eぶらあぼ 2018.12月号
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176 節目の第15回を迎え、上野の春はいっそうの賑わいを見せる。取材・文:飯尾洋一東京・春・音楽祭http://www.tokyo-harusai.com/■ベルリン・フィル自主レーベル記者会見 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の自主レーベル「ベルリン・フィル・レコーディングス」が、今秋・冬にリリースする新譜についての会見を11月5日に都内で行った。新譜はラトル指揮『マーラー 交響曲第6番』(首席指揮者としての最後の定期を収録)、ラトル指揮&内田光子独奏『ベートーヴェン ピアノ協奏曲全集』、そして『フルトヴェングラー 帝国放送局アーカイヴ 1939-45』の3タイトル。 会見には、内田光子(ピアニスト)、オラフ・マニンガー(ベルリン・フィル ソロ・チェロ奏者/メディア代表)、ローベルト・ツィンマーマン(メディア子会社「ベルリン・フィル・メディア」取締役)、新忠篤(あたらし・ただあつ)(オランダ・フィリップス・クラシックス元副社長)らが出席した。 マニンガーはラトルとのマーラー第6番について「本当に圧倒される特別な演奏の記録です。でも、最も驚くべきことは、31年前にラトルがベルリン・フィル・デビューに選んだのもこの交響曲であったということです。本タイトルには、こちらの録音も収録されているので、31年間の我々の歩みを感じていただけるかと思います」とコメント。 『ベートーヴェン ピアノ協奏曲全集』でソリストを務■東京・春・音楽祭2019 概要発表会見 10月29日、東京文化会館にて、「東京・春・音楽祭2019」の概要発表記者会見が開かれた。3月15日から4月14日までの1ヵ月間にわたって、過去最大規模となる200公演以上が開催される。同音楽祭は今回で15回目。鈴木幸一・同音楽祭実行委員長は「15年を振り返ってみれば苦い思い出も多い。初年度は東京文化会館の客席が(空席だらけで)真っ赤だった。あるとき、リッカルド・ムーティさんにもう音楽祭をやめようかと話したら、音楽祭は続けることに意味があると励まされた」と語った。 その巨匠ムーティによる「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」が今回よりスタートする。これはムーティが毎夏ラヴェンナで開催している若い音楽家のためのアカデミーを東京で開催するもので、公募による指揮受講生がムーティからイタリア・オペラの真髄を学ぶ。2019年はヴェルディの《リゴレット》、20年は《マクベス》、21年は《仮面舞踏会》がとりあげられる。また、アカデミーの第1回を記念して、ムーティ指揮の東京春祭特別オーケストラにより、《リゴレット》が演奏会形式で抜粋上演される。 東京・春・音楽祭といえば、恒例のワーグナー・シリーズを楽しみにしている方も多いことだろう。ダーヴィト・アフカム指揮のNHK交響楽団により《さまよえるオランダ人》が演奏会形式で上演される。題名役はブリン・ターフェル。 第6回を迎える「合唱の芸術シリーズ」では、大野和士指揮の東京都交響楽団と東京オペラシンガーズにより、シェーンベルクの大作「グレの歌」が演奏される。また、第15回を記念するガラ・コンサートにはフィリップ・オーギャン指揮の読売日本交響楽団が登場し、充実の歌手陣とともに、オペラの名場面でこれまでの15年を振り返る。 「海外の演奏家同士が音楽祭でばったり出会うことも珍しくない。そんな様子を見ると、音楽祭としての基礎ができたのかなと思う」(鈴木実行委員長)左より:茅野雅弘、澤 和樹、樋口 桂、鈴木幸一、西川彰一、赤羽朋子、津村 浩Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE左より:オラフ・マニンガー、内田光子、ローベルト・ツィンマーマンPhoto:M.Otsuka/Tokyo MDE

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