eぶらあぼ 2019.2月号
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26GORO ITO meets KAORI MURAJI ~BOSSA NOVA Special Night~2/28(木)19:00 ヤマハホール問 ヤマハ銀座ビルインフォメーション03-3572-3171 https://www.yamahaginza.com/hall/伊藤ゴロー(ギター)& 村治佳織(ギター)銀座でボサノヴァを愉しむ素敵な一夜取材・文:片桐卓也Interview ボサノヴァ・ギタリスト、作・編曲家、アルバム・プロデューサーとして多彩な活躍をみせる伊藤ゴロー。彼が村治佳織を迎えて行うコンサート「GORO ITO meets KAORI MURAJI~BOSSA NOVA Special Night~」がヤマハホールで開催される。2017年にリリースされた伊藤プロデュースのアルバム『アーキテクト・ジョビン』に村治が参加したことから、このコンサートが生まれた。 1958年にブラジルで生まれたボサノヴァ。これまでにも本場ブラジルのミュージシャンや坂本龍一などと共演を重ねてきた伊藤。彼はボサノヴァの魅力をこんな風に語る。 「ボサノヴァの創始者と言われるアントニオ・カルロス・ジョビンは作曲家を目指していた人で、若い頃にはオーケストラ作品なども書いていました。クラシック、ジャズ、ショーロ、サンバなど様々な音楽の影響を取り入れて、彼はボサノヴァという新しいジャンルを作り出したのです。ジョビンが使っていたピアノの側には、ショパンやドビュッシーの楽譜も置いてありました。自由に色々な時代の音楽を取り入れたボサノヴァは“遊び心”に溢れたジャンルでもあり、とても開かれた音楽だと思います。ひとつのジャンルとして収めることのできない面白さがあり、ボサノヴァの中にフランス近代の音楽や北米のガーシュウィンの音楽を見つけ出すこともできるかもしれません」 そのボサノヴァに今回挑戦する村治佳織。 「ずっと聴き手として接してきたボサノヴァですが、クラシックの緊張感とは違うくつろぎ感があります。クラシックのコンサートは高揚感をもたらすでしょうが、ボサノヴァのコンサートは、終わった後に幸せな気持ちになることが約束されていると言っても良いかもしれません。弾き手としての自分も、年齢を重ねてきて、すごく頑張って演奏する時もあれば、時には肩の力を抜いて演奏することもあって良いと思います。今の自分なら自然に始められる音楽、それがボサノヴァですし、ようやくゴローさんと共演できることが今から楽しみです」 このコンサートでは伊藤と村治のデュオで演奏する曲もあれば、ストリングスが編成に加わる作品もある。編曲はすべて伊藤が担当。 「ストリングスはギターの単なる伴奏の役割ではなく、弦楽器同士、本当に対等なアンサンブルとして編曲をしたいと考えています。弦楽器には様々なリクエストが多くなるかもしれませんが、ギターとストリングスが入り組んでいく、そんな新しいアンサンブルが作れたら良いなと思っています」と伊藤はコンサートのコンセプトを説明する。村治も、「ギターって良い楽器ですよね、こんなに色々なことができますよと、ギターの可能性を開くような新しい挑戦ができると面白いと思います」。 村治は最新アルバム『シネマ』から「人生のメリーゴーランド」をソロで披露。それ以外の演奏作品は「薔薇に降る雨」「ユーリディスのワルツ」などが予定されているが、どんな作品が登場するかは当日のお楽しみだ。 「シンプルだけれども、複雑な味わいもあり、様々な挑戦ができるボサノヴァという音楽。その大人な魅力を味わってほしい」と伊藤。 333席のヤマハホールに素敵な夜が訪れる。村治佳織 ©Ayako Yamamoto伊藤ゴロー Photo:Takashi Homma
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