eぶらあぼ 2018.7月号
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32©鍋島徳恭第39回 霧島国際音楽祭20187/19(木)~8/5(日)霧島国際音楽ホール(みやまコンセール)、宝山ホール、鹿児島市民文化ホール、ザビエル教会 他問 霧島国際音楽ホール(みやまコンセール)0995-78-8000 ジェスク音楽文化振興会03-3499-4530http://www.kirishima-imf.jp/ ※音楽祭の詳細は左記ウェブサイトでご確認ください。堤 剛(霧島国際音楽祭 音楽監督/チェロ)世界各国から素晴らしい音楽家が集結する夢のような2週間取材・文:伊熊よし子Interview参加者も再訪を熱望する魅力溢れる音楽祭 「日本で最も熱いフェスティバル! 雄大な自然と音楽のハーモニー」と題される霧島国際音楽祭が、39回目を迎える。「志があっても留学することが難しい学生のために、優れた音楽家による教育と音楽会を聴く機会をつくる」ことをモットーに始められた同音楽祭は、現在も世界一流アーティストが輝かしい演奏を披露し、懇切丁寧な指導が行われている。今年も国内外から人気と実力を兼ね備えたアーティストが集結し、演奏と講習で霧島を熱くする。音楽監督を務め、演奏・指導を行う堤剛に今年の内容と今後の抱負を聞いた。 「1980年にヴァイオリニストのゲルハルト・ボッセさんの提唱によって音楽祭が始まったころは、公民館やホテルの一室などを使って音楽会が開かれていましたが、94年に音楽祭専用のみやまコンセールが完成し、音響のすばらしさ、自然に囲まれた環境の良さなども相まって、一気に内容が充実しました。世界各国から素晴らしい音楽家が集まってくれ、受講生に指導をするだけではなく、一緒にステージに立って演奏します。まさに夢の2週間です」 霧島は地元の人々が非常に熱心に音楽祭に取り組み、美味なる食事を用意してくれ、さらに温泉もある。参加した音楽家の多くが「また霧島で教えたい、演奏したい」という所以だ。豪華アーティストたちによる霧島ならではの公演 今年はザビエル教会での4人の豪華ソリストによる「バッハ名曲ガラ・コンサート」で幕を開ける。会場は多岐にわたり、鹿児島各地の教会やホール、文化施設なども演奏の場となる。 「クラシックばかりではなく『宝山ホール祭り』と題し、NHK大河ドラマ『西郷どん』にまつわる音楽を紹介するファミリー・コンサートやジャズもあり、『音楽の散歩』というアーティストがプロデュースする演奏会も充実しています。先生方はとても熱心で、すばらしい演奏を披露してくれます。今回、エリソ・ヴィルサラーゼさんは大得意とするシューマン『謝肉祭』を演奏し、大萩康司さんはタルレガの『アルハンブラの想い出』を紡ぎ、鈴木優人さんはチェンバロでバッハの『ゴルトベルク変奏曲』を演奏します。加えてシプリアン・カツァリスさん、ピエール・アモイヤルさんはガラ・コンサートに出演しますし、キリシマ祝祭管弦楽団を指揮してドヴォルザークの『新世界より』を指揮するのは、いまウィーン国立歌劇場で活躍しているサッシャ・ゲッツェルさんです。例年高い人気のファイナル・コンサートでは、アンドレア・ロストさんがR.シュトラウスの『4つの最後の歌』を歌います。ロストさんは霧島を大変気に入ってくださり、ぜひまた参加したいといって再訪してくれるのです」 堤はピアノの萩原麻未と組み、フランクとR.シュトラウスのチェロ・ソナタを演奏する。講習では、韓国のチェリスト、イ・カンホと組んで若きチェリストたちの指導を行う。おいしい食事や温泉も 「霧島国際音楽祭は来年40周年という記念の年を迎えますが、いまや世界から注目される音楽祭に成長しました。ダン・タイ・ソンさんのように、長期にわたり隔年で参加してくれる人もいます。豊かな自然のなかで、素晴らしい演奏に耳を傾ける。おいしい食事や温泉も楽しむことができ、心身が癒され、活力が湧くと思います。実際に訪れていただかないと、この心地よさは伝わらないでしょうね。飛行機も新幹線もありますので、大都市圏からそう遠くはありません。ぜひ、いらしてください。音楽三昧の日々が待っています。今後は国内外の他の音楽祭と連携し、相互関係を築き、交流の場を広げたいと願っています。それが夢ですね」
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