eぶらあぼ 2017.10月号
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202202■サントリーホールがリニューアルオー プン 今年2月から7ヵ月間にわたり全館改修工事を行っていたサントリーホールが、9月1日にリニューアルオープンを迎えた。それに先立ち、報道関係者を対象とした内覧会が8月29日に行われた。 今回の工事では、大ホール舞台床板の全面張替え、客席椅子の布地・クッションの張替えなどが行われた。美しい響きや会場の雰囲気を守るため、これまでの伝統を継承する形でのリニューアルとなっている。パイプオルガンのオーバーホールは、今回の改修の目玉のひとつ。開館以来初めてパイプを清掃して整音を行い、送風システムなども刷新した。 また、段差のないアプローチを実現したエントランスやスロープが新設されるなど、“ダイバーシティデザイン”への対応が特に意識されている。その他、舞台・客席照明をLED化し、デジタルサイネージなどの設備も導入。ブルーローズ(小ホール)についても、寄木細工の床板が張替えられた。 チェリストで同ホール館長の堤剛は、「『伝統の継承と革新』を基本コンセプトに、私共の命である音響品質を欠くことなく、かつ時代に即した最新設備を導入しました。世界のリーディングホールとして、今後も日本のクラシック音楽文化の発展に貢献し、50年後、100年後にも皆さまに愛されるホールでありたいと思っています」と語った。内覧会の終わりに、鈴木優人がオルガンでバッハとエルガーの作品を披露した。サントリーホールhttp://suntory.jp/HALL/■クララ・ハスキル国際ピアノコンクール で藤田真央が優勝 8月17日から25日までスイスで行われたクララ・ハスキル国際ピアノコンクールで藤田真央が優勝した。同コンクールは、ルーマニア出身の名ピアニスト、クララ・ハスキルを偲んで1963年よりスタートし、彼女が暮らしたスイス西部ヴヴェイで2年に1度行われている。これまでに、クリストフ・エッシェンバッハ、ミシェル・ダルベルト、河村尚子らが優勝している。 藤田は、98年東京生まれ。現在、特別特待奨学生として東京音楽大学1年ピアノ演奏家コース・エクセレンスに在学中。これまでに2013年ロザリオ・マルチアーノ国際ピアノコンクール第1位、16年浜松国際ピアノアカデミーコンクール第1位、ジーナ・バッカウアー国際ヤングピアノコンクール第3位などに入賞している。クララ・ハスキル国際ピアノコンクールhttp://www.clara-haskil.ch/■久末 航が第66回ARD国際音楽コン クールで第3位 8月28日から9月15日までドイツ・ミュンヘンで開催された第66回ARD国際音楽コンクール(ミュンヘン国際音楽コンクール)のピアノ部門で久末航(わたる)が第3位に入賞した。また、セミファイナルでは課題曲となったパスカル・デュサパンの委嘱新作「Piano Works No.1, Did it again」をただ一人暗譜で演奏、その圧倒的演奏が評価され委嘱新作特別賞も受賞した。 これまでに、クリストフ・エッシェンバッハ(1962年 1位なし2位)、内田光子(66年3位)、チョン・ミョンフン(73年2位)、伊藤恵(83年1位)らを輩出してきた同コンクールピアノ部門での日本人の入賞は、河村尚子(2006年2位)以来となる。内覧会の様子Photo:M.Otsuka/Tokyo MDE©井村重人©Daniel Delang

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