eぶらあぼ 2018.10月号
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82東京佼成ウインドオーケストラ第141回定期演奏会 11/23(金・祝)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール第3回大阪定期演奏会 11/24(土)19:00 ザ・シンフォニーホール問 東京佼成ウインドオーケストラ チケットサービス0120-692-556 http://www.tkwo.jp/カーチュン・ウォン(指揮)世界が注目する新鋭指揮者が吹奏楽のステージに登場!取材・文:宮本 明Interview 1986年シンガポール生まれの新鋭指揮者カーチュン・ウォン。ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で学び、2016年グスタフ・マーラー国際指揮者コンクール優勝。この秋からニュルンベルク交響楽団の首席指揮者に就任した注目株だ。すでに日本でも各地のオーケストラで実績を重ねているが、この11月、東京佼成ウインドオーケストラの定期演奏会に登場する。実は彼自身も吹奏楽出身。小学校入学と同時に吹奏楽部でトランペット(コルネット)を吹き始め、18歳から2年間のナショナル・サービス(兵役)では軍楽隊に所属。吹奏楽一筋だった。 「実は今回演奏するジェイムズ・バーンズの『呪文とトッカータ』は、中学1年生の時の吹奏楽コンクールの課題曲でした。生徒全員がバーンズ自作自演の佼成ウインドのCDを聴きました。私が初めて買ったクラシック音楽のCDです」 つまり佼成ウインドは彼の出発点のひとつなのだ。初めて聴くプロフェッショナルな吹奏楽に感嘆したという。今回はさらに、その2年後のコンクールの課題曲だったというヤン・ヴァンデルローストの「スパルタクス」や、吹奏楽版で演奏したことがあるという、マルコム・アーノルドの「ピータールー序曲」とムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」も振る、いわば彼のルーツを辿るプログラムとなっている。吹奏楽の指揮は久しぶり。プロの楽団を振るのは初めてだ。吹奏楽の魅力は、その音色の豊かさだと説く。 「ユーフォニアムやソプラノ、テナー、アルト・サックスなど、通常の管弦楽にはない楽器が使われています。たとえばブルックナーの交響曲で聴かれる金管のコラールと、ヴァンデルローストの金管バンドのための『カンタベリー・コラール』という作品を比べてみてください。明らかに後者のほうがオルガンのような響きがします。もちろん、どちらが良いかということではなく、まったく別のものなのです。大切なのはいい音楽かどうかだけ。ぜひ耳と心と目を開いて吹奏楽を聴きにいらしてください」 2012年から3年間、最晩年のクルト・マズアに就いてさまざまなことを学んだ。 「パーキンソン病で動かない身体の彼が起こす奇跡のような瞬間も目の当たりにしました。でも、音楽のことはもちろんですが、彼から勉強した一番大きなことは、人間の心です。彼は最後まで熱い心を持っていた。怒る時も子どものように笑う時も、いつも真剣でした。私も自分の心に、自由に真面目に従うことを心がけたいと思っています」東京フルートアンサンブル・アカデミー創設45周年 メモリアルコンサート“フルートの神様”を讃えて文:笹田和人 現代日本を代表する作曲家の1人で、邦楽の和声や技巧を採り入れた独特のサウンドを構築した廣瀬量平の逝去から、今年で10年。生前の廣瀬が多くの作品を提供し、創立45周年を迎えた「東京フルートアンサンブル・アカデミー」が、三部作の楽譜出版記念でもある「メモリアルコンサート」を開く。 武蔵野音大のフルート科の指導者たちを核に1974年、創設された同アカデミー。当時は「フルートオーケストラ」という形態自体が珍しく、オリジナル作品はほとんど存在しなかった。しかし、その透明なハーモニーに魅了さ11/11(日)13:30 上野学園 石橋メモリアルホール問 プロアルテムジケ03-3943-6677http://www.proarte.jp/廣瀬量平 ©廣瀬量平・事務所れた廣瀬は、「ブルートレイン」(79年)を皮切りに、編曲を含めて20曲以上に及ぶ作品を生み出した。 今回は、三部作のひとつ「マリンシティ」(80年)に始まり、野口龍のアルト・フルートをフィーチャーした「パーラミターとカーダ」(同)、「リチュアルダンス 典礼風舞曲『雨乞い』」(88年)、「『甘き死よ来たれ』J.S.バッハの旋律による前奏曲、フーガ、終曲」(94/95年)など、傑作を厳選。アカデミーから“フルートの神様”との言葉を贈られた廣瀬の、鮮烈な思いとハーモニーが新たな命を得る。
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