eぶらあぼ 2018.12月号
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180活動を続けているメゾソプラノの白井光子、「ドラゴンクエスト」シリーズの楽曲などで知られる作曲家のすぎやまこういちが旭日小綬章(芸術文化功労)を受章した。■日本音楽コンクール結果発表 2018年度 第87回日本音楽コンクールの本選が10月24日から28日まで、東京オペラシティ コンサートホールで開催され、各部門の入賞者が発表された。結果は以下の通り。【トランペット】第1位 三村梨紗(岩谷賞)/第2位 鶴田麻記/第3位 河原史弥/入選 米本紋子、浦井宏文、髙松圭佑【声楽(歌曲)】第1位 森野美咲/第2位 黒田祐貴(岩谷賞)/第3位 小野綾香/入選 砂田愛梨、宮下大器、中嶋俊晴、松浦 恵【クラリネット】第1位 中舘壮志(岩谷賞)/第2位 佐藤拓馬/第3位 福井 萌/入選 亀居優斗、須東裕基【ピアノ】第1位 小井土文哉/第2位 竹澤勇人/第3位 尼子裕貴(岩谷賞)/入選 望月 晶【ヴァイオリン】第1位 荒井里桜/第2位 佐々木つくし(岩谷賞)/第3位 福田麻子/入選 関 朋岳岩谷賞は会場の聴衆の投票による聴衆賞。日本音楽コンクールhttp://oncon.mainichi-classic.jp/■津山国際総合音楽祭が第40回サント リー地域文化賞を受賞 公益財団法人サントリー文化財団による第40回サントリー地域文化賞が発表され、津山国際総合音楽祭(岡山県津山市)など4団体1プロジェクトの受賞が決定した。 同賞は1979年に創設、全国各地で展開されている芸術、文学、伝統の保存・継承、衣食住での文化創出、環境美化、国際交流などの活動を通じて、地域の文化向上と活性化に貢献した個人や団体に贈呈している。 同音楽祭は、初代音楽監督の指揮者・渡邉曉雄のもと、87年に第1回を開催。以来3年ごとに実施している。今回の受賞理由として、マーラーをテーマ作曲家とする独自性、国内外の様々な分野のプロが出演する国際性と総合性、そして津山市民が中心となった地域住民参加型の音楽祭を30年以上にわたって継続してきた点が高く評価された。サントリー文化財団http://www.suntory.co.jp/sfnd/■訃報:松下 功氏 作曲家で東京藝術大学副学長・演奏藝術センター教授、日本作曲家協議会会長の松下功氏が9月16日、急性大動脈解離のため死去した。66歳。松下は東京藝術大学および同大学院で、南弘明、黛敏郎に作曲を師事。ベルリン芸術大学で尹伊桑に学び、以後ベルリンを拠点に創作活動を行い、「ダルムシュタット現代音楽講習会」において作品が演奏された。声楽曲、管弦楽作品など楽曲のジャンルは多岐にわたるが、代表作に、和太鼓協奏曲「飛天遊」、聲明オラトリオ「天竺憧憬」のほか、長野冬季オリンピック公式文化プログラムとして書かれた、オペラ《信濃の国・善光寺物語》などがある。指揮や音楽企画でも幅広く活躍し、1993年以来、「アジアの伝統/アジアの現代」の企画・構成・司会なども務めた。■訃報:岡山 潔氏 ヴァイオリニストで東京藝術大学名誉教授の岡山潔氏が10月1日、脳腫瘍のため死去した。75歳。東京藝術大学、ハンブルク音楽大学で学ぶ。1971年からボン市(ドイツ)ベートーヴェンハレ管弦楽団第1コンサートマスターを務めた後、読売日本交響楽団で7年間、第1コンサートマスターとして活躍した。2010年より神戸市室内管弦楽団総合プロデューサー、13年から音楽監督を務めた。室内楽の分野でも、エレオノーレ弦楽四重奏団、岡山潔弦楽四重奏団を主宰。1984年、ドイツ政府より功労十字勲章を授与されている。■訃報:小杉武久氏 前衛的な活動で知られた作曲家兼演奏家の小杉武久氏が10月12日、食道がんのため死去した。80歳。1938年東京都出身。東京藝術大学楽理科卒。60年に即興演奏やパフォーマンスを主体とする前衛的活動の集団「グループ・音楽」を結成した。またジャンルを越えて演奏する「タージ・マハル旅行団」やニューヨークを拠点とした芸術家集団「フルクサス」にも参加した。アメリカの作曲家ジョン・ケージや現代美術家のナム・ジュン・パイクらと交流し、コラボレーションを行った。「マース・カニングハム舞踊団」の専属作曲家としても知られ、20世紀のダンス界にも影響を与えた。代表的なアルバムとして『キャッチ・ウェイブ』がある。■訃報:嶺 貞子氏 東京藝術大学名誉教授でソプラノの嶺貞子氏が10月13日、慢性腎不全のため死去した。82歳。長野県出身。東京藝術大学大学院修了後、イタリアなどで学んだ。留学後は宗教曲や主にイタリア歌曲の分野で活躍した。二期会の幹事も務め、「二期会イタリア歌曲研究会」の構成・監修も行った。今年9月に行われた「〜没後150周年記念〜ロッシーニ歌曲の世界」の監修者でもあった。録音には『嶺貞子 イタリア・スペインを歌う』『モーツァルト:アリア集』『イタリア古典歌曲集』などがある。
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