eぶらあぼ 2018.2月号
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200目黒で開かれる「フレッシュ名曲コンサート」には、第13回東京音楽コンクール弦楽器部門で第1位・聴衆賞を獲得したチェロの新星・水野優也が登場。日本を代表するマエストロ・大友直人が指揮する読売日本交響楽団のサポートを受け、ドヴォルザークの名協奏曲を熱演する。さらに、大友と読響は同じドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」も披露。二大傑作が、俊英とベテランの感性で共鳴し合う。2015年にロヴロ・フォン・マタチッチ国際指揮者コンクールで2位入賞を果たし、ザグレブ・フィルへ客演するなど国際的な活躍を展開する俊英・粟辻聡が、葛飾での「フレッシュ名曲コンサート」に登場。日本フィルを振り、ブラームスの交響曲第2番を披露する。これに先立ち、第12回東京音楽コンクール弦楽器部門を制し、聴衆賞も獲得したヴァイオリンの坪井夏美がソリストとして出演。ベートーヴェンの協奏曲を弾く。これは聴き逃せない。国際的な檜舞台での活躍の一方、音楽史の彼方に埋もれた名曲の発掘にも力を注ぐなど、独創的な演奏活動を展開するヴァイオリンの佐藤久成が、やはり多面的な活動を繰り広げるチェロの辻本玲とピアノの佐野隆哉、そしてヴィオラの俊英・有田朋央と共に、カルテットで公演を開く。ブラームスの第1番にシューマン、スークとピアノ四重奏曲の佳品を披露する。きっと“何か”が起こる。サクソフォンとは、これほどに饒舌なのか。「目から」ならぬ「耳から鱗」の鮮烈なプレイで、楽器へのイメージを塗り替えてきた田中靖人。今回は、マルチに活躍する鬼才・中川賢一のピアノと共に、ドビュッシー「ラプソディ」からクレストンのソナタ、モリコーネ、ガーシュウィン、自身の弟子でもある林田祐和の新作まで、多彩な佳品を吹き尽くす。前日には、田中と中川が実演を交えて聴きどころを語るワークショップも。月の2粟辻 聡そう(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団 フレッシュ名曲コンサート第132回スーパー・リクライニング・コンサート福井麻衣(ハープ)田中靖人(サクソフォン)大友直人(指揮) 読売日本交響楽団 フレッシュ名曲コンサート佐藤久成(ヴァイオリン)と仲間たちカルテット・コンサートオペラシアターこんにゃく座 公演喜歌劇《天国と地獄》2/3(土)14:00 かつしかシンフォニーヒルズ2/9(金)15:00 19:30 Hakuju Hall2/4(日)15:00 北九州/響ホール2/3(土)15:00 めぐろパーシモンホール2/16(金)19:00 五反田文化センター2/8(木)~2/18(日) 俳優座劇場文:笹田和人粟辻 聡坪井夏美 ©Shigeto Imura大友直人 ©Rowland Kirishima水野優也佐藤久成田中靖人 ©Anju中川賢一 ©Shuhei NEZU「新しい日本のオペラの創造と普及」を目指し、自国語による舞台上演に取り組む「オペラシアターこんにゃく座」。かつて林光が芸術監督を務め、傑作《森は生きている》も生んだ。今回は、加藤直の訳詩・演出、音楽監督に萩京子でオッフェンバック《天国と地獄》を上演。大石哲史(ジュピター)、梅村博美(ユリディス)らキャスト、寺嶋陸也(ピアノ)ら手練の楽士によって、神々が入り乱れてのドタバタ喜劇が輝きを纏う。大石哲史梅村博美「音楽にとって大切なことは、全てハープが教えてくれる」。2005年にパリ国際ハープ・コンクールで日本人初の優勝を飾り、国際的な演奏活動を展開する福井麻衣。「指で直接弾くので、自分の感情が音に伝わる。心が澄み渡っていれば、とても良い音で応えてくれるんです」。今回はドビュッシー「アラベスク第1番」「亜麻色の髪の乙女」やチャイコフスキーなど、彩り豊かな調べを紡ぎ、聴く者の心をそっと癒す。

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