこまでも音楽を追求し、自分の解釈で自由に弾いていきたい」と語る名匠が、選りすぐりの傑作を、艶やかな美音で紡ぐリサイタルを5月に開く。 「日本の方に親しみある曲を選びました。耳なじみのある作品も、奏者によってずいぶん弾き方が違うし、私も独自の美学に基づいて演奏します。特に、ウィーンの作曲家は“ウィーン風の音”で…。そんな解釈や私の“歌い方”、さらには作曲家が言わんとする本質を、ぜひ感じていただければ」 国内外で何度も共演を重ね、「非常に息が合う」と厚い信頼を寄せるピアノの加藤洋之をパートナーに、クライスラーやサラサーテ、マスネなど珠玉の名旋律を。かたや、取り上げられる機会の少ない、ハンス・プフィッツナーのソナタが、もうひとつの軸。プフィッツナーは、晩年の一時期をウィーンで過ごすなど、同地と所縁は深いが、この作品はもう少し若い時代の作だ。 「クリスティアン・ティーレマンが指揮するウィーン・フィルとの共演で、彼の協奏曲を何度か弾くうち、すっかり魅了されて、この作曲家に非常に興味を持ちました。そして、やはり中身の濃いソナタも、ぜひ皆様に紹介したいと思いが募りました。彼はR.シュトラウスらと肩を並べるレべルの作曲家だと思います」 コンマス生活の45年間を「音楽に対して、私は非常に頑固で…顔もそう見えるらしいですが、実際は虫も殺せません。妥協なしに一途に弾いてきました。若い仲間との意見の相違もありましたが、楽団に対して、自分なりに正直に接してきたつもりです。だから、オーケストラの中では、あえて独自の音色を出そうと意図したり、音楽創りに秘密を持ったりすることはありませんでした」と振り返る。 退任から、約2年半。 「時間ができたので、自分のソロの練習に集中できるようになりました。でも、音楽に対する姿勢は、今までと全く変わりません。私の書斎には、収集した楽譜や本が山のようにあるので、ゆっくりと自分のための練習や勉強に取り組みたい。あと20年は(笑)、楽器に触れていたいですね」 若い世代へ伝えたいこととは。 「相撲やテニスの世界と同様、演奏家の意識も、聴衆も変化しています。指揮者によっても、全く異なるでしょう。伝統を守るのは、非常に難しい。でも、どんな時代の演奏も、デジタルで気軽に聴くことができます。もし時間があれば、昔の録音も聴いてみてほしい。必ず発見があると思いますよ」読響 × アプリコ 大友直人 歓喜のブラームス名匠と旬の若手ピアニストが共演!文:林 昌英 蒲田駅近くに立地する大田区民ホール・アプリコ。読売日本交響楽団との事業協定で「読響×アプリコ シリーズ」を毎年開催し、他では聴けない企画を続けている。今回は大友直人の指揮でブラームスの交響曲第1番。大友は誠実な音楽創りを重ね、この3月まで群馬交響楽団の音楽監督を務めるなど充実期にあり、読響の底力を引き出した堂々たるブラームスが聴けるはず。 演奏会前半、ショパンのピアノ協奏曲第1番はさらに注目を集めそう。1997年生まれの中国出身のピアニスト、牛牛(ニュウニュウ)が登場するの6/29(土)15:00 大田区民ホール・アプリコ問 アプリコチケット専用電話03-3750-1555 https://www.ota-bunka.or.jp/牛牛©Chris Leeだ。6歳でデビュー、10歳からメジャーレーベルと契約する俊才。さらに、アニメ『ピアノの森』(NHK総合テレビ)で、クールな天才パン・ウェイの演奏音源を担当していることも話題となっている。アニメではショパン・コンクールが主な舞台だが、牛牛自身はコンクールでキャリアを積まず、自身の名技と音楽性だけで世界を飛び回る名手に成長した。今まさに旬の牛牛のショパン、聴き逃せない。大友直人 ©Rowland Kirishima©R-Resonance Inc.

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