eぶらあぼ 2018.12月号
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215コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報ぶらPAL今月の注目公演公演情報大切な人と味わいたいステージだ。ホールアドバイザー松居直美の企画による「クリスマス・コンサート」は、聖夜に上演される劇として、アメリカで古くから親しまれているヘンリー・ヴァン・ダイクの「もう一人の博士」を、言葉と音楽によるファンタジーに仕立てて。松居のオルガンとソプラノ鈴木美紀子が紡ぐ調べ(作・編曲:松岡あさひ)に乗せて、俳優の奥野晃士と宮城嶋遥加が、心温まる物語を綴ってゆく。監修は宮城聰。東京藝大からジュリアード音楽院に学び、数々の登竜門で実績を重ね、現代音楽を主なフィールドとして先鋭的な活動を展開する、ヴァイオリンの野口千代光。今回のテーマは、バルトーク。無伴奏ソナタで始め、ピアノ江口玲とのソナタ第1番、ヴァイオリン山﨑貴子との「44のデュオ」からの抜粋、江口にクラリネット亀井良信が加わっての「コントラスツ」、多彩な共演者と「厳しい緊張感の世界」(野口)へと肉薄してゆく。本場オランダに学び、ソリストや主要アンサンブルの通奏低音奏者として活躍するチェンバリスト、辰巳美納子。今回は、10月に発表したアルバムでも好評の、フレスコバルディの佳品を核に。複数の調性で純正に近い響きを得るために考案された分割鍵盤チェンバロを駆り、メールロやトラバーチ、ロッシ、ピッキと、黄金にも例えられるほど眩い輝きを放つ、17世紀初頭の鍵盤音楽の巨匠たちの傑作を特集する。アメリカに学んだフルートの福島明佳と、フランスで研鑽を積んだピアノの米山多佳子、2人のミューズによるデュオ。新アルバム発売記念のステージは、「朧月夜」「夕焼小焼」など収録曲のほか、ムーケ「パンの笛」やヴァイオリン作品から編曲のフランクのソナタ、「シリンクス」「ヒースの荒野」とドビュッシーの佳品、さらに、ボルヌ「カルメン・ファンタジー」と技巧的な作品まで、多彩な調べで聴衆を魅了する。世界最高のダイヤモンドを狙う美貌の女盗賊・黒蜥蜴と、立ちはだかる名探偵・明智小五郎。江戸川乱歩によるミステリーの名作を、三島由紀夫が戯曲化。さらに青島広志が作曲したオペラ《黒蜥蜴》(全2幕)は1984年の初演以来、20回以上も再演されている傑作だ。金沢初演は、青島が演出・構成。横山美奈(緑川夫人)と大山大輔(明智)ら実力派キャストに、沖澤のどか指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢で臨む。ミューザ パイプオルガン クリスマス・コンサート ヴァン・ダイクのクリスマス朗読劇「もう一人の博士」野口千代光(ヴァイオリン)~All Bartók~Nature vol.2福島明佳(フルート) 米山多佳子(ピアノ)佐々木 真(フルート)辰巳美納子(チェンバロ)オーケストラ・アンサンブル金沢 ファンタスティック・オーケストラコンサートVol.1 オペラ《黒蜥蜴》12/22(土)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール12/20(木)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール12/14(金)19:00 Hakuju Hall12/23(日・祝)14:00 王子ホール12/21(金)19:00 東京オペラシティ3F 近江楽堂12/14(金)19:00 石川県立音楽堂青島広志沖澤のどか©Masashige Ogata左:福島明佳 右:米山多佳子©LISACO AWAI松居直美鈴木美紀子東京交響楽団の首席奏者を25年にわたって務め、現在は日本フルート協会会長の任にある佐々木真。京都大学大学院で物理学を修めた、異色の経歴の持ち主でもある。ピアノの名手、石井克典とのリサイタルは、バッハ「無伴奏チェロ組曲第6番」やベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第3番」と編曲作品に、「ソナタ変ロ長調」と「セレナーデ ニ長調」と楽聖の手になる、フルートのためのオリジナル作品を対置する。©Humiaki HUKUDA
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