eぶらあぼ 2019.1月号
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1763月の見もの・聴きもの2019年3月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場3月3、5日 ドニゼッティ:愛の妙薬 指/M.アルミリアート、演出/O.シェンク、出/A.カロル、F.メーリ、A.プラヘトカ3月4、7、9日 モーツァルト:フィガロの結婚指/S.ゲッツェル、演出/J.L.マルティノーティ3月10、14、17日 モーツァルト:ドン・ジョヴァンニ指/A.マナコルダ、演出/J.L.マルティノーティ、出/R.ヴィリャソン3月11、15、18、23日 マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ/レオンカヴァッロ:道化師 指/G.サグリパンティ、演出/J.P.ポネル、出/〔カヴァレリア・ルスティカーナ〕E.ガランチャ/〔道化師〕F.サルトーリ3月13日 L.ヌッチBr 共/J.ヴォーアンp3月21、24、27、30日 R.シュトラウス:ばらの騎士 指/A.フィッシャー、演出/O.シェンク、出/A.ピエチョンカ、P.ローズ◎3月22、25、29日 ヴェルディ:シモン・ボッカネグラ 指/P.オーギャン、演出/P.シュタイン、出/P.ドミンゴ、F.メーリ★◎3月31日 M.トロヤーン:オレスト[プレミエ]指/M.ボーダー、演出/M.A.マレッリ、出/T.J.マイヤー、E.ヘルリツィウスウィーン・フォルクスオーパー3月1(19:00)、3(19:00)、7(19:00)、11(19:00)日バーンスタイン:ワンダフル・タウン(ミュージカル)[18年12月プレミエ] 演出/M.ダヴィッズ3月2(19:30)、8(19:30)、13(11:00)日 M.リー:ラ・マンチャの男(ミュージカル) 演出/O.タンボシ3月4(19:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 校訂演出/H.ツェドニク★◎3月9(19:30)、12(19:30)、16(19:30)、22(19:30)、25(19:30)、29(19:30)日 ワーグナー:さまよえるオランダ人[プレミエ]指/M.ピオレ、演出/A.シュティール3月15(19:00)、20(19:00)、28(19:00)日ベナツキー:天国の扉の前のアクセル 演出/P.ルント3月21(18:30)、24(18:00)、26(18:30)日H.アーレン:オズの魔法使い(ミュージカル)演出/H.マソン3月30(19:00)日 F.ロウ:マイ・フェア・レディ(ミュージカル) 演出/R.ヘルツルアン・デア・ウィーン劇場★3月16(19:00)、18(19:00)、20(19:00)、23(19:00)、25(19:00)、27(19:00)日 チャイコフスキー:オルレアンの少女[プレミエ]指/O.リニフ、演出/L.デ・ベール、演奏/ウィーン響◎3月22(19:00)日 ウェーバー:魔弾の射手(演奏会形式) 指/L.エキルビー、演奏/スンスラ・オーケストラ◎3月26(19:00)日 ヴィヴァルディ:狂乱のオルランド(演奏会形式) 指/G.ペトルー、出/M.E.チェンチッチ、J.レジネヴァ、演奏/アルモニア・アテネウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(NY)=カーネギー・ホール(ニューヨーク)]3月2(20:00)(NY)日 A.フィッシャー指揮ベートーヴェン:レオノーレ〜序曲第3番、バルトーク:2つの肖像、ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」3月3(14:00)(NY)日 A.フィッシャー指揮ハイドン:交響曲第97番、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」、交響曲第41番「ジュピター」 独/L.カヴァコスvn◎3月5(20:00)(NY)日 M.T.トーマス指揮アイヴズ:ホリデイ・シンフォニー「ニューイングランドの祝祭日」〜第2曲「戦没将兵記念日」、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、ブラームス:交響曲第2番 独/I.レヴィットp3月6(20:00)(NY)日 M.T.トーマス指揮マーラー:交響曲第9番3月15(19:30)、16(15:30)、17(11:00)日D.バレンボイム指揮 プロコフィエフ:古典交響曲、マーラー:交響曲第1番「巨人」3月29(19:30)、30(15:30)、31(11:00)日A.ネルソンス指揮 ベートーヴェン:交響曲第4番、第5番「運命」ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)](主要公演のみ/アン・デア・ウィーン劇場でのオペラ伴奏公演は省略)3月1(19:30)(MV)日 A.アルティノグリュ指揮 リスト:ゆりかごから墓場まで、ピアノ協奏曲第2番、プロコフィエフ:アレクサンドル・ネフスキー 独/N.グビシュMs、D.マツーエフp◎3月8(19:30)(KH)、10(19:30)(KH)日J.フルシャ指揮 ベートーヴェン:交響曲第1番、エルガー:チェロ協奏曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 独/N.アフナジャリャンvc3月22(19:30)(MV)、24(19:30)(MV)日G.ヒメノ指揮 デュティユー:5つのメタボール、サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番、シューマン:交響曲第2番 独/H.クリーフvc3月28(18:30)(KH)、29(19:00)(KH)日J.ヴァルチュハ指揮[フライデーズ@7(29日)]プロコフィエフ:3つのオレンジへの恋(組曲)、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番3月31(11:00)(KH)日 J.ヴァルチュハ指揮プロコフィエフ:3つのオレンジへの恋(組曲)、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番、プロコフィエフ:交響曲第3番 独/A.ガヴリリュクp、司会/B.レット【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 2019年の復活祭は4月だが、バッハの受難曲やワーグナーの「パルジファル」には、3月からすでに注目公演が散見される。 まず、バッハの受難曲。サイモン・ラトルが、早くも古巣ベルリン・フィルに客演して、その在任中にも話題を提供したピーター・セラーズ演出による演出付の「ヨハネ受難曲」を上演する。ウィリアム・クリスティもレザール・フロリサンを率いて同曲のスペイン・ツアーを行う。また、古楽系若手注目株のラファエル・ピションが、手兵のアンサンブル・ピグマリオンと共にケルンのフィルハーモニーやフランクフルトのアルテオーパーでバッハの「ロ短調ミサ」を演奏する。 一方、ワーグナーの「パルジファル」は、キリル・ペトレンコ指揮によるバイエルン州立歌劇場での再演公演がある。今回のパルジファル役はヨナス・カウフマンからブルクハルト・フリッツに変更されているので、カウフマン・ファンにとっては残念かもしれないが、チケットはかなり取りやすくなったのではないか。なお「パルジファル」公演と前後してグルベローヴァ出演のドニゼッティ「ロベルト・デヴリュー」もある。 復活祭を離れると、すでに言及したラトルが、ベルリン・フィルで、シューマンの交響曲第2番を振る他、珍しくもチェコ・フィルに客演してマーラー「大地の歌」を演奏する。ペトレンコの方も、ベルリン・フィルに登場して、コパチンスカヤをソリストとしたシェーンベルクのヴァイオリン協奏曲を演奏する。 オーケストラでは、他に、ヘンゲルブロックがチューリッヒ・トーンハレ管に客演して、メンデルスゾーン「エリア」、ロイヤル・コンセルトヘボウ管に客演してシューベルト「ザ・グレイト」を振る。最近絶好調のフルシャは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管を指揮してヤナーチェクやプロコフィエフを演奏。ソプラノのハンニガンが自ら指揮台にも立つミュンヘン・フィルやロンドン響も要注目。大野和士指揮バルセロナ響のベートーヴェン「第九」、小曽根真(ピアノ)の出るフランス国立放送フィル、パリのフィラルモニーで公演を行うソヒエフ指揮ボリショイ劇場管、老匠ハイティンク指揮のロンドン響、クルレンツィス指揮ムジカエテルナのヴェルディ「レクイエム」(ケルンやパリで公演)、サロネン指揮フィルハーモニア管のアメリカ・ツアーなど注目公演も多種多彩。 オペラでは、ウィーン国立歌劇場のトロヤーン「オレスト」、ベルリン州立歌劇場のヴィトマン「バビロン」、エッセン歌劇場のライマン「メデア」、シュトゥットガルト歌劇場のヘンツェ「ホンブルクの王子」といった現代オペラのプレミエ公演の他、ウィーン・フォルクスオーパーとライプツィヒ歌劇場でのワーグナー「さまよえるオランダ人」のプレミエ、アン・デア・ウィーン劇場のヴィヴァルディ「狂乱のオルランド」、ベルリン・コーミッシェ・オーパーのヘンデル「インド王ポーロ」といった古楽系、ドレスデン・ゼンパーオーパーのスメタナ「売られた花嫁」、ケルン歌劇場のドヴォルザーク「ルサルカ」、フランクフルト歌劇場のスメタナ「ダリボル」などのチェコ作品、チューリッヒ歌劇場でルイージの振るリゲティ「グラン・マカーブル」やR.シュトラウス「ばらの騎士」(もちろんキャンセルがなければネルロ・サンティの振る「ルチア」も)、ベルリン・コーミッシェ・オーパーの「タンゴ・フェスティバル」、ベルリン・ドイツ・オペラのツェムリンスキー「こびと」やフランクフルト歌劇場のシュレーカー「はるかなる響き」等々の他、オペラ・コミークのアダン「ロンジュモーの郵便屋」など、普段めったに聴けない演目も興味深い。ミラノ・スカラ座の「チェネレントラ」に登場するクレバッサも今まさに旬のメゾソプラノ。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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