eぶらあぼ 2019.2月号
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29浮ヶ谷孝夫(指揮) ブランデンブルグ国立管弦楽団フランクフルトドイツ伝統の響き、そして王道を行くプログラム文:飯尾洋一5/25(土)14:00 京都コンサートホール(プランツコーポレーション075-222-7755)、5/28(火)19:00 佐賀市文化会館(RO♪ONクラシックの会0952-26-2361)、5/29(水)19:00 姫路市文化センター(姫路労音079-288-6600)、5/31(金)19:00 東京芸術劇場コンサートホール(ローソンチケット0570-000-407)他公演 5/24(金)豊橋、5/26(日)米子、6/1(土)松戸、6/2(日)川口※プログラム、ソリストは公演ごとに異なります。全国ツアーの詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。 https://bsof2019.jp/ この春、ドイツのブランデンブルグ国立管弦楽団フランクフルトが来日ツアーを行う。同オーケストラの来日は2005年以来、久しぶりとなる(旧称はフランクフルト国立管弦楽団)。ドイツにはフランクフルトという街がふたつあるが、こちらはポーランド国境に面するフランクフルト・アン・デア・オーダーのオーケストラ。かつてバッハの息子カール・フィリップ・エマヌエルが若き日を過ごした街でもある。 指揮は同楽団の首席客演指揮者を務める浮ヶ谷孝夫。長くドイツを拠点に活動し、北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者を務めたほか、ハノーファー北ドイツ放送フィルやポーランドのポメラニアン・フィル等との録音も多い実力者である。 今回のツアーではドイツ音楽中心のプログラムが組まれた。とりわけ注目されるのは、福間洸太朗と共演する東京、佐賀、姫路の3公演。ベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲、ブラームスのピアノ協奏曲第2番、そしてブラームスの交響曲第1番(東京)またはベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」(佐賀、姫路)が演奏される。名曲中の名曲が並んだプログラムで、国際化が著しく進むメジャー・オーケストラとはひと味違った、ドイツ伝統の響きを聴かせてくれるのではないだろうか。世界で活躍するヴィルトゥオーゾ、福間のスケールの大きなソロにも期待が高まる。 そのほか、豊橋、京都、米子、松戸、川口でも公演が開催され、ソリストとして辻田薫り(ヴァイオリン)、吉田順子、山城裕子(以上ピアノ)が出演する。いずれも「英雄」を中心とした聴きごたえのあるプログラムだ。福間洸太朗 ©Mark Bouhiron新国立劇場 マスネ《ウェルテル》多感な詩人の愛と死――フランス・オペラの傑作を重厚なプロダクションで文:室田尚子3/19(火)18:30、3/21(木・祝)14:00、3/24(日)14:00、3/26(火)14:00 新国立劇場 オペラパレス問 新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999 https://www.nntt.jac.go.jp/opera/ ドイツの文豪ゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』を題材に、フランスの作曲家マスネが書いたオペラ《ウェルテル》は、《タイス》や《マノン》とならぶマスネの代表作のひとつ。新国立劇場では2016年に、トゥールーズ・キャピトル劇場芸術監督やパリ・オペラ座総監督を務めたニコラ・ジョエルの演出によって上演している。この時はタイトルロールを、これが日本での初オペラ出演となったディミトリー・コルチャックが歌い大好評を博した。 今回ウェルテルを歌うのはミラノ・スカラ座やパリ・オペラ座など世界の第一線で歌うサイミール・ピルグ。甘く柔らかい声の持ち主で、いわゆる「テノールらしいテノール」の声で歌われてこその役柄だけに、ピルグの登場に期待は高まる。さらにウェルテルが恋い焦がれる人妻シャルロットを、バイロイト音楽祭でも活躍する日本が生んだスター、藤村実穂子が歌うのも話題だ。ちなみに藤村はこれがロールデビューとなる。そのほか、シャルロットの婚約者アルベールに日本を代表するバリトン黒田博、シャルロットの妹ソフィーに日本が誇るプリマ幸田浩子が出演するのも見逃せない。 ジョエルの演出は、抑えた色調の衣裳や奥行きと重厚感のある装置によって、ゲーテの原作にあるドイツのプロテスタント特有の禁欲的な世界観が表現されたもの。日本では上演機会の多くないフランス・オペラだが、この再演によってフランス・オペラの魅力がさらに多くの人に伝わることを期待したい。2016年公演より 撮影:寺司正彦浮ヶ谷孝夫藤村実穂子 ©Edd Royalサイミール・ピルグ
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