eぶらあぼ 2018.12月号
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73第57回大阪国際フェスティバル20194オケ・スペシャル~佐渡 裕&4楽団合同オーケストラ~大阪“4オケ”全員が出演する圧巻のステージ文:横原千史2019.4/20(土)15:00 フェスティバルホール 11/25(日)発売問 フェスティバルホール チケットセンター06-6231-2221 http://www.festivalhall.jp/ 大阪国際フェスティバルの「大阪4大オーケストラの響演」は、例年4つのオケ(大阪響、大阪フィル、関西フィル、日本センチュリー響)が腕比べをするような名物企画であるが、2019年は特別企画として、合同演奏のかたちで大作に取り組む。指揮を執るのは佐渡裕。佐渡は兵庫県立芸術文化センター芸術監督として、オペラと演奏会で活躍。高い演奏水準と旺盛な集客力で大成功に導いた。15年にはウィーンのトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督に就任し、さらに活動領域を広げている。佐渡はバーンスタインの弟子で、師同様、大編成の作品に滅法強い。長年にわたり毎年「1万人の第九」の名演の立役者になっているのは言うまでもない。 今回の演目は、そんな佐渡にぴったりのホルスト「惑星」とR.シュトラウス「アルプス交響曲」。演奏者数は「惑星」110人、「アルプス交響曲」130人の予定で、4大オケ楽団員全員がどちらかで演奏することになる。基本的に重複はない。「惑星」には大阪府立夕陽丘高等学校音楽科の合唱80人が加わる。来年はシュトラウスの没後70年で、4大オケは「とことんリヒャルト・シュトラウス」と銘打って、定期演奏会などでシュトラウス作品を積極的に取り上げる。今回の「アルプス交響曲」はその目玉ともなるだろう。 開演前30分のファンファーレ、アンサンブル演奏、プレトークや終演後のチケット・プレゼント抽選会も楽しみだ。佐渡裕と4大オケ合同の名手たちが、いかに豪華絢爛なサウンドをフェスティバルホールに響かせてくれることか、今から期待に胸が高鳴る。佐渡 裕 ©Jun Yoshimuraウィーン・サロン・オーケストラ ニューイヤーコンサート2019現代に息づくシュトラウス・ファミリーのDNA文:宮本 明2019.1/14(月・祝)14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 プロ アルテ ムジケ03-3943-6677 http://www.proarte.jp/※ウィーン・サロン・オーケストラの全国ツアーの日程は上記ウェブサイトでご確認ください。 新年のクラシック・ファンの大きな楽しみは、ワルツやポルカ、オペレッタの名曲が華やかに彩るウィーンの音楽だ。毎年国内外のさまざまなアーティストたちがウィーンの香りを運んでくれる。本場ウィーンからやってくるオーケストラもあとをたたないが、その大本命のひとつが、ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団のメンバーらが集って1994年に結成されたウィーン・サロン・オーケストラであるのは間違いない。 彼らの本拠は、ウィーン市立公園内にある「クアサロン」。世界中からウィーンを訪れる人々に、本物のウィーン音楽を、本場の雰囲気で提供しようというコンセプトを活動の基盤にしている。そのエンタテインメントに振り切った姿勢や、音楽芸術監督でコンサートマスターのウド・ツヴェルファーが弾き振りする伝統のスタイルは、まさに19世紀のシュトラウス ・ファミリーのDNAだ。なにより、ウィーン音楽だけに特化して年間300回を超えるコンサートを開催しているのだから、その洗練ぶりには年季が入っている。 気軽に楽しめるワルツやポルカはもちろん、オペラ歌手やバレエダンサーも出演する。そして、モーツァルト演奏の第一人者・久元祐子を独奏に迎えて、モーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」も聴かせてくれるのだから、本格好みの耳の肥えたファンも大いに満足できるはず。2019年の成人の日は東京オペラシティで「ウィーン」に浸ろう。ウィーン・サロン・オーケストラ久元祐子 ©酒寄克夫ウド・ツヴェルファー
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