eぶらあぼ 2018.5月号
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178■第1回 ショパン国際ピリオド楽器コン クール 記者会見 9月2日〜14日にポーランドのワルシャワで初めて開催される「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」の公開記者会見が、3月13日に都内で行われた。同コンクールは、世界のピアノコンクールの最高峰、ショパン国際ピアノコンクールの主催者でもある国立ショパン研究所(NIFC)が、昨今の歴史的演奏法の高まりを受けて、ショパン時代の音楽におけるピリオド楽器(フォルテピアノ)による演奏を普及させることを目的として実施する。今後は5年ごとに開催される予定。 会見には、NIFC副所長のマチェイ・ヤニツキ、NIFCメンバーでコンクールのチーフプロデューサーであるヨアンナ・ボクシチャニン、ポーランド音楽出版社のダニエル・チヒ博士、ピアニストのダン・タイ・ソンが出席した。NIFCでは、01年の研究所創設時からピリオド楽器での演奏に重点を置いていたとヤニツキは語る。 「我々の目的は、ピリオド楽器での演奏によりショパンのリアルな魅力を伝えることにあります。ショパンの音の手触り、魅力というのは実際に彼が演奏した楽器と切り離すことのできない関係性から生まれているのです」 コンクール応募資格は18〜35歳。DVD書類審査を経て最大30名が9月の予選に出場する。出場者はNIFCが提供するピアノの中から希望する楽器を選ぶことができる。審査員は、アレクセイ・リュビモフ、アンドレアス・シュタイアー、ニコライ・デミジェンコ、ダン・タイ・ソンなど。 また、会見ではダン・タイ・ソンが、実演を交えながら 「モダン・ピアノの場合は全身を使って演奏しますが、歴史的楽器の場合は指先に集中しなければなりません」とピリオド楽器での演奏の特徴について述べた。International Chopin Competition on Period Instrumentshttp://www.iccpi.eu/■フェスタサマーミューザKAWASAKI  2018 記者発表会 7月21日から8月12日まで開催される「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2018」のラインナップ記者発表会が、3月28日に行われた。同音楽祭は、ミューザ川崎シンフォニーホールをメイン会場として毎年開催されており、今年で14回目。会見では、川崎市長の福田紀彦、同ホール・チーフアドバイザーを務める指揮者の秋山和慶、同アドバイザーの佐山雅弘(ジャズピアニスト)と松居直美(オルガニスト)らが登壇した。 今年は首都圏の10のオーケストラが集結。そのほか、市内にある洗足学園音楽大学と昭和音楽大学のオーケストラも参加し、キャッチコピー「奏(so)クール!」のもと全19公演が展開される。オープニングとフィナーレコンサートでは、ホスト・オーケストラを務める東京交響楽団がバーンスタインの作品等を披露。特にジャズ・トリオやバンドも登場するオープニング(指揮:ジョナサン・ノット)は華やかなステージとなりそうだ。秋山は洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団を率いて、洗足学園音楽大学バレエコース学生および谷桃子、牧阿佐美、東京シティの3バレエ団との共演でオール・ラヴェル・プロを振る。そのほか、マルク・ミンコフスキ指揮東京都交響楽団のバレエ音楽「くるみ割り人形」も話題を呼びそうだ。聴衆が審査員として出演者(オペラ歌手)に投票するというユニークな試みが行われる東京ニューシティ管弦楽団(指揮:曽我大介)の公演や森山良子(歌)出演の読売日本交響楽団(指揮:渡辺俊幸)の公演「シネマ&ポップス」では、3名以上で適用されるチケット購入割引の設定が導入された。管弦楽以外では、鈴木雅明がミューザでは10年ぶりとなるオルガン・リサイタルを開催する。フェスタサマーミューザKAWASAKI 2018http://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/会見から 左より:大野順二(東京交響楽団 専務理事・楽団長)、秋山和慶、福田紀彦、吉井實行(日本オーケストラ連盟 専務理事)、松居直美、佐山雅弘Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE会見から 左より:ダニエル・チヒ、マチェイ・ヤニツキ、ヨアンナ・ボクシチャニン、ダン・タイ・ソンPhoto:I.Sugimura/Tokyo MDE

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