eぶらあぼ 2019.3月号
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78N響チェリスト 桑田歩が贈るショパンの夕べ ~ポーランドの歌~3/3(日)17:00 上越/ホテル センチュリー イカヤ問 ホテル センチュリー イカヤ025-545-3120ニューアルバム『ポーランドの歌~ショパン・チェロ作品集~』発売記念 桑田歩 ミニコンサート 3/7(木)16:00 19:00 武蔵小杉サロンホール問 マルタミュージックサービス047-335-2002CD『ポーランドの歌~ショパン・チェロ作品集~』マイスター・ミュージックMM-4051 ¥3000+税2/25(月)発売Photo:Toru Kometani桑田 歩(チェロ)ショパンが愛したチェロの魅力を存分に取材・文:宮本 明Interview 「ピアノの詩人」ショパンはチェロも愛した。彼の残した4曲しかない室内楽曲のうち3曲までがチェロとピアノのための作品だ。「チェロ・ソナタ」「マイヤベーアの主題による協奏的大二重奏曲」「序奏と華麗なるポロネーズ」。それらを収めたのが、NHK交響楽団(チェロ首席代行奏者)やチェロ四重奏団「ラ・クァルティーナ」などで活躍するベテラン桑田歩の3枚目のソロ・アルバム『ポーランドの歌~ショパン・チェロ作品集~』。 「残りの1曲であるピアノ三重奏曲も、ヴァイオリニストの機嫌が悪くなるぐらい(笑)、ほぼチェロのための作品なので、結局全部チェロの曲なんです。僕はチェロを始めた頃から、周りの仲間たちが、ベートーヴェンの3番だ、ドヴォルザークの協奏曲だ、と言っているなか、王道志向ではなく、フォーレやショパンのチェロ作品に関心がありました」 特にショパンのチェロ・ソナタ。初めて聴いたのは中学生の時。難病に冒されたジャクリーヌ・デュ・プレが残した最後のスタジオ録音のレコードだった。「衝撃でした。ほとんど弓も持てない状態だったそうですが、いま聴いても悲痛な演奏です。この作品は大好きで学生の頃から弾いてきましたが、いつか形として残したいと考えていたのがやっと実現できました。特に第3楽章は、こんなに美しい音楽はないんじゃないかと思うぐらい、チェロのために残されたあらゆる作品の中で最も優れた作品のひとつです」 チェロのためのオリジナル作品以外に、5曲の歌曲を弾いている。 「実はショパンの歌曲の存在を知らなかったのですが、歌曲はチェロで一番表現しやすいジャンルです。しかも、たとえばシューマンの歌曲をチェロで弾く場合は、ドイツ語を表現する難しさがどうしてもあるのですが、ポーランド語の語感のせいか、ショパンの歌曲には旋律楽器で弾くメリットがあるように感じました」 歌曲は、すべて原調で弾くことにこだわった。それゆえ、「チェロに合った音域」という視点も選曲のポイントになっている。 録音を終えて再認識したのは、「ショパンはCD向き」ということだったそう。つねづね、大会場で大音量で鳴らすショパンには違和感を感じていたという。 「ショパンはサロンで独り言のように演奏したはず。だから大会場よりは家で、間近で聴いてこそショパンの魅力がわかると思います」 冬の夜、部屋を暖かくして、ショパンのチェロと静かに向かい合う。そんな一枚が登場した。 また、3月には、アルバム収録曲をメインとした公演も。ピアノはCDでも共演した尾崎未空が務める。こちらも楽しみだ。バルトーク弦楽四重奏曲全曲演奏会①第1番~第3番 2/24(日)13:00②第4番~第6番 2/24(日)18:00上野学園 石橋メモリアルホール問 テレビマンユニオン03-6418-8617http://tvumd.com/ プロジェクトQ 第16章「バルトーク弦楽四重奏曲全曲演奏会」若き6団体がバルトークに挑む文:山田治生 「プロジェクトQ」は若いクァルテットのための教育的プログラム。2002年に始まり、今回で16回目。選抜された若いクァルテットは、昨年10月から、今井信子、ジュリアード弦楽四重奏団、原田幸一郎、原田禎夫らのマスタークラスを受講。その成果を最終公演である今回の「バルトーク弦楽四重奏曲全曲演奏会」で披露する。桐朋学園の学生で構成されたアヴァンティ弦楽四重奏団は第1番。16年に東京藝大の学生で結成されたウナ・クァルテットの第2番。第3番を弾くヴォロンテ・クァルテットは桐朋学園と東京音大の卒業生からなる。第4番はフィレール・クァルテットで、14年に東京音大大学院の学生によって組まれた。第5番は14年に東京藝大の学生によって結成されたタレイア・クァルテット。18年の第4回宗次ホール弦楽四重奏コンクールで第1位を獲得。第6番はクァルテット・ポワリエでメンバーは桐朋学園の在学生と卒業生。バルトークの弦楽四重奏曲が一日で全曲演奏されることは珍しく、聴き手にとっても貴重な機会である。原田禎夫講師のマスタークラスの様子

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