eぶらあぼ 2017.11月号
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206日本では珍しい常設の弦楽四重奏団として活躍するクァルテット・エクセルシオ。その定期では、4人が「最重要の作品」と位置付けるベートーヴェンの弦楽四重奏曲を軸に、“王道”のレパートリーを取り上げ、尽きせぬ魅力を掘り下げ続けている。京都13回目、東京33回目となる定期公演。初期の傑作・作品18から、楽聖らしい情熱に満ちた第4番を、ハイドンの第41番とシューベルトの第13番「ロザムンデ」と共に弾く。“魂の調べ”に身を浸したい。数々の同時代作品を初演する一方、歴史的鍵盤楽器にも取り組む現代ロシア・ピアノ界の巨匠アレクセイ・リュビモフ。今回はモーツァルトの第14番、ハイドンの第32番、ストラヴィンスキー、現代ウクライナのヴァレンティン・シルヴェストロフの第2番と4つのソナタに、ショパンのバラード第3・第4番と「舟歌」を弾く。京都での終演後の懇親会は、シルヴェストロフ本人も参加を予定。名演奏家が、楽器の奥深さと魅力に迫る人気シリーズ「楽器の秘密」。今回は、いま最も注目されているマリンバ奏者の一人、塚越慎子を迎えて、個性的な打楽器の奥深き魅力を探究する。国立音大からアメリカに学び、パリ国際マリンバコンクールで優勝、世界を舞台に活躍する名手。マリンバの服部恵や米重美文子との共演で、ピアソラからR.=コルサコフ、マリンバのオリジナル作品まで、多彩かつエネルギッシュに奏でる。精選された現代の佳品(聴き伝わるもの)と新作(聴き伝えるもの)で構成するシリーズ。今回は、昨年逝去したピエール・ブーレーズを追悼、6名のソリスト、室内アンサンブル、ライヴエレクトロニクスのための「レポン」(板倉康明指揮)を軸に。没後25年のメシアン「オルガンの書」から第3、4、6曲、ブーレーズの弟子ホリガーの「詩篇」に加え、森垣桂一の新作「合奏協奏曲」が作曲者自身の指揮で、世界初演される。月の11アレクセイ・リュビモフ(ピアノ)塚越慎のりこ子(マリンバ)楽器の秘密 シーズンⅢ 第10回 マリンバいま甦る『伊勢物語』の世界OPERA《業平》クァルテット・エクセルシオ第13回京都定期/第33回東京定期川久保賜紀(ヴァイオリン) 三浦友理枝(ピアノ) ウィークデーマチネコンサート おいしいクラシック3聴き伝わるもの、聴き伝えるもの 第12夜ブーレーズとのレスポンソリウム11/4(土)15:00 京都/アトリエ松田11/5(日)15:30 東京/文化シヤッターBXホール11/15(水)13:30 かつしかシンフォニーヒルズ11/9(木)14:00 19:00 国分寺市立いずみホール11/8(水)14:00 京都文化博物館 別館ホール11/12(日)14:00 東京文化会館(小)11/15(水)13:30 調布市文化会館たづくり11/11(土)16:00 国立音楽大学講堂文:笹田和人板倉康明 ©Eric MANAS©Shingo Azumaya能の古典『小塩』に材を採り、笠谷和比古の台本、『伊勢物語』研究の山本登朗の監修により、門田展弥が作曲した全2幕のロマンティック・オペラ。京都西山・大原野を舞台に、在原業平と“高子姫”こと二条の后の悲恋の幻影を、美しい旋律に乗せて綴る。業平に林寿宣、高子に安本佳苗、東国の僧・鬼に田中崇由希という実力派キャストに、風吹和男の演出、門田の指揮によるコンセール de Narihiraが合奏を担う。平日の昼下がり、クラシック音楽を“グルメ”というユニークな視点から捉え、好評のシリーズ「おいしいクラシック」。第3回は楽聖ベートーヴェンの後編で、グルメなテーマには「ウィーン風オムレツ」を。ヴァイオリンの川久保賜紀とピアノの三浦友理枝、国際的に活躍する2人のミューズを迎え、文筆家の浦久俊彦の案内で、ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」など名曲と、“おいしいトーク”をたっぷり味わう。左より:川久保賜紀/三浦友理枝 (共に©Yuji Hori)2016.6/11 京都公演より©Naoko Ogura

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