eぶらあぼ2017.7月号
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78コロッケ&京フィル アメージングコンサート in 春秋座モノマネ芸人による“新たなジャンル”の誕生なるか?!文:笹田和人9/2(土)13:00 17:00 京都芸術劇場 春秋座問 京都芸術劇場チケットセンター075-791-8240 http://k-pac.org/ 「アートの域にまで高めた」と言われるまでの声帯・形態模写で、“モノマネ界のカリスマ”として君臨するコロッケ。そんな彼が新たな境地、クラシック・オーケストラとのコラボに挑む。しかも、会場は本来、歌舞伎など伝統芸能上演を目的とした京都芸術劇場 春秋座。果たして、どのような化学変化が待っているのか。「100パーセント真似るなら本物を見ればいい。模写は30パーセント、あとの70パーセントをデフォルメして独自性を創造する」が持論で、今やレパートリーは300以上に。今回は、井村誠貴指揮の京都フィルハーモニー室内合奏団が共演。電子音まで真似る楽団側の“ツッコミ”に、いつにない“返し”も期待できそう。 ステージでは、親しみやすいクラシック名曲などを京フィルが披露。続いて登場するコロッケは、岩崎宏美、玉置浩二、松山千春などテレビでお馴染みのレパートリーはもちろん、名テナーのパヴァロッティまで、オーケストラを相手に大奮闘。もしかすると、“新たなジャンル”の誕生の瞬間に、立ち会うこととなるかも。第28回 ワンダフル one アワーアレッサンドロ・カルボナーレ クラリネット・リサイタル7/26(水)15:00 19:30 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp/ ローマのサンタ・チェチーリア国立管弦楽団の首席クラリネット奏者で、ベルリン・フィル、シカゴ響など世界の名門オーケストラにも首席奏者として客演している、アレッサンドロ・カルボナーレ。その歌心あふれる音楽性とあっと驚く超絶技巧で聴衆を魅了し続けるヴィルトゥオーゾが、Hakuju Hallの人気シリーズ『ワンダフル one アワー』に登場する。 今回は1時間という短めの公演だが、ウェーバー、ドビュッシー、バルトーク、ガーシュウィンなど、多彩な作品が並ぶ。 「僕のリサイタルのプログラミングは、クラシック、ジャズ、クレズマーといった異なるジャンルの作品を交えたバラエティ豊かなもので、今回はそれを凝縮してお届けします」 ウェーバー「クラリネット小協奏曲」とドビュッシー「第1狂詩曲」はクラリネットのためのオリジナル曲。 「ウェーバーはもともとオーケストラとの協奏的な作品ですが、ピアノ伴奏でもとても美しいので、今回とりあげることにしました」 プログラムの中でも、コヴァーチの「ショレム・アレイヘム」はひときわエモーショナルな作品だ。 「クレズマー音楽で、感情にダイレクトに訴えるパワフルな作品です。僕の即興のソロで始まるので、お客様が驚くような演出も考えています! また、『ガーシュウィン!!!』という変わったタイトルの曲は〈I Got Rhythm〉をはじめ3曲ほどの有名なメロディがちりばめられています」 他にヴェルディのオペラ「《リゴレット》のアリアによる変奏曲」も演奏する。 「オペラはもちろん好きで、イタリア人にとっては伝統そのもの。言葉をつけて歌うように演奏することを心がけています」 そもそも、なぜクラリネットをはじめたのだろうか。 「実はこれといった大きな理由はないのです。子どものころ、僕の手は小さかったので、Es管のクラリネットを吹奏楽で演奏しはじめたのがきっかけです。他にはサクソフォン、打楽器、ピアノも演奏したことがあります。また、クラリネットは、様々なジャンルの音楽を演奏することができる懐の深さが魅力です。ジャズ、クレズマー、民俗音楽…。この対応力の広さは他の楽器にはないと思います」 ピアノはイタリアでも日本でも何度も共演している黒田亜樹。 「来日公演のピアノは必ず彼女にお願いしているほど、素晴らしいピアニストです」 Hakuju Hallへは2012年以来の出演だ。 「ホールの響きがとてもクラリネットに合っていますね。前回はお客さんの反応も素晴らしかったのです。今回も“常識を覆すような”演奏で、皆さんに楽しんでいただけるようにがんばります!」コロッケアレッサンドロ・カルボナーレ(クラリネット)クラリネットの限界を打ち破るヴィルトゥオーゾ取材・文:大塚正昭Interview

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