eぶらあぼ 2019.4月号
213/221

210「Shall we オペラ!?」は、コンサート・ソムリエのフリーアナウンサー、朝岡聡のナビゲートにより、易しく、深く、楽しく、オペラを知るステージ。ソプラノ生野やよい、テノール笛田博昭による名唱、河原忠之のピアノで、《椿姫》などヴェルディ、《ラ・ボエーム》ほかプッチーニと、イタリア・オペラからのアリアや二重唱を堪能し、数々の名場面を巡る。オペラ好きはもちろん、初心者も大満足すること、間違いなしだ。期待の新鋭ピアニストが、春の調べを織り上げる。酒井有彩はベルリン芸大に学び、数々の国際コンクールで実績を積み、国内外の檜舞台で活躍する実力派。ラヴェルの協奏曲(共演:飯森範親指揮日本センチュリー響)ほかを収録したデビュー盤リリース記念のリサイタルでは、「高雅で感傷的なワルツ」「ソナチネ」とラヴェルに、ベートーヴェン「ソナタ第28番」、ラフマニノフ編曲によるクライスラーの小品などを弾く。北原白秋作詩、信時潔作曲により、日本建国神話を鮮やかに描く交声曲(カンタータ)「海道東征」は昭和15年、皇紀2600年の奉祝曲として初演された。再演も重ねたが、戦後は長く“封印”。だが、信時の没後50年にあたる2015年に蘇演され、大きな感動を呼んだ。今回は、天皇陛下のご即位30年を記念して。大友直人指揮の東京フィル、ソプラノ幸田浩子、テノール小原啓楼ら豪華布陣で、全8章の壮大な音の叙事詩を紡ぐ。平日午後の開催ながら、夜のステージと同等の豪華な出演者、本格的なプログラムによる新シリーズ「午後の特等席」がスタート。初回に登場する、ウィーンを活動の拠点とする名ソプラノ、中嶋彰子は「自分の庭へご招待するようなステージに」と話す。共演は、ピアノの盟友・村上明美。シューマン「女の愛と生涯」をはじめリートやオペラ・アリア、日本の童謡まで、自身の選曲で「好きな花を植えてゆくように」歌う。月の4酒井有彩(ピアノ)CDデビュー記念リサイタルコンサート・ソムリエ 朝岡 聡のShall we オペラ!? 生野やよい(ソプラノ) 笛田博昭(テノール) 河原忠之(ピアノ)有吉亮治 ピアノリサイタル~音の彼方へ大島 亮 ヴィオラリサイタル2019 Vol.6午後の特等席 Vol.1中嶋彰子(ソプラノ)大友直人(指揮)東京フィルハーモニー交響楽団 交声曲 「海道東征」4/7(日)15:00 王子ホール4/12(金)13:00 ヤマハホール4/11(木)19:00 王子ホール4/8(月)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール4/19(金)14:00 いずみホール4/12(金)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール文:笹田和人左より:大友直人 ©Rowland Kirishima/幸田浩子神奈川フィル首席奏者を務め、ソリストや室内楽奏者としても大活躍、ヴィオラの新たな地平を切り拓く名手・大島亮。第7回東京音楽コンクールを制するなど実績を重ね、現在は後進の指導にも力を注ぐ。6回目のリサイタルは、ピアノの草冬香が共演。シューベルトのアルペジオーネ、バッハのガンバのための第1番、リゲティの無伴奏と3つのソナタに、ロータ「インテルメッツォ」、ミヨー「4つの顔」を添えて。©大窪道治東京藝大やジュネーヴ高等音楽院で研鑽を積み、卓越した音楽性と豊かな感性を武器に、国際的に活躍するピアノの有吉亮治。「音の彼方へ」と題したリサイタルは、シューベルト「4つの即興曲 op.90」とシューマン「ウィーンの謝肉祭の道化」、ラヴェル「ラ・ヴァルス」を軸に。「(これらは)過去、現在、未来を強く感じる作品」と有吉。「演奏を通して作品、その向こうにあるメッセージを皆様と共有できれば」と語る。笛田博昭生野やよい朝岡 聡©Yoshinori Kurosawa

元のページ  ../index.html#213

このブックを見る