eぶらあぼ 2019.1月号
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742019.4/7(日)14:00 東京文化会館(小)問 東京音協03-5774-3030https://t-onkyo.co.jp/住谷美帆(サクソフォン) デビュー・アルバム『プロムナード』発売記念コンサートサクソフォンの常識が変わる!文:柴田克彦イリヤ・ラシュコフスキー 「これまでいなかった本格派女性クラシカル・サクソフォニスト、ついに登場!」の惹句を見て意外な気もしたが、確かにそうだ。名手はいるがクラシック系のソリストとなれば、この住谷美帆が現れるまではなかなかお目にかかれなかった。2018年に東京藝大を首席卒業した彼女は、在学中にN響ツアーの「展覧会の絵」のソロパートに抜擢され、18年7月にスロヴェニアの国際サクソフォンコンクールで初の女性優勝者となった話題の逸材。このほどデビュー・アルバム『プロムナード』(キングレコード)をリリースし、4月に発売記念コンサートを行う。プログラムは、ソプラノからバリトンまで4本の楽器を駆使した「展覧会の絵」、超絶技巧のカデンツァを含めた速吹きで驚嘆させるショパンの練習曲、美しい歌で酔わせるシューベルトの即興曲等のCDに収録された演目をはじめ、興味津々の楽曲ばかり。共演の12年浜松国際ピアノコンクールの覇者イリヤ・ラシュコフスキーのピアノも期待を盛り上げる。高い技術はもとより、しなやかな歌い回しと稀有の表現力をもつ住谷の演奏に、管楽器ファンならずともぜひ触れてみたい。2019.1/12(土)14:00 東京/音楽の友ホール1/13(日)13:00 京都/青山音楽記念館バロックザール問 プロアルテムジケ03-3943-6677 https://www.proarte.jp/クリス・ゲッカー(トランペット) マスタークラス/コンサート甘い音色と一流の指導、まさに一挙両得の機会文:柴田克彦 クリアで甘いトーンや華麗なテクニックと、卓越した指導を一挙に享受できるのが、クリス・ゲッカーの「トランペット マスタークラス/コンサート」だ。 彼は、ニューヨーク・タイムズ紙に「輝かしいヴィルトゥオーゾ」と賞されたアメリカ屈指の名手。演奏面では、アメリカン・ブラス・クインテットのメンバーを18年間務め、セントルークス管、オルフェウス室内管の首席奏者、ニューヨーク・フィル等の客演首席奏者として活躍しているほか、テレビや映画の音楽、30を超える録音など、幅広い活動を行っている。指導面では、コロンビア大音楽学部の教授を務め、ジュリアード音楽院ほか多数の学校で教えているだけでなく、数々の教本でも有名。教え子の多くが世界中で活躍している。 今回はそんな彼の両面の凄さを知る貴重な機会。演目に挙がっているアメリカの作曲家エリック・イウェイゼンのソナタ第2番の世界初演も、同作曲家のソナタ第1番の演奏が絶賛を博しているので期待していい。共演は管楽器奏者からの信頼厚い大堀晴津子(ピアノ)。管楽器愛好家やトランペットに興味ある方は、ぜひご注目あれ!2019.1/12(土)、1/14(月・祝)各日14:00 八王子市南大沢文化会館問 八王子市学園都市文化ふれあい財団042-621-3005 http://www.hachiojibunka.or.jp/南大沢コミュニティオペラ2019 J.シュトラウスⅡ《こうもり》地域密着! プロと市民が一体となった手づくりのオペラ文:東端哲也村上敏明 八王子市の南大沢文化会館を拠点にプロのアーティスト、市民や学生が一体となって制作する毎年恒例の手づくりオペラ。2019年にとりあげるのはウィンナ・オペレッタの代表作であり、ワルツとポルカの天才J.シュトラウスⅡによるウキウキするようなリズムと甘い旋律がふんだんに散りばめられた《こうもり》。今回も芸術監督でアルフレード役を演じるテノールの村上敏明を筆頭に、抜群の演技力を誇り台本・訳詞も手掛ける才媛、渡邊史、ロザリンデ役の佐田山千恵、アデーレ役の藤原唯ら実力派キャストが集結。ピアノ・ヴァイオリン版だが音楽監督の江澤隆行によるオーケストラに匹敵するサウンドと、優雅でコミカルなYuriko Dance Artsのバレエが手堅い本格派。親しみやすい日本語上演なのも嬉しい。公演終了後に出演者・演出家がオペラの裏話を披露するアフタートークも楽しみだ。2月17日にはアンダースタディの若手キャストによるミニ公演も予定されている。住谷美帆
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