eぶらあぼ 2019.3月号
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169コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPALティックバレエの上演を目標に掲げてきた大原永子芸術監督にとってマクミラン作品の選定は「彼の作品を上演できるカンパニーは世界でも限られており、そういう意味でバレエ団が国際的な名作を上演できる実力がついた」からだと話す。 任期最後のシーズンとなる大原は、同バレエ団のバレエミストレスとして1999年に就任して以来、監督補、芸術監督として20年余にわたりバレエ団にかかわってきた。「新国立劇場での経験は素晴らしいものでした。劇場、バレエ、オペラ、演劇ともっと成長し根付き、素晴らしいものになればと願っています。いまは残された期間を頑張ります」と心境を語った。 演劇部門では、19年10月から12月にかけて“個人”と“全体”を切り口としたシリーズ「ことぜん」を上演。また小川芸術監督が切望していたイギリス・ロイヤルコートシアターとの共同で、劇作家ワークショップを1年かけて行う。新国立劇場オペラ部門/新制作●《エウゲニ・オネーギン》(19年10月、指揮:アンドリー・ユルケヴィチ、演出:ドミトリー・ベルトマン)●《ドン・パスクワーレ》(19年11月、指揮:コッラード・ロヴァーリス、演出:ステファノ・ヴィツィオーリ)●《ジュリオ・チェーザレ》(20年4月、指揮:リナルド・アレッサンドリーニ、演出:ロラン・ペリー)●オペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔World《ニュルンベルクのマイスタージンガー》(20年6月、指揮:大野和士、演出:イェンス=ダニエル・ヘルツォーク)新国立劇場https://www.nntt.jac.go.jp/■調布国際音楽祭2019 記者会見 今年6月23日から30日にかけて開催される調布国際音楽祭2019の記者会見が行われ、エグゼクティブ・プロデューサーの鈴木優人、アソシエイト・プロデューサーの森下唯、調布市文化・コミュニティ振興財団常務理事の吉田育子が登壇した。 調布国際音楽祭は2013年に「調布音楽祭」の名でスタートし、17年から「調布国際音楽祭」と改称。今年で7年目を迎える。自身も調布市出身である鈴木が挨拶し、「音楽という文化を未来へつないでいくことを一番の課題として、毎年改善と成長を重ねています。手作り感を失わないようにしながら、いろいろな人に扉を開いて、音楽を目一杯楽しんでいただけるようにしたい」と述べた。 今年の目玉公演となるのが、モーツァルト《後宮からの誘拐》。森谷真理、澤江衣里(以上ソプラノ)、櫻田亮(テノール)ら充実の独唱陣が揃い、管弦楽は鈴木■新国立劇場2019/20シーズンライン ナップ発表 新国立劇場の2019/20シーズンラインナップが1月17日、発表された。 オペラ部門は、すでに発表されているオペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔World《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の他、チャイコフスキー《エウゲニ・オネーギン》、ドニゼッティ《ドン・パスクワーレ》、ヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》と新制作4演目を含む10演目を上演する。大野和士芸術監督は、前シーズンに発表した同劇場プログラムの充実を図る計画に沿って、2シーズン目はロシア・オペラ、ベルカント・オペラ、バロック・オペラの3つを柱として掲げた。 「ロシア・オペラとベルカント・オペラをレパートリーに定着させたい。その第1弾として、まずは《エウゲニ・オネーギン》と《ドン・パスクワーレ》だろうと選びました。《ジュリオ・チェーザレ》は祝祭の意味も込めて、豪華な舞台が印象的なロラン・ペリー演出のプロダクションをお届けします」 オペラはこの他、オリンピック開催月の20年8月に、特別企画「子供オペラ」を上演する。作曲は初音ミク主演によるボーカロイド・オペラ《THE END》を手がけた渋谷慶一郎、台本は島田雅彦を起用。指揮台には大野が立ち、演出は小川絵梨子演劇芸術監督が担当。新国立劇場バレエ団が出演し、同劇場初となるオペラ、舞踊、演劇の3部門による合作の新作オペラとなる。大野は「新しいオペラのあり方、未来のオペラ展望としての意味で実験的な作品」と意気込みを語った。 舞踊部門バレエは、「これまでのバレエ団の総決算」となるレパートリー演目中心の6演目を上演する。振付家ケネス・マクミランの代表作『ロメオとジュリエット』『マノン』の上演は注目だ。就任当初よりドラマ会見から 左より:小川絵梨子(演劇芸術監督)、大野和士(オペラ芸術監督)大原永子(舞踊芸術監督 )Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE
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