eぶらあぼ 2019.5月号
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367/29(月)18:00 サントリーホール問 ソニー音楽財団03-3515-5261 http://www.smf.or.jp/10代のためのプレミアム・コンサート 大野和士(指揮) バルセロナ交響楽団子どもたちに“最高級”のステージを届けたい文:飯尾洋一大野和士 次世代を担う10代の子どもたちにクオリティの高い音楽を聴いてほしい。そんな願いが込められているシリーズが、ソニー音楽財団による「10代のためのプレミアム・コンサート」。毎年多くの公演が開催されているが、この7月には大野和士指揮バルセロナ交響楽団が登場する。世界的指揮者と彼が音楽監督を務めるスペインの名門楽団との組合せはまさしくプレミアムだ。 プログラムはスペインを舞台にしたビゼーのオペラ《カルメン》から前奏曲、おとぎ話を題材としたラヴェルの組曲「マ・メール・ロワ」、そしてスペインを代表する作曲家ファリャのバレエ音楽「三角帽子」第2組曲。色彩感豊かな作品が並んだ。「三角帽子」では東京シティ・バレエ団も加わって、音楽と踊りでスペイン情緒を伝えてくれる。わかりやすいと評判のマエストロ大野のレクチャー付き。 なお、入場は小学校1年生から可。チケット価格は格安。家族いっしょに楽しみたい。5/18(土)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)問 オーパス・ワン042-313-3213http://opus-one.jp/飯野明日香(ピアノ) エラールの旅(全3回) 第1回 エラールの見たもの銘器は人と時代を語りつぐ文:飯田有抄 ピアノはとりわけ18、19世紀に大きな変遷を遂げた楽器だが、「ピリオド楽器」への関心が高まる現代では、各時期のピアノに対する眼差しも熱い。そんな中、飯野明日香が意欲的なコンサートシリーズを立ち上げる。福澤諭吉の孫・進太郎がパリで購入した1867年製のエラール社のピアノ(サントリーホール所蔵)を用いた3年3回シリーズ「エラールの旅」だ。 飯野は近現代作品に意欲的に取り組む一方、パリ音楽院時代にフォルテピアノも専攻した鍵盤のエキスパート。第1回は「エラールの見たもの」と題し、前半は、楽器の製造時期から福澤の購入時期に近い作品を、サン=サーンス、フォーレ、プーランク、メシアンから選曲。後半は湯浅譲二、武満徹、一柳慧の作品からそれぞれ1950年代、80年代、2000年代の作品を選び、糀場富美子に委嘱した新作を初演。最後はドビュッシーの前奏曲集からの4曲で締めくくる。ピアノを巡る伝承の形が、飯野らしい視点で提示される楽しみな企画だ。6/3(月)11:15 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702https://www.triton-arts.net/雄大と行く 昼の音楽さんぽ 第17回 上野由恵(フルート) & 曽根麻矢子(チェンバロ)バッハから細川俊夫まで〜多彩なメニューを満喫文:笹田和人曽根麻矢子 ©神尾典之 平日昼間の60分、ランチや映画のように、気軽に演奏会が楽しめる「雄大と行く 昼の音楽さんぽ」。音楽ライターの山野雄大によるプレトーク(11:00~)と共に、第一線奏者による名演を楽しく、深く味わえる好評シリーズだ。第17弾には、フルートの上野由恵とチェンバロの曽根麻矢子が登場。彩り豊かな傑作の数々を、妙なる音色で紡ぐ。 上野は第2回東京音楽コンクールなどで優勝を重ね、現在はパリを拠点に活躍する俊英。そして、1986年にブルージュ国際チェンバロ・コンクールに入賞した曽根は、日本を代表する名手として、「古楽」という枠組みにとらわれぬ、多彩で精力的な活動を続ける。 今回は、ヨハン・ゼバスティアンのイ長調と次男カール・フィリップ・エマヌエルのト長調、バッハ父子のフルート・ソナタを大枠に、「グリーンスリーブス変奏曲」など耳なじみある名曲を。上野が「毛筆で描く線の動き、書に向かう日本人の精神性を表現したい」という細川俊夫「線Ⅰ」、曽根もロワイエ「スキタイ人の行進」と、各自がソロ作品も奏でる。上野由恵 ©Akira Muto
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