eぶらあぼ 2017.10月号
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74 「彼女の音楽性と完璧に制御された技巧に、深い感銘を受けた」。フランスとオーストリアを中心に、広く国際舞台で活躍するジョージア(グルジア)出身のピアニスト、エリソ・ボルクヴァゼを、巨匠指揮者ズービン・メータは、こう絶賛したという。そんな名手が来日を果たし、深遠な響きの世界をじっくりと披露する。 4歳でピアノを始め、7歳でオーケストラと初共演。ロン=ティボーなど、多くの国際コンクールで実績を重ね、1995年からは現代フランスの作曲家©Uwe Arensさったりしました。フレーズにあった言葉をつけて、意味がなくてもフレーズにあった言葉を考える…そういう教え方は、ロシアでは多いです。ここでこの言葉をつけたら、うまく音と音の間が埋まり、ひとつのフレーズが完成し、フレーズに意味ができるという様に」 最後に、読者のみなさまへのメッセージをいただいた。 「コンサートで弾いている時は、お客さまのエネルギーが伝わってくるので、その雰囲気を味わいながら弾いています。コンサートならではの魅力を感じてもらえるよう、心を込めて演奏します」第2弾アルバム リリース記念 松田華音ピアノ・リサイタル10/30(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040※その他公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。http://www.japanarts.co.jp/CD『ムソルグスキー:展覧会の絵/松田華音』ユニバーサルミュージックUCCG-1768¥3000+税©Ayako Yamamoto松田華音(ピアノ)ロシアのピアノ音楽のエッセンスを体感取材・文:道下京子Interview ロシア育ちの21歳、松田華音の美麗なサウンドがこの秋、日本のコンサート・ホールを駆けめぐる。 全国で5公演が予定されているリサイタル(東京公演は10/30)は、先ごろリリースされたセカンド・アルバムにも収められたプロコフィエフ「『ロメオとジュリエット』より10の小品」とムソルグスキー「展覧会の絵」を軸としたプログラムだ。 「展覧会の絵」は、昨夏にも日本で演奏した。 「ロシアと言えば、ピアノ音楽ではラフマニノフやスクリャービンを連想する方が多いと思いますが、それとはまた違う、古いイメージ…ムソルグスキーの生きた時代やそれよりも前のロシアの風景に魅力を感じます」 この作品のポイントは「プロムナード」だという。 「形を変えて何度も登場するプロムナードは、とても難しいのです。プロムナードをつかむことができれば、曲は仕上がると言っても良いでしょう。ほかの小品は、キャラクターがはっきりとしています。でも、プロムナードをどう弾いたら良いかとずいぶん考えました」 そして、「展覧会の絵」と同じような組曲ふうにまとめられた「ロメオとジュリエット」を選んだ。 「この曲すべてが魅力的。バレエも映像などでよく観ています。物語の舞台はロシアではありませんが、プロコフィエフの音楽を聴いていると、彼の時代のロシア…ソ連を垣間見ることができると思います」 オーケストラとの共演も3公演予定されている。12月には地元・高松でゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管とラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」を演奏する(12/4)。このコンビとは、今夏と昨夏にウラジオストクの極東音楽祭で共演。ゲルギエフを「素晴らしい音楽家」と尊敬し、マリインスキーのオーケストラについては「コンチェルトでもオペラを弾いているのではと感じられます。音が鮮やかなのです」と語る。 6歳で日本を離れ、モスクワ在住15年。母との会話以外は、本を読むときも考えるときも、すべてロシア語。「ロシア語で考える方が簡単」なのだとか。そして、ロシア語と結びついたピアノのレッスンついて、松田はこう語る。 「私の先生は、音楽を創っていくとき、言葉をつけたりストーリーを考えてくだ11/15(水)19:00 Hakuju Hall問 プロアルテムジケ03-3943-6677http://www.proarte.co.jp/エリソ・ボルクヴァゼ(ピアノ)巨匠メータも絶賛する話題のピアニスト文:笹田和人ミシェル・ソニーとコラボレート、ゲヴァントハウス管など一線楽団とも共演。フランス政府から芸術文化勲章“シュヴァリエ”も授与されている。 注目の来日リサイタルでは、ベートーヴェンの第17番「テンペスト」、ショパンの第3番、プロコフィエフの第2番と、時代や地域、様式を異にする、個性豊かな3つの名ソナタを弾き分けて、その卓越した音楽性を発揮。さらに、ショパンの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」で磨き上げた技巧を煌めかせる。

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