eぶらあぼ 2018.5月号
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68Photo:SHITOMICHI(vale.)シエナ・ウインド・オーケストラ 第46回定期演奏会~CROSSOVER シエナ・ウインド・オーケストラ~須川展也×原田慶太楼×挾間美帆6/2(土)15:00 文京シビックホール問 シエナ・ウインド・オーケストラ事務局03-3357-4870 http://sienawind.com/挾間美帆(作曲)シエナ・ウインド・オーケストラと切り拓く刺激的なフィールド取材・文:藤本史昭Interview シエナ・ウインド・オーケストラのコンポーザー・イン・レジデンスに挾間美帆が就任…昨年アナウンスされたこのニュースは、我が国の吹奏楽シーンにとって近来屈指のトピックだったが、その刺激的マリアージュの成果を目撃できるコンサートが行われる。 “CROSSOVER”と副題にあるように、このコンサートは、指揮に原田慶太楼、サクソフォンに須川展也を迎え、挾間作品をフィーチャーしようというもの。当然プログラムには彼女ならではのポリ・ジャンル的作品が並ぶが、中でもまず注目したいのが吹奏楽版は初演となる「秘色(ひそく)の王国」だ。 「元はサクソフォンとピアノのための曲ですが、当初から大編成が頭にあったんです。それをシエナさんに話したところ、その場で須川さんに連絡してくださり実現することになりました。様々な楽器とサクソフォンの対話をお楽しみいただけると思います」 また「The Dance」は、最初バレエとのコラボのためにビッグバンド用として書かれ、昨年のラ・フォル・ジュルネでのシエナ出演に際し吹奏楽版に編曲された曲。 「これはビッグバンドの譜面を書いている時から、シエナの演奏も想定していました。ドラムなしでも演奏できるようなリズム・パターンを選んでいますし、ビッグバンドの即興部分も、書き譜で同じ楽器に演奏してもらっています。吹奏楽だと、演奏によりメリハリがついてドラマティックになりますね」 「タルカス」は、エマーソン・レイク & パーマーが1971年に発表したオリジナル曲を吉松隆が管弦楽用に編曲し、それをさらに挾間が吹奏楽にアレンジしたもので、初演は2012年、佐渡裕の指揮で行われた。 「当時いただいたのは、管弦楽版を吹奏楽に置き換えるというオファーでしたので、いかに吉松サウンドに近づけるかというチャレンジでした。吉松さんのスコアはかなり重厚で独特でしたので、勉強になりました」 一方プログラムの中で、唯一挾間作品ではないのが長生淳の「紺碧の波濤」だ。 「長生淳さんの大ファンなんです。この曲は、日本らしさの残るメロディ・センスと、豊かな和音やリズムの組み合わせが光る素晴らしい作品だと思います」 最後に、挾間にとってこのオーケストラはどのような存在なのかをきいた。 「音楽家として、ジャズやクラシックと他ジャンル音楽との架け橋になる作品をもっと広めたいし創りたいという大きな夢があるのですが、その挑戦に、共に意欲的に取り組んでいただける大切なパートナーです。今回のコンサートでも、吹奏楽ならではのジャンルの壁を超えた作品の数々を存分にお楽しみいただけると思います」瓜生幸子(ピアノ) 2大協奏曲ピアノ界の重鎮が2大名作コンチェルトに向きあう文:笹田和人 日本の演奏史に残る、ステージとなるかもしれない。国際的に活躍する日本人ピアニストの先駆けであり、80歳を越えてなお、第一線を走り続ける瓜生幸子。盟友の秋山和慶の指揮による東京フィルハーモニー交響楽団をバックに、ベートーヴェン「皇帝」とサン=サーンス「エジプト風」、2つの“協奏曲第5番”を披露する。 名匠アラウの薫陶を受け、本場・欧州で活躍した瓜生。1986年のウィーンでのステージには、オーストリア大統領が臨席した。ウィーン国際ベートーヴェンコンクール審査オブザーバー、昭和5/12(土)14:00 紀尾井ホール問 ミリオンコンサート協会03-3501-5638http://www.millionconcert.co.jp/音大教授を務めるなど、後進の育成にも力を注いできた。また、2015年の欧州デビュー50周年記念リサイタルでの好演も、感動を呼んだ。 幅広いレパートリーの中でも、特に独墺作品を得意とする瓜生。今回はまず、楽聖ベートーヴェンの創意に満ちた“名曲中の名曲”である「皇帝」へ対峙。そして、サン=サーンスの独創性あふれる名協奏曲「エジプト風」を弾く。さらに、秋山と東京フィルは幕開けに、モーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》序曲を添える。Photo:Hufo Jeble
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