eぶらあぼ 2018.7月号
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1749月の見もの・聴きもの2018年9月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場9月6(19:00)、9(19:00)、12(19:00)日 ビゼー:カルメン 指/F.シャスラン、演出/F.ゼッフィレッリ、出/C.マルゲーヌ、M.アルヴァレス、E.シュロット、A.ハルティヒ9月7(19:30)、10(19:30)、13(19:30)日 R.シュトラウス:ナクソス島のアリアドネ 指/P.ランゲ、演出/S.E.ベヒトルフ、出/P.マティチ、S.コシュ、S.グールド、D.ファリー、A.ピエチョンカ9月8(19:00)、11(19:00)、14(19:00)日 ウェーバー:魔弾の射手 指/S.ヴァイグレ、演出/C.レート、出/A.ガプラー、C.ヴェントリス、F.シュトルックマン9月16(18:00)、20(19:30)、23(18:00)日ヴェルディ:椿姫 指/E.ピド、演出/J.F.シヴァディエ、出/A.シャギムラトヴァ、P.ブレスリク、S.キーンリサイド9月19(20:00)日 G.グロイスベックBs 共/G.フーバーp9月22(19:00)、25(19:00)、28(19:00)日マスネ:ウェルテル 指/F.シャスラン、演出/A.シェルバン、出/D.コルチャック、C.ウンターライナー、S.コシュ9月29(19:30)日 ドニゼッティ:ドン・パスクワーレ 指/E.ピド、演出/I.ブルック、出/A.マエストリ、R.バルベラ、G.ベルムデスウィーン・フォルクスオーパー9月2(19:00)、30(18:00)日 J.シュトラウスⅡ:こうもり 指/G.プリースニッツ/A・エシュヴェ、校訂演出/H.ツェドニク9月3(19:00)、5(19:00)、8(18:00)、15(18:00)、26(19:00)、29(19:00)日 モーツァルト:魔笛 指/W.M.メルティヒ、演出/H.ローナー9月4(19:00)、6(19:00)、10(19:00)、14(19:30)日 ミレッカー:ガスパローネ 指/A.シュラー、演出/O.タンボシ9月7(19:00)、9(16:30)、11(19:00)、17(19:00)、19(19:00)日 S.ソンドハイム:スウィーニー・トッド(ミュージカル) 指/J.R.オレフィロヴィッチ★◎9月16(19:00)、18(19:00)、22(19:00)、25(19:00)日 カールマン:チャールダーシュの女王[プレミエ] 指/A.エシュヴェ、演出/P.ルント9月21(19:00)、24(19:00)、27(19:00)日J.スタイン:ジプシー(ミュージカル) 指/L.C.アイヒナー、演出/W.ソボトカアン・デア・ウィーン劇場★◎9月15(19:00)、17(19:00)、19(19:00)、22(19:00)、24(19:00)、26(19:00)日 ヘンデル:アルチーナ[プレミエ] 指/S.ゴットフリート、演出/T.ギュルバカ、出/M.ペーターゼン、D.ハンセン、M.ハーゲン、演奏/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス◎9月25(19:00)日 L.ヴィンチ:ポーランド王ジスモンド(演奏会形式) 指/M.パストゥスカ、出/M.E.チェンチッチ、Y.ミネンコ、演奏/ヒストリカル・オーケストラウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(GRA)=ヴォルケントゥルム(グラーフェネック/オーストリア)、(LUZ)=コンツェルトザール(ルツェルン)、(GLY)=オペラハウス(グラインドボーン)、(A)=コンセルトヘボウ(アムステルダム)、(BRU)=パレ・デ・ボザール(ブリュッセル)、(LUX)=フィルハーモニー(ルクセンブルク)、(BB)=祝祭劇場(バーデン・バーデン)]9月6(19:00)(GRA)、7(19:30)(LUZ)、8(18:30)(LUZ)日 F.ウェルザー=メスト指揮 → 〔グラーフェネック音楽祭(6日)/ルツェルン国際音楽祭(7/8日)〕参照9月10(19:00)(GLY)日 F.ウェルザー=メスト指揮 ブルックナー:交響曲第5番(ノヴァーク版)9月13(20:30)(A)日 F.ウェルザー=メスト指揮 モーツァルト:交響曲第27番、ピアノ協奏曲第24番、交響曲第38番「プラハ」 独/ラン・ランp9月22(15:30)、23(11:00)、25(20:00)(BRU)、26(20:00)(LUX)、27(19:30)(BB)日 H.ブロムシュテット指揮 ベルワルド:交響曲第3番「風変わりな交響曲」、ドヴォルザーク:交響曲第7番ウィーン響[会場:コンツェルトハウス(ウィーン)](主要公演のみ)◎9月29(19:30)日 D.ジンマン指揮 マーラー:交響曲第2番「復活」 独/D.レシュマンS、J.ジョンストンMsムジークフェライン[楽友協会]大ホール[ウィーン](主要公演のみ)◎9月6(19:30)日 E.アックスp、L.カヴァコスvn、ヨーヨー・マvc ブラームス:ピアノ三重奏曲第1〜3番9月10(20:00)日 A.ネルソンス指揮ボストン響マーラー:交響曲第3番 独/S.グラハムA9月11(19:30)日 A.ネルソンス指揮ボストン響バーンスタイン:セレナード、ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 独/B.スクリデvn◎9月19(19:30)日 M.ポシュナー指揮リンツ・ブルックナー管 メンデルスゾーン:フィンガルの【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 数年後にウィーン国立歌劇場音楽監督になるフィリップ・ジョルダン、ベルリン・フィルの常任指揮者になるキリル・ペトレンコ、この2人の新シーズンは、期せずして現職のオペラハウスでのワーグナー上演で始まる。ジョルダンは、パリ・オペラ座で「トリスタンとイゾルデ」、ペトレンコは、バイエルン州立歌劇場でワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を振る。どちらもプレミエ公演ではないが、前者ではクルヴェナール役にマティアス・ゲルネ、後者ではワルター役にクラウス・フローリアン・フォークトを配するなど、歌手の話題作りにも抜かりがない。なお、ペトレンコは、8月24日にベルリンのフィルハーモニーで振るベートーヴェンの交響曲第7番をメインとしたプロが、ラトル退任後のベルリン・フィルとの初お目見えの曲目となるが、このプロをザルツブルクやルツェルンの音楽祭で振った後、9月はプロムスで披露する。一方のジョルダンは、パリ・オペラ座(ガルニエ宮)でミカエル・ジャレルの新作オペラ「ベレニーチェ」のプレミエ公演を振る。内容的な情報はまだほとんどないが、題名役をバーバラ・ハンニガンが歌うというのは何をさておいても重要。 一方、9月に際だった活躍を見せるのが、指揮者のロトとフルシャ。ロトは、ベルリン・フィルでドビュッシーやリゲティをフィーチャーした注目のプログラムを演奏するほか、手兵のレ・シエクルと共に、リンツ・ブルックナー・フェスティバルやボン・ベートーヴェン音楽祭でベルリオーズの「ファウストの劫罰」「イタリアのハロルド」(後者はリンツのみ)を振る。さらにはケルン・ギュルツェニヒ管でマーラーの3番も演奏する。片やフルシャは、バンベルク響とシーズン開幕演奏会を振るのに先立って、パリ管にも登場。さらにはドヴォルザーク・プラハ国際音楽祭では、チェコ・フィルを振ってドヴォルザークの「幽霊の花嫁」「聖リュドミラ」といった珍しい作品を演奏する。この他、ウィーンのムジークフェラインで、フェドセーエフがモスクワ・チャイコフスキー響と共に、合唱付でチャイコフスキーの大序曲「1812年」を演奏するのも聴きもの。さらにはクルレンツィス指揮SWR響のマーラーの交響曲第3番もどんな演奏が飛び出すのか興味津々。ロンドンに帰ったラトルが精力的に演奏会をこなすロンドン響、サロネンがブルックナーへの本格挑戦を始めるフィルハーモニア管などイギリスのオケも活況を呈している。 オペラでは、前記のペトレンコやジョルダンの公演の他、9月一番の注目は、ミンコフスキがベルリン州立歌劇場で「魔弾の射手」を振ることであろうか。なお、彼は手兵レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルとはブレーメン音楽祭でオッフェンバック「ホフマン物語」を演奏会形式で演奏する。これも要注目公演。ブレーメン音楽祭は、他にもローレル指揮ル・セルクル・ドゥラルモニーの「セビリアの理髪師」やクレバッサのメゾ・ソプラノ・リサイタルなど注目公演が並ぶ。チューリッヒ歌劇場のシュレーカー「烙印を押された人々」も見逃せない。この演目は今年の1月にベルリンのコーミッシェ・オーパーでビエイト演出の素晴らしいプロダクションが出たが、チューリッヒのコスキー演出も大いに期待が持てる。異色の公演としてはヘンゲルブロックがキューバ音楽とのコラボを行うルール・トリエンナーレでの演奏会。妙に興味がそそられる。他に、ムジークフェスト・ベルリンでのエマールのシュトックハウゼン・ピアノ作品集、ヨーヨー・マ、カヴァコス、アックスのトリオで、ブラームスのピアノ三重奏曲集などという腕達者たちの饗宴もウィーン、パリ、フランクフルトなどで楽しめる。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

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