eぶらあぼ 2018.5月号
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786/29(金)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp/第33回 ワンダフル one アワー 森谷真理 ソプラノ・リサイタル活躍めざましいソプラノが挑むフランス歌曲の世界文:東端哲也©武藤 章 2006年末、メトロポリタン歌劇場に《魔笛》の夜の女王役で鮮烈なデビューを果たして以来、同役をはじめとするコロラトゥーラ系の役柄を中心に欧米の名歌劇場を席巻。日本では昨年、レオノーラや元帥夫人、そして蝶々夫人などのドラマティックで重厚な声が求められる役柄を次々と演じて絶賛されたばかり。そんな注目のソプラノがフランス歌曲を中心にしたプログラムで、待望のソロ・リサイタルをHakuju Hallで開催する。 同ホールには人気シリーズ企画である「中嶋朋子が誘う 音楽劇紀行」の第一夜と第三夜に出演し、バロック時代から古典派にロマン派と、オペラ表現による時代の流れを見事に披露したのも記憶に新しい。リサイタルの曲目はドビュッシー〈忘れられた小唄〉やカントルーブ「オーベルニュの歌 第1集」所収の素朴な歌曲など。ピアノには名手の山田武彦を迎える。貴重で夢のような素晴らしい1時間になることだろう。6/15(金)19:00 東京文化会館(小)問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp/東京文化会館 Music Program TOKYO プラチナ・シリーズ 第1回 マリオ・ブルネロ(チェロ)傑作ソナタとラテン系の名作で聴衆を唸らせる文:林 昌英 その華麗な経歴を改めて説明せずとも、「世界トップクラスのチェリストのひとり」というだけで紹介が済んでしまうようなチェロの名匠、マリオ・ブルネロ。彼自身は巨匠然として安住することなく、ソロ、室内楽、弾き振りから、他の芸術ジャンルとのコラボレーションまで、旺盛な好奇心としなやかな感覚で多彩な活動を展開し続けている。 そんなブルネロが、6月の東京文化会館「プラチナ・シリーズ」に出演し、「奇跡の音響」とも称えられる小ホールでリサイタルを開く。演目も気の利いたチェロ名作集で、ドビュッシーとフランクの名ソナタで彼の芸術性、音楽性を存分に堪能させた後、カサドの無伴奏組曲で情熱的なラテンの世界に導入し、最後はピアソラの「リベルタンゴ」「グランタンゴ」などで会場を沸かせるのだ。国際的に活躍するピアノの名手で、世界的音楽家からの信頼も厚い江口玲が、万全の伴奏を務めてくれるのも心強い。ブルネロのチェロがつくりあげる、感動と興奮のステージが待ち遠しい。5/21(月)19:00 東京文化会館(小)問 及川音楽事務所03-3981-6052 http://maki-nao.com/レ・クロッシュ リサイタル ~ピアノ&チェロの夢の世界~フランス仕込みの麗しき音色に魅せられて文:笹田和人 2人の紡ぐ“鐘の音”が、初夏の爽やかな風と響き合うだろう。ピアニストの姉・宇宿真紀子とチェリストの弟・宇宿直彰によるデュオ「レ・クロッシュ」が開くリサイタル「ピアノ&チェロの夢の世界」。バロックから近代まで、二重奏やソロで彩り豊かに披露する。 幼少時に渡仏した姉弟はパリ高等音楽院に学び、ルエイユ・マルメゾン音楽院大学院ではピアノ科とチェロ科で学ぶ一方、室内楽科でも研鑽を積み、共に首席で卒業。修了後はヨーロッパ各国や日本でソリストとして活躍する一方、フランス語で「鐘」を意味するデュオ名「レ・クロッシュ」のもとに、姉弟での演奏活動を続けている。 今回は、メンデルスゾーンのチェロとピアノのためのソナタ第2番を核に、フォーレ「ロマンス」やトスティ「今ひとたび!」、ベッリーニ「マリンコニーア」をデュオで披露。そして、直彰がバッハの無伴奏チェロ組曲第3番、真紀子が「アラベスク第1番」「月の光」「喜びの島」とドビュッシーの傑作を、ソロで演奏する。

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