eぶらあぼ 2018.12月号
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90CD『オーボエとイングリッシュ・ホルンのために』マイスター・ミュージックMM-4045 ¥3000+税11/24(土)発売和久井 仁池田昭子(オーボエ)& 和久井 仁(イングリッシュ・ホルン)3つの音だけで奏でる“小さなシンフォニー”取材・文:宮本 明Interview 人気オーボエ奏者・池田昭子の新譜は、オーボエとイングリッシュ・ホルンのための三重奏を集めた室内楽アルバム。新日本フィル首席奏者・金子亜未を第2オーボエに、N響の同僚である和久井仁をイングリッシュ・ホルンに迎えた強力布陣。池田と和久井に聞いた。 オーボエ2本とイングリッシュ・ホルンの三重奏は、オーボエ奏者たちにはおなじみの編成。古典派を中心に様々な作品があるが、このアルバムのメイン曲であるベートーヴェンの「三重奏曲 ハ長調」は、その代表曲だ。池田「木管楽器のための室内楽作品で、これだけ大規模な曲はあまりありません」和久井「もっと大きな編成に編曲しても面白いんじゃないかというぐらい。これはもう、小さなシンフォニーです。すごいなと思うのは、ベートーヴェンがそれを3つの音だけで表現しているということ。オーボエは重音も使えないので、本当に3つの音だけ。それなのにここまで充実した音楽を書けるというのがすごいですね」 それだけに、実力派の彼らにとってもかなりの難曲だ。池田「以前吹いて、難しくて大変というイメージだったのですが、今回、『こうだよね』という理解が自然に沸き起こってきたのが、自分でもうれしかったですね。年齢を重ねて、オーケストラでもたくさんの指揮者とベートーヴェンを演奏した経験の蓄積が生きているのだと思います」和久井「誘ってもらって、やや悩みました。大事なレパートリーなので、自分のやりたいことがきちっとできるかどうか。でもイングリッシュ・ホルンは負担も大きい楽器ですし、吹き切れる年齢のうちに録音できてよかったです」 カップリングは20世紀の作品。池田「古典派の作品ばかり集めるよりは、異なるキャラクターのものを入れたほうが、興味を持って聴いていただけますから。難解な現代音楽ではなく、聴きやすいものを選んでいます」 次代を担う若手オーボエ奏者の筆頭格である金子は、受験生から学生の時代に、池田にも和久井にも師事していた時期があった。池田「この編成だと2番オーボエが一番大変なんです。首席奏者の金子さんに2番をお願いするのはちょっと気が引けたのですが、二つ返事でOKしてくれました。そしてN響で一緒に演奏させていただいているのでツーカーな部分も多い和久井さん。やりたい放題の私にお二人がついてきてくださり、なにより音を出してわかり合えたのが本当にハッピーで、すごくいいアルバムができたと感じています」12/23(日・祝)15:00 神奈川県民ホール(小)問 チケットかながわ0570-015-415http://www.kanagawa-kenminhall.com/エルワン・ル・プラド & 青木早希 オルガン・クリスマスコンサート二人のオルガニストが奏でる調べとともにクリスマスを祝う文:笹田和人青木早希 “フランスで最も美しい”とされるゴシック大聖堂を舞台に、2年に一度開かれているシャルトル国際オルガンコンクール。この世界最高峰とされるオルガンの登竜門で、共に覇者となったエルワン・ル・プラドと青木早希が、「4手・4足・2心」による、夫婦ならではの息の合ったデュオを聴かせる「オルガン・クリスマスコンサート」を開く。 パリ国立高等音楽院などに学び、マリー=クレール・アランの薫陶を受け、2000年にシャルトルで優勝した、エルワン・ル・プラド。一方の青木は東京藝大・同大学院で鈴木雅明に師事、フランスで研鑽を積み、08年にシャルトルで優勝を果たした。今回は、マリー・アントワネットの師バルバストルの「小さな天使」など古典から、バルトークなど近現代まで、幅広い時代の佳品を披露する。 「それぞれの作品には、聖母マリアや天使など各々の登場人物があります」と2人。「移り変わる神聖な人物たちに、温かな命を吹き込む。それが、今回の私たちの使命です。万華鏡のような景色を眺めつつ、時を超えた長い旅に出ましょう!」とメッセージを寄せている。池田昭子 ©Yasuhisa Yonedaエルワン・ル・プラド

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