eぶらあぼ 2018.7月号
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57トッパンホール18周年 バースデーコンサート フォーレ四重奏団室内楽の醍醐味全開の2夜文:柴田克彦Program Ⅰ 10/1(月)19:00 Program Ⅱ 10/5(金)19:00トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 http://www.toppanhall.com/ いま聴くべき室内アンサンブルを挙げるなら、一番手に推したいのがフォーレ四重奏団だ。個々の奏者もグループとしても比類のない技術力とセンスを有し、演奏には室内楽の醍醐味と音楽の喜びが漲っている。そんな彼らが、トッパンホールの2018/19シーズンの開幕コンサートを、16/17シーズンに続いて受け持つ。この“弦のトッパン”の重用こそ、“聴くべきアンサンブル”の証明だろう。 フォーレ四重奏団は、世界でも稀な常設のピアノ四重奏団。1995年、ドイツのカールスルーエ音楽大学卒の4人によって結成され、23年間不動のメンバーで活動している。臨時編成が通例化したピアノ四重奏は、真髄に触れる機会が少ない。しかし常設活動が長い彼らは、4人対等の絶妙なバランスと一体感をもって、精緻かつ大容量の音楽を聴かせる。特に2014年当ホールにおけるブラームスの第1番は圧巻の一語。情熱や悲哀を振幅豊かに表出し、圧倒的なスケール感と迫力を生み出した。 今回は2夜にわたる開催で、多彩な魅力が披露される。第1夜は、前回好演の第2番に続くモーツァルトのト短調の名品=第1番、お得意のメンデルスゾーンの第2番、華やかで美しいシューマンの四重奏曲が並ぶロマンティックな名曲集。第2夜は、当団のピアノ奏者ディルク・モメルツ編曲のラフマニノフ「音の絵」(抜粋)という興味深い演目で始まり、団名にその名を冠したフォーレの第1番、そして看板ともいうべきブラームスの第1番が続く個性全開の内容。かのアルゲリッチが「誰でも必ずまた聴きたくなる」と絶賛した四重奏団の真価を存分に堪能したい。©Mat Hennekアフィニス夏の音楽祭2018 山形一流演奏家の音楽創りの過程を体験できる夏の祭典文:林 昌英アフィニス夏の音楽祭2018 山形8/19(日)~8/26(日) 山形まなび館、文翔館 議場ホール、山形テルサ 他長岡特別演奏会8/28(火)19:00 長岡リリックホール問 アフィニス文化財団 事務局03-5797-7135  長岡市芸術文化振興財団 事業課0258-29-7715(8/28のみ) http://www.affinis.or.jp/ 2009年から広島と山形で交互に開催されているセミナー音楽祭「アフィニス夏の音楽祭」。すでに国内のプロオーケストラ等で活動している奏者が参加者として集い、世界のトップ団体で活躍する招聘演奏家たちの指導を受ける「セミナー」を重ねながら、演奏会に向けて共に音楽を創りあげていくという、独自性の高い活動を特色としている。音楽監督の四方恭子(東京都交響楽団ソロ・コンサートマスター)や、ドイツの名門オーケストラの現役首席奏者をはじめとした名匠たちが指導を務める。 「セミナー」にはアンサンブルやオーケストラの指導のほか、招聘演奏家が設定したテーマによるワークショップなどがあり、これらが公開される(一部非公開)。プロのレベルの音楽創りや指導法が見られるのは刺激的な時間になるし、その成果が演奏会として披露されることで、奏者にも聴衆にも心に残る体験となるはず。 今年は山形での開催で、2回の室内楽演奏会などのほか、最終日には秋山和慶指揮で山形交響楽団&アフィニス祝祭管弦楽団の合同オーケストラ演奏会も行われ、R.シュトラウス「ドン・ファン」やプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」組曲より抜粋などが披露される。そして今回は関連公演として長岡特別演奏会も開かれる。実は来年から同音楽祭の開催地が長岡に移り、音楽監督に川崎洋介(オタワ・ナショナルアーツセンター管弦楽団コンサートマスター)が新たに就任する予定。今回の長岡公演にはその川崎も出演し、一足先に音楽祭の空気を持ち込んでくれる。昨年の合同オーケストラ演奏会(指揮:秋山和慶) Photo:K.Miura

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