eぶらあぼ 2018.12月号
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60キエフ・バレエ『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『シンデレラ』 伝統と格式を誇る名門バレエ団による三大傑作文:上野房子『くるみ割り人形』 12/23(日・祝)13:00 東京国際フォーラム ホールA『白鳥の湖』    12/24(月・休)12:00 17:00 東京文化会館『シンデレラ』   12/27(木)14:00 19:00 東京文化会館※全国ツアー、配役の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。問 光藍社チケットセンター050-3776-6184 http://www.koransha.com/ 昨年、劇場創立150周年を記念し、歌劇場のオペラやオーケストラと共に日本公演を行った名門「キエフ・バレエ」が今季も来日し、師走の東京・横浜・市川ほか全国を巡演、古典らしさを前面に出した3つの全幕作品を上演する。 『白鳥の湖』は、万人に愛される不朽の古典バレエ。キエフの“顔”として30年にわたり観客を魅了してきたエレーナ・フィリピエワと、同団を支える実力派バレリーナ、カテリーナ・カザチェンコ、オレシア・シャイターノワが日替わりで主演し、純真な白鳥オデットと妖艶な黒鳥オディールを踊り分ける。 『くるみ割り人形』は、少女クララがクリスマスにおとぎの国を訪れ、プリンセスに変身する夢を、チャイコフスキーの甘美な音楽にのせて描いたファンタジックなバレエ。主役に起用された、美しいスタイルと安定したテクニックを併せ持ったアンナ・ムロムツェワやオレシア・シャイターノワをはじめとする、若手ならではの可憐な演技が楽しみだ。 『シンデレラ』は、元芸術監督リトヴィノフの振付・演出による。昨今、意表を突く斬新なバージョンが少なくないが、本作はオーソドックスな演出で、観客をシンデレラ・ストーリーの世界に誘っていく。新人時代にこのバレエに主演して一躍、脚光を浴びたフィリピエワがもう一人の主役である仙女役を演じ、シンデレラ役の若手バレリーナと共演するキャスティングも興味深い。 今をときめくザハーロワやサラファーノフ、ポルーニンといったスターを輩出してきたウクライナの老舗バレエ団の今を見届けたい。『シンデレラ』より東京芸術劇場 海外オーケストラシリーズジョナサン・ノット(指揮) スイス・ロマンド管弦楽団新音楽監督が名門オーケストラを引き連れて待望の来日文:山田治生2019.4/13(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 http://www.geigeki.jp/ ジョナサン・ノットが2017年1月から音楽監督を務めるスイス・ロマンド管弦楽団との初めての来日公演を行う。ノットは、バンベルク交響楽団の首席指揮者を15年以上務めた後、現在、スイス・ロマンド管と東京交響楽団の音楽監督、ユンゲ・ドイチェ・フィルの首席指揮者を兼務している。近年では、ウィーン・フィルとマーラーの交響曲「大地の歌」(共演はヨナス・カウフマン)のCDを録音するなど、目をみはる活躍ぶりである。 東京芸術劇場での公演では、マーラーの交響曲第6番「悲劇的」とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を披露する。ノットは、バンベルク響とマーラーの交響曲全集の録音を残すなど、現代を代表するマーラー指揮者の一人といえる。その演奏の特徴は、知と情の絶妙のバランスにある。東響とも音楽監督就任披露演奏会での交響曲第9番を手始めに、第2番、第3番、第8番などを取り上げているが、第6番はまだなので、興味津々である。スイス・ロマンド管はちょうど100年前の1918年にアンセルメによって創設された伝統の楽団。フランス語圏のオーケストラだけにその色彩豊かな演奏が楽しみだ。 メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲で独奏を務める辻彩奈は、2016年のモントリオール国際音楽コンクールで第1位を獲得した俊才。1997年生まれで、現在は東京音楽大学で特別特待奨学生として学んでいる。期待の新星と名門オーケストラとの共演にも注目したい。辻 彩奈 ©Warner Classicsジョナサン・ノット ©Enrique Pardo

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