eぶらあぼ 2019.4月号
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58 今年の10月1日、いよいよ「フェニーチェ堺」がグランドオープンする。大阪の中心地・難波からホール最寄り駅の堺東駅まで電車で10分ほどという至便の地に、新しい芸術文化の殿堂が生まれる。「フェニーチェ堺」とは、大阪第二の都市・堺市が総力を挙げて完成させた堺市民芸術文化ホールのこと。その芸術拠点のオープニングを飾るラインナップが発表された。真新しいホールの内装や響きはどうなのか、そこで展開される上演がいかなるものか、期待に胸は高鳴る。 堺は幾多の戦乱からも不死鳥(フェニーチェ)のようによみがえり、伝統と文化を守っている。また中世、宣教師にイタリアのヴェニスのごとしと称されたことから、イタリア語でフェニーチェ(不死鳥)と名付けられている。ロゴにあるSACAYは16世紀末の西洋古地図にある表現で、そこには、本州では、国名以外に堺(SACAY)と都(MEAKO)のみが表記されていた。このように、歴史上、堺が繁栄した足跡を現代に発信する意図を含んで採用された。オペラまで様々なイベントへの対応を可能とする大ホールと室内楽向けの小ホールを完備 大ホールは3層バルコニー構造による2000席で、オーケストラ、オペラ、バレエ、ミュージカル、ポップスなど多彩なイベントや集会にも使える多目的ホールである。オペラ用のオーケストラ・ピットも備えている。毎年充実した公演を行っている堺シティオペラもオープニングラインナップに登場する(開幕シリーズで《アイーダ》を取り上げる)。小ホールはシューボックス型の312席で、室内楽、リサイタル、合唱など小規模な演奏会に好適である。大小ホールを中心に大小スタジオ、文化交流室、多目的室が配備され、さらに屋上庭園、交流・創作ガレリア、翁橋公園、本格イタリアン・レストランなど、憩いのスペースも充実している。 「フェニーチェ堺」は「魅力づくり」「次世代づくり」「賑わいづくり」をスローガンとして、優れた舞台芸術や多彩な公演による、歴史文化のまち堺の魅力発信を目標としている。新しい機構により既存の概念を打破するような、クオリティの高い文化発信と文化創造の拠点となることを期待したい。内外の著名アーティストが登場!オープニング・シリーズの聴きどころ オープニング・シリーズから注目公演をいつくか挙げよう。まずは、「ホセ・カレーラス スペシャルコンサート」(11/10)。三大テノールとして一世を風靡し、今でも毎年のように来日して美声を聴かせているが、新ホール「フェニーチェ堺」10月にグランドオープン!大阪・堺が新たな文化発信地に──最先端の設備と多彩なオープニングのラインナップフェニーチェ堺 大ホール内観 ©石川拓也
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