eぶらあぼ 2017.11月号
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176グラム(2018.3/17 すみだトリフォニーホール)とシューマン、モーツァルト、ヤナーチェク、ショパンの作品を並べたプログラム(18.3/18 ヤマハホール)の2公演が予定されている。 「『イギリス組曲』は以前からよく弾いていますが、『平均律クラヴィーア曲集』の前奏曲とフーガは、いつか演奏したいと思って、課題としてずっと取り組んできました。ついに皆さんの前で演奏する時期が来ました」ピョートル・アンデルシェフスキ ピアノ・リサイタル2018.3/17(土)18:00 すみだトリフォニーホールhttp://www.triphony.com/2018.3/18(日)14:00 ヤマハホールhttp://www.yamahaginza.com/hall/■ミハイル・バリシニコフらが「高松宮 殿下記念世界文化賞」を受賞 第29回 「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催:公益財団法人日本美術協会)の受賞者が9月11日、事前発表記者会見で発表された。演劇・映像部門にバレエダンサー・振付家のミハイル・バリシニコフ、音楽部門に作詞家・作曲家・歌手のユッスー・ンドゥールが選ばれた。 ミハイル・バリシニコフは、1948年ラトビア・リガ生まれ。クラシック・バレエと現代バレエに加え、演劇、映画、テレビでも活躍。旧ソ連時代にキーロフ・バレエ(現マリインスキー・バレエ)のトップダンサーにまで上り詰めたが、74年米国に亡命。アメリカン・バレエ・シアター(ABT)に入団する一方、映画俳優にも挑戦し、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。その後、ニューヨーク・シティ・バレエ団を経て89年までABTの芸術監督を務めた。90年から2002年まで「ホワイト・オーク・ダンスプロジェクト」の監督を務め、05年に「バリシニコフ・アーツ・センター」をニューヨークに設立し、若手芸術家の育成にも尽力している。 ユッスー・ンドゥールは、1959年セネガル・ダカール生まれ。グリオ(語り部)の家系に生まれ、12歳から音楽活動を始める。西アフリカ固有のリズム「ンバラ」をモダンにアレンジし、伝統音楽にさまざまな民族音楽や欧米ポップ・ミュージックのエッセンスを取り入れ、80年代から90年代にかけての「ワールド・ミュージック」ブームを牽引した。 また、絵画部門で受賞した、映像作家のシリン・ネシャット(イラン/アメリカ)は、今夏のザルツブルク音楽祭でオペラ《アイーダ》の演出を手がけている。 そのほかの受賞者は、次の通り。彫刻部門:エル・アナツイ(ガーナ)、建築部門:ラファエル・モネオ(スペイン)。また、第21回「若手芸術家奨励制度」として、ズゥカック劇団・文化協会(レバノン)が選ばれた。  「高松宮殿下記念世界文化賞」は、日本美術協会の創立100周年を記念し88年に設立、前総裁高松宮殿下の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」との遺志にもとづき、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の各分野で世界的に顕著な業績をあげた芸術家に毎年授与される。高松宮殿下記念世界文化賞http://www.praemiumimperiale.org/■髙木凜々子が第1回バルトーク国際 コンクールで第2位 9月9日から17日までハンガリー・ブダペストで開催された第1回バルトーク国際コンクールでヴァイオリンの髙木凜々子が第2位に入賞した。第1位はコシマ・スーレーズ=ラリヴィエール(フランス)、第3位はアグネシュ・ランガー(ハンガリー)。 同コンクールは昨年のバルトーク生誕135年を機にハンガリーのリスト音楽院が新設した。第1回の今年はヴァイオリン部門を開催。4ラウンド制の本審査には44名(うち日本12名)が出場。7名(うち日本2名)がファイナルに進んだ。 髙木は、現在、東京芸術大学3年に在学中。2012年ベートーヴェン国際コンクール第1位、14〜16年ユーロアジア国際音楽コンクール第1位。髙木には特別賞として、複数のオーケストラとの共演機会が与えられる。またファイナルに残った北川千紗(東京芸術大学3年)、予選出場者のなかから石上真由子(長岡京室内アンサンブル)がそれぞれ特別賞を受賞した。バルトーク国際コンクールhttp://bartokworldcompetition.hu/ミハイル・バリシニコフ バリシニコフ・アーツ・センターのスタジオにて 2017年 ニューヨーク表彰式から 左より)アンドレア・ヴィーグ(リスト音楽院教授)、サルヴァトーレ・アッカルド(審査委員長)、アグネシュ・ランガー、髙木凜々子、コシマ・スーレーズ=ラリヴィエール、チェン・ジュウ(審査員)Photo:Liszt Academy/Zoltán Adrián

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