eぶらあぼ 2019.4月号
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88ジュゼップ・ポンス(指揮) NHK交響楽団名匠と新鋭が届けるラテンの香り文:飯尾洋一N響ベストクラシックス~哀愁と情熱のスペイン~6/1(土)16:00 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール問 かつしかシンフォニーヒルズ03-5670-2233 https://www.k-mil.gr.jp/NHK交響楽団 横須賀公演6/2(日)14:00 よこすか芸術劇場問 横須賀芸術劇場046-823-9999 https://www.yokosuka-arts.or.jp/ スペインからの熱い風が吹く。同国を代表する名指揮者ジュゼップ・ポンスとN響が、横須賀芸術劇場とかつしかシンフォニーヒルズを舞台に「オール・スペイン・プログラム」を披露する。プログラムには華やかで色彩感豊かな作品が並ぶ。ファリャの歌劇《はかない人生》から間奏曲とスペイン舞曲、ラロのスペイン交響曲、ファリャのバレエ組曲「三角帽子」第2部、そしてラヴェルの「ボレロ」。 ファリャはスペインのカディス出身の作曲家。《はかない人生》のスペイン舞曲では、カスタネットが打ち鳴らされてフラメンコを踊る場面が描かれる。バレエ組曲「三角帽子」では躍動感あふれるダンスの音楽が聴きもの。「終幕の踊り」では喜びが爆発する。 一方、ラロとラヴェルはスペインの血をひくフランスの作曲家。スペイン情緒たっぷりのラロの代表作「スペイン交響曲」では、ヴァイオリン独奏劇場の音楽監督やスペイン国立管弦楽団の名誉指揮者を務めている。スペイン音楽を知り尽くした名匠だ。南 紫音 ©Shuichi Tsunoda大人気の“太メン”5人が贈るふくよかな響き文:室田尚子アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2019-2020 前期 Vol.1 Iイル・デーヴLDEVU(ヴォーカル・グループ)4/18(木)13:30 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 https://www.japanarts.co.jp/ クラシック界に人目をひく数々のユニットはあれど、“総重量”を前面に押し出しているのは彼らぐらいのものだろう。IL DEVU。文字通り「ふくよかなボディ」を持ったオペラ歌手とピアニスト5人によるヴォーカル・グループだ。 一見おふざけのようにも見えるが、構成メンバーをみれば彼らがいたって真面目に音楽していることは一目瞭然。テノール望月哲也・大槻孝志、バリトン青山貴、バスバリトン山下浩司の4人は、いずれもオペラの舞台やコンサートの第一線で活躍する日本を代表する歌い手。そして、数多くのアーティストがこぞって共演を熱望する人気ピアニスト河原忠之を擁し、聴衆を感動の渦に包み込む。全国各地で開催されているコンサートは売り切れ続出。これまでに2枚のアルバムをリリース、またテレビやラジオの番組にも出演するなど大人気のユニットなのだ。 そんなIL DEVUが、アフタヌーン・コンサート・シリーズの舞台に登場する。プログラムはイタリア古典歌曲から民謡、現代の日本歌曲までバラエティ豊か。「総重量500キロ」の体型から繰り出されるハーモニーは超弩級に豊かで、美しい。間違いなく、ホールは愛と感動の渦に包み込まれることだろう。また彼らのコンサートでは、笑いも交えながらメンバーが客席に直接語りかけるトークも人気だ。春のひととき、IL DEVUとともに、あたたかくふくよかな音楽の響きにひたってみてはいかが。を南紫音が務める。ハノーファー国際ヴァイオリン・コンクール第2位をはじめとする華やかなコンクール歴を誇る気鋭である。バスク系の母親を持つラヴェルは「ボレロ」でスペイン舞曲を一大スペクタクルへと発展させた。名手ぞろいのN響ならではの鮮やかなソロを期待できるだろう。 ポンスは現在バルセロナのリセウ大ジュゼップ・ポンス ©Igor Cortadellas©日本コロムビア株式会社

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