eぶらあぼ 2019.2月号
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1504月の見もの・聴きもの2019年4月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場◎4月1日 ヴェルディ:シモン・ボッカネグラ 指/P.オーギャン、演出/P.シュタイン、出/P.ドミンゴ、F.メーリ4月3日 A.ピエチョンカS4月4、8、11、15日 プッチーニ:ラ・ボエーム指/S.スカップッチ、演出/F.ゼッフィレッリ、出/B.イーメル、O.ベズスメルトナ◎4月5、7、10、13日 トロヤーン:オレスト[19年3月プレミエ] 指/M.ボーダー、演出/M.A.マレッリ4月6、9、12、16日 プッチーニ:トゥーランドット指/D.インドヤン、演出/M.A.マレッリ、出/A.スミルノヴァ、A.キム、D.アリエワ◎4月18、21、24日 ワーグナー:パルジファル指/V.ゲルギエフ、演出/A.ヘルマニス、出/M.ゲルネ、R.パーペ、S.オニール4月22、25、28日 R.シュトラウス:サロメ 指/M.ボーダー、演出/B.バルロク、出/G.B.バルクミン、M.マルクヴァルト4月23、26、29日 ベートーヴェン:フィデリオ指/A.フィッシャー、演出/O.シェンク、出/B.ジョヴァノヴィチウィーン・フォルクスオーパー[会場:無印=ウィーン・フォルクスオーパー(ウィーン)、(KS)=カジノ・アム・シュヴァルツェンベルクプラッツ(ウィーン)]4月1(19:00)、5(19:00)、8(19:00)日ベナツキー:天国の扉の前のアクセル 演出/P.ルント◎4月2(19:30)日 ワーグナー:さまよえるオランダ人[19年3月プレミエ] 演出/A.シュティール★◎4月6(19:00)、10(19:00)、14(16:30)、18(19:00)、23(18:30)、28(16:30)日 ベナツキー:姉さんとぼく[プレミエ] 指/G.マンクージ、演出/R.マイヤー、出/L.ハーバーマン、L.ペルマン4月7(19:00)、11(19:00)日 F.ロウ:マイ・フェア・レディ(ミュージカル)演出/R.ヘルツル4月13(19:00)、16(19:00)、22(18:00)、27(19:00)、30(18:30)日 R.ロジャース:サウンド・オブ・ミュージック(ミュージカル) 演出/R.ドゥセ★◎4月13(20:00)(KS)、14(20:00)(KS)、16(20:00)(KS)、17(20:00)(KS)、20(20:00)(KS)、22(20:00)(KS)、24(20:00)(KS)、25(20:00)(KS)、27(20:00)(KS)、28(20:00)(KS)日 T.アデス:パウダー・ハー・フェイス[プレミエ] 指/L.C.アイヒナー、演出/M.G.ベルガー4月17(19:00)、21(19:00)、26(19:00)、29(19:00)日 オッフェンバック:ホフマン物語演出/R.ドゥセ4月20(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり校訂演出/H.ツェドニクアン・デア・ウィーン劇場★◎4月14(19:00)、16(19:00)、18(19:00)、24(19:00)、26(19:00)、28(19:00)日 ヘンデル:オルランド[プレミエ] 指/G.アントニーニ、演出/C.グート、出/C.デュモー、A.プロハスカ、演奏/イル・ジャルディーノ・アルモニコ◎4月27(19:00)日 ヘンデル:リナルド(演奏会形式) 指/J.C.スピノージ、出/F.ミネッチャ、D.サヴィノヴァ、演奏/アンサンブル・マテウスウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(HAM)=エルプフィルハーモニー(ハンブルク)、(HAV)=クッペルザール[ハノーファー・コングレス・ツェントルム](ハノーファー)、(BER)=フィルハーモニー(ベルリン)]4月4(19:30)(KH)日 A.ネルソンス指揮ベートーヴェン:交響曲第4番、第5番「運命」4月6(15:30)、7(11:00)、8(20:00)(HAM)、9(20:00)(HAV)日 A.ネルソンス指揮 ベートーヴェン:交響曲第1番(6/7日のみ)、ピアノ・ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲、ベートーヴェン:交響曲第2番(6/7日)/第5番「運命」(8/9日) 独/R.ブッフビンダーp、A.ダナイローヴァvn、T.ヴァルガvc◎4月12(20:00)(BER)日 D.バレンボイム指揮 → 〔フェストターゲ2019〕参照4月27(15:30)、28(11:00)日 C.エッシェンバッハ指揮 C.メイソン:Eternity in an hour(世界初演)、ブルックナー:交響曲第2番(第2版・1877年)ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(ESS)=フィルハーモニー(エッセン)、(MUC)=フィルハーモニー[ガスタイク](ミュンヘン)、(MHM)=モーツァルトザール[ローゼンガルテン](マンハイム)、(AIX)=グラン・テアトル・ドゥ・プロヴァンス(エクサン・プロヴァンス)](主要公演のみ)4月3(19:30)(MV)、4(19:30)(MV)、5(19:30)(MV)、8(20:00)(ESS)、9(20:00)(MUC)、10(20:00)(MHM)日 L.シャニ指揮 ブラームス:交響曲第3番、モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番、リスト:前奏曲 独/K.ゲルシュタインp(3/4/5日)/K.アームストロングp(8/9/10日)4月15(20:30)(AIX)、20(19:30)(KH)、21(19:30)(KH)日 L.シャニ指揮(エクサン・プロヴァンス復活祭音楽祭(15日)/ウィーンの春(20/21日)) デュカス:魔法使いの弟【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 まずは、4月の「復活祭音楽祭」から。「ザルツブルク復活祭音楽祭」は、言うまでもなく、ティーレマンの指揮とシュターツカペレ・ドレスデンの演奏が中心で、今年のメイン・オペラはワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。ティーレマンの指揮とともにフォークトの歌うヴァルターが人気となろう。オーケストラ・コンサートにはティーレマンの他にヤンソンス、エッシェンバッハ等が登場。ヴァイオリニストであるツィンマーマンの弾き振りもある。ベルリンの「フェストターゲ」は、バレンボイムの指揮とシュターツカペレ・ベルリンの演奏が中心。今年のメイン・オペラにはプロコフィエフの「修道院での結婚」というあまり上演機会のない作品が選ばれた。また、この音楽祭でもワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」が上演されるが、これは、本来、ベルリン州立歌劇場のリオープンに合わせて上演されるはずだったプロダクション。普通は脇役歌手が歌うマイスタージンガーたちに、クラーク、イェルザレム、ゴルトベルク、マツーラ、ベーアといったかつての主役ワーグナー歌手を並べた祝祭感満点の上演だ。 「バーデン=バーデン復活祭音楽祭」はベルリン・フィルの主催公演だが、次期常任指揮者のキリル・ペトレンコはオーケストラ公演を2回振るだけで、メイン・オペラであるヴェルディ「オテロ」の指揮台にはメータが上がる。また、ムーティが振るヴェルディ「レクイエム」もある。「ルツェルン復活祭音楽祭」では、クルレンツィス指揮の同じくヴェルディ「レクイエム」、ハイティンク指揮バイエルン放送響のブルックナー交響曲第6番あたりが要注目。意外に注目されない「エクサン・プロヴァンス復活祭音楽祭」には、ルツェルンと同じクルレンツィスのヴェルディ「レクイエム」の他、ヤノフスキ指揮バーゼル響のブラームス「ドイツ・レクイエム」、コルボ指揮のバッハ「マタイ受難曲」など、マニア好みの注目公演も並んでいる。 音楽祭以外の注目公演としては、キリル・ペトレンコがローマ・サンタ・チェチーリア国立管でベートーヴェンの「第九」、RAI国立響(トリノ)でベートーヴェンの「英雄」とR.シュトラウスの「英雄の生涯」を組み合わせた「英雄」プロを演奏する異色公演が面白そう。また「復活祭」の季節ならではのバッハの受難曲公演も多いが、中では、ラトル指揮エイジ・オブ・エンライトメント管、ロト指揮ケルン・ギュルツェニヒ管、クリスティ指揮レザール・フロリサン、及びロイヤル・コンセルトヘボウ管の「ヨハネ受難曲」、サヴァール指揮ル・コンセール・ナシオン他の「マタイ受難曲」、前述のコルボ指揮の「マタイ受難曲」あたりが要注目。 これ以外では、相変わらず古楽系の注目公演が続くアン・デア・ウィーン劇場のヘンデル「オルランド」と「リナルド」、ベルリン・ドイツ・オペラのグラネルトの「Oceane(海)」、ベルリン古楽アカデミー演奏のC.P.E.バッハの受難カンタータ、ハンブルク州立歌劇場のベンジャミンの「愛と暴力の教え」、ケント・ナガノ指揮ハンブルク・フィルのマーラー「復活」、ドレスデン・ゼンパーオーパーのラモー「プラテー」、ライプツィヒ歌劇場のワーグナー「リング・ツィクルス」、シュトゥットガルト歌劇場のアダムズ「中国のニクソン」、ミラノ・スカラ座のR.シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」、テアトロ・レアルのヴェルディ「ファルスタッフ」、パリ・オペラ座のショスタコーヴィチ「マクベス夫人」、パリ・シャンゼリゼ劇場のリュリ「アルミード」やヘンデル「セメレ」、マスネ「マノン」、イザベル・ファウスト演奏のバッハ無伴奏、ボルドー国立歌劇場でのマスネ「マノン」(ミンコフスキ指揮)など、いずれも見逃せない要注目公演だ。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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