eぶらあぼ 2018.7月号
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172 OTTAVAでは毎月サロンコンサートを開催しています。近年上質なサロンホールが全国に続々とオープンしていることは、「ぶらあぼ」読者の皆さんならすでに周知の事実でしょう。私たちが聴いているクラシック音楽のうち、いわゆる独奏曲や室内楽のほとんどはもともと、聴衆の目の前で演奏されるために作曲された“サロン仕様”、それを本来の環境で聴ける時代がようやくやってきたわけです。 私たちがこのところお世話になっているのは「紀尾井町サロンホール」。東京メトロの永田町・麹町両駅から徒歩約4分という“東京ど真ん中”なのに閑静な一角にあり、エントランスではサロンの方が丹精込めて育てた四季折々の草花が迎えてくれます。席数は最大でも80。ピアノは1989年ハンブルク製のスタインウェイD274で、とてもコンディションが良いらしくピアニストの方々は口々に喜んでくださいます。 先月は故郷山梨県を拠点に活躍されているピアニスト小林侑奈さんが「シューベルトの光、ドビュッ『OTTAVA Bravo Brass 〜ブラバンピープル集まれ! オザワ部長の Let's吹奏楽部〜』毎週土曜22:00〜24:00/再放送 毎週日曜17:00〜19:00シーのいる庭」というテーマでシューベルトのD784のイ短調ソナタと、ドビュッシーの「版画」を中心としたプログラムで満員のお客様を魅了しました。イタリア留学中、あのミケランジェリの高弟で惜しくも昨年世を去ったブルーノ・メッツェーナ先生と4年がかりで勉強したというD784の「響きと沈黙の美学」は、サロンという空間の魅力をも改めて感じさせてくれました。 さぁ皆さん、OTTAVAのサロンにお出かけください。次回は6月28日(木)。アンサンブル・ピアニストとして数々の名手との共演を重ね、先日満を持してソロ・アルバムをリリースしたばかりの須関裕子さんがシューマン、リスト、ショパン、ドビュッシーを聴かせてくれます。そして7月26日(木)は、ピアニストでOTTAVAの一員でもある本田聖嗣さんが3人のヴィオリストと共演する「ヴィオラの森」と続きます。 では、ここからは吹奏楽作家、オザワ部長にお渡しします。文:斎藤 茂(OTTAVAゼネラルマネージャー)&オザワ部長サロンは愉し!Vol.5◎OTTAVAとは2007年に開局した24時間無料でクラシック音楽が楽しめる国内唯一のインターネット・ラジオ局。リスナーは全世界で100万人以上。パソコンやスマートフォン、タブレットで、いつでもどこでもクラシック音楽が聴ける。OTTAVA検索コンテンポラリー・クラシック・ステーションへようこそ!オッターヴァ無料でインターネットで聴ける!連載 いきなりですが、吹奏楽には不思議な“魔力”があると思うのです。たとえば、吹奏楽の経験が一切なく、音大で声楽や弦楽器を専攻した方たちが教員になって吹奏楽部の顧問になると、たちまち魔力の虜になりハマってしまいます。あるいは、佐渡裕さんや山田和樹さんといったクラシック界のマエストロが、吹奏楽への愛を持ち続けたまま世界的に活動を続けています。 ひとつ忘れられないエピソードがあります。2016年1月に北九州市で行われた音楽イベントで、N響・読響・都響の管楽器奏者が精華女子高校吹奏楽部(福岡)とコラボしました。このとき演奏に参加していた都響首席クラリネット奏者・三界秀実さんが精華の演奏を、「彼女たちの目指している音楽は僕らの目指している音楽とまったく同じだ」「ウィーン・フィルやベルリン・フィルを聴いて感動する。それに近いものを精華に感じる」と激賞したのです。 その精華の演奏は、OTTAVAの吹奏楽番組『Bravo Brass』でも随時ご紹介していますし、ヤマハの音楽配信サービス「mysound」でも聴くことができます。ぜひ一度耳を傾けてみてくださいね。クラシックファンに贈る吹奏楽の“魔力”Vol.1オザワ部長の“コラム in コラム”

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