eぶらあぼ 2019.3月号
175/211

172 伊藤は1989年東京生まれ。15歳よりロンドン在住。ブラームス国際コンクール、および英国のウィンザー祝祭国際弦楽コンクールで日本人初優勝。バロックから現代まで幅広いレパートリーの中でもとりわけラフマニノフ作品の演奏・研究をライフワークとし、国際的な評価を得ている。 受賞に際し伊藤は「これまでになかった新しい『ラフマニノフ音楽のスペシャリスト』として研究を続けてゆくことを、自分の演奏活動の一つの核にしたいと思っています。チェリストとしてだけではなく指導者としての道も探求し活動していますが、これからも分野に囚われず、私が『音楽人』としてできること全てに挑戦し続けたいと思います」とコメントを寄せている。公益財団法人ソニー音楽財団http://www.smf.or.jp/■第20回 ホテルオークラ音楽賞受賞者 決定 ソプラノの小林沙羅とチェロの岡本侑也が第20回ホテルオークラ音楽賞の受賞者に決定した。同賞は、将来を嘱望される音楽家の支援・育成を目的として、ホテルオークラ東京が1996年に創設。毎年2組の音楽家を選出し賞を授与するとともに、受賞記念演奏会を開催している。 小林沙羅は、東京藝術大学及び同大学院修了。2010年から15年にウィーンとローマで研鑽を積み、12年ブルガリア国立歌劇場《ジャンニ・スキッキ》ラウレッタ役で欧州デビュー。15年には野田秀樹演出《フィガロの結婚》スザンナ役で好評を博す。天性の歌声に加え、曲にふさわしい表現を綿密に作り上げていこうとする知的な姿勢、役柄を掘り下げ表現する演技力が高く評価された。 岡本侑也は、1994年生まれ。17年にエリーザベト王妃国際音楽コンクールのチェロ部門第2位入賞。リサイタルや室内楽のみならず、世界的な指揮者やソリスト、国内外のオーケストラとも共演を重ね、第一線で演奏活動を展開している。現在ミュンヘン音楽大学大学院でユリアン・シュテッケルに師事。研ぎ澄まされた技巧で、自然な流れの中に豊かな表情の息づく音楽を奏で、作品に謙虚に取り組む姿勢が評価されての受賞となった。ホテルオークラ東京http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/■五島記念文化賞とオペラ公演助成が 決定 2019年度「五島記念文化賞」が決定した。オペラ新人賞に、バリトンの大西宇宙とソプラノの森野美咲が選ばれた。 同賞は、美術とオペラの分野における優れた人材の発掘と、顕彰・助成活動を通じて育成を図って行くことを目的として、1990年、五島記念文化財団により創設された。各受賞者には賞金50万円、副賞として海外研修に対する400万円の助成と、さらに海外研修終了後にその成果を発表する個展やリサイタル等に350万円の助成を行う。美術新人賞には、木坂美生が選ばれた。 そのほかオペラ公演助成には、下記5団体の演目が選ばれた。各団体に100万円が助成される。●創作オペラ「雪おんな」実行委員会倉知竜也《雪おんな》●石川県音楽文化振興事業団 池辺晋一郎《耳なし芳一》●びわ湖芸術文化財団 松井和彦《泣いた赤鬼》●日本オペラ振興会 寺島民哉《紅天女》●名古屋二期会 尾上和彦《月の影 源氏物語》五島記念文化財団https://www.gotoh-mf.or.jp/■第28回青山音楽賞の受賞者が決定 第28回青山音楽賞の受賞者が決定した。同賞は、公益財団法人青山音楽財団が1991年に創設した顕彰事業で、京都の青山音楽記念館 バロックザールで開催された公演の中から選考し、個人または団体に授与される。 25歳以下(演奏会当日)が対象の新人賞には、松©Hideki Shiozawa岡本侑也 ©Shigeto Imura小林沙羅 ©NIPPON COLUMBIA

元のページ  ../index.html#175

このブックを見る