eぶらあぼ 2018.7月号
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154■リッカルド・ムーティ「イタリア・オペ ラ・アカデミー in 東京」概要発表 「東京・春・音楽祭ー東京のオペラの森ー」(以下、東京春祭)が来春、15回目を迎える。その節目に、2021年までの3年間にわたり、リッカルド・ムーティ「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」を開催する。5月30日に行われた会見でその概要が明らかとなった。 リッカルド・ムーティ「イタリア・オペラ・アカデミー」は、15年より毎夏、イタリアのラヴェンナで開催されている教育プロジェクト。ムーティがこれまでの経験、偉大な演奏家たちから受けた教えやメソッドを、世界中の才能ある若手演奏家に指導し、オペラの制作過程への理解を深めることを目的とする。16年には韓国で簡易的な形で開催されたが、今回の東京での開催が初の本格的な海外展開となる。 現地ラヴェンナで同アカデミーのゼネラルディレクターを務めるドメニコ・ムーティ(リッカルドの次男)は、「マエストロは、これまで受けてきた偉大な演奏家たちからの教え、特にトスカニーニの指揮法を若い世代に伝え、イタリア・オペラを継承してほしいという想いでいます。このような試みをイタリアの少人数の方々だけでなく、広く多くの方に知っていただきたいと希望を持ち、日本での開催となりました」と語った。 「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」は、19年の初年度が3月28日から4月3日まで、3〜5名の指揮者受講生を対象に、マエストロ自身による作品解説や直接指導が行われる(聴講生は別途募集、受講生含め応募条件あり)。演目は19年《リゴレット》、20年《マクベス》、21年《仮面舞踏会》。 アカデミーを東京で行うに至った経緯を、鈴木幸一・東京春祭実行委員会実行委員長は、「東京春祭の新しい柱としていきたい。大巨匠がどのように音楽を創っているのか、アカデミーのプログラムを通じて、より音楽を深く理解できる機会を提供していきたい。また、マエストロは正統派のヴェルディの指揮ができる唯一の方だと考えている。東京という場で『真のヴェルディ』を継承してほしいし、その機会を作ることが重要」と述べた。リッカルド・ムーティ「イタリア・オペラ・アカデミー in 東京」http://www.tokyo-harusai.com/program/page_ 5777.html■TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIIVAL  2018 [サラダ音楽祭]開催 東京都と東京都交響楽団(以下、都響)は、東京芸術劇場や豊島区と連携し、新たな音楽祭TOKYO MET SaLaD MUSIC FESTIVAL 2018[サラダ音楽祭]をこの9月17日(月・祝)に初開催する。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け気運を盛り上げるため、1964年の東京オリンピックを記念して創設された都響の演奏を中心に据え、音楽やダンスなど様々なアートを世界に発信し、同時に都市の豊かさが感じられる機会を多くの人に提供することを目指すという。大人から幼児まで広い層が体感できる多彩で楽しい文字通り“サラダ”のようなイベントとなる。会場は東京芸術劇場。大野和士指揮都響と近藤良平率いるダンス集団・コンドルズ、東京少年少女合唱隊がブラームスやストラヴィンスキーなどクラシック音楽からゲーム・ミュージック、ディズニーの音楽までをダンス付きで繰り広げる「OK! オーケストラ」や小池百合子知事のタクトで開幕する「音楽祭メインコンサート〈プルミエ・ガラ〉」のほか、会場周辺での無料のコンサートやワークショップなど21公演が予定されている。サラダ音楽祭http://salad-music-fes.com/■2018年度武満徹作曲賞の受賞者決定 2018年度武満徹作曲本選演奏会が5月27日、東京オペラシティ コンサートホールにて行われた。受賞者と作品は以下の通り。会見から 左より:ドメニコ・ムーティ、鈴木幸一Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE2018年度武満徹作曲賞審査員ウンスク・チン(写真中央)と受賞者(左より:ボ・リ、パウロ・ブリトー、バーナビー・マーティン、ルーカス・ヘーヴェルマン=ケーパー)撮影:大窪道治 提供:オペラシティ文化財団

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