eぶらあぼ 2019.1月号
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60びわ湖ホール声楽アンサンブル「バロック声楽作品の精華」第68回定期公演 2019.2/9(土)14:00 びわ湖ホール(小)東京公演 vol.10 2019.2/11(月・祝)14:00 東京文化会館(小)問 びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 https://www.biwako-hall.or.jp/本山秀毅(指揮)バロック声楽曲の傑作を名匠の指揮で聴く悦び取材・文:横原千史Interview 関西合唱界の第一人者、本山秀毅が、桂冠指揮者を務めるびわ湖ホール声楽アンサンブルの2月の定期公演と東京公演を指揮する。本山はバッハ演奏の大家でもあり、主宰する京都バッハ合唱団は創立30周年を迎え、大阪チェンバーオーケストラを加えた「バッハアカデミー関西」の活動は20年近くになる。この団体は「年に4回演奏会があり、バッハのカンタータ全曲シリーズは全体の5分の4ほど済みました」という。本山のバッハ傾倒は、フランクフルト音大留学中の師匠ヘルムート・リリングの薫陶が大きいと語る。 「リリングはGesprӓchskonzert(解説付き演奏会)を盛んに行い、一種の啓蒙的アプローチとして、単にレクチャーだけでなく、台本の修辞学的な側面や音楽的に優れた点を部分演奏しながら、バッハをどう捉えるべきかを問題提起します。ありふれた解説ではなく、一段高い次元の概念を示し、バッハの響きの奥にあるものを演奏と共に提示していました」 本山は師匠に倣ってバッハ演奏会でレクチャーを行い、好評を得ている。今回びわ湖ホール声楽アンサンブルと取り上げるカンタータ第70番も解説付きで、演奏ともども楽しみである。 バッハ以外で好きな作曲家を問うと、即座に「モンテヴェルディ。彼は巨人です」と返ってきた。今回のプログラムの候補に「聖母マリアの夕べの祈り」も挙がっていたそうだ。これまでびわ湖ホール声楽アンサンブルとは歌劇《オルフェオ》と《ポッペアの戴冠》を取り上げたという。今後は、モンテヴェルディの「夕べの祈り」や歌劇《ウリッセの帰還》などを聴いてみたいものだ。今回の「バロック声楽作品の精華」での選曲は、モンテヴェルディに続く、イタリア・バロックのヴィヴァルディの「グローリア」がメインとなる。 「この曲はアマチュアもよく取り上げる平易な曲ですが、本格的な演奏で、ヴィヴァルディが指導していたヴェネツィアのピエタ養育院の響きの感じを出したいと思います。びわ湖ホール声楽アンサンブルはクオリティが高く、自発性に富んでいる。さすがと思わせる演奏にしたい」 ぜひとも彼らの力量をみせつけて欲しい。その前に歌われるヘンデル「主は言われた」は、作曲者弱冠22歳のローマ時代の作品で、「ヴィヴァルディに繋がる作品であり、イタリアの宗教曲らしく、耳から入ってくる響きの鮮烈さを出せれば」という。本山の首尾一貫したコンセプトのプログラムで、卓越したびわ湖ホール声楽アンサンブルと、彼が学長を務める大阪音楽大学が擁するザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団の演奏に、ますます期待は高まる。第481回 日経ミューズサロン シプリアン・カツァリス ピアノ・リサイタルさらに進化を遂げたヴィルトゥオーゾが30回目の来日文:笹田和人 超絶技巧と知性を併せ持つ、薫り高いプレイで聴衆を魅了する名匠シプリアン・カツァリス。我が国で最も高い支持を得ているピアニストの一人だろう。それだけに来日も数多く、今回で記念すべき30回目に。日経ミューズサロンでのステージでは、自身の音楽人生を凝縮させた名旋律の数々を紡ぐ。 1951年、フランス・マルセイユ生まれ。パリ音楽院在学中から頭角を現し、66年にデビュー。エリーザベト王妃やチャイコフスキー、ジョルジュ・シフラな2019.2/19(火)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5281-8067http://www.nikkei-hall.com/©Carole Bellaïcheど、難関の国際コンクールで入賞・優勝の実績を重ね、世界的奏者へ。92年に放映されたNHK『ショパンを弾く』では、自身の音楽創りの奥義を披露。日本での人気が、いっそう高まった。 今回のリサイタルは、シューマン「子供の情景」をはじめ、大切に弾き続けてきた珠玉のピアノ作品の佳品を。さらに、自らの編曲によるビゼーの歌劇《カルメン》からの名旋律や、サン=サーンス「動物の謝肉祭」のピアノ独奏版も披露。卓越した作・編曲家としての一面も投影する。

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